【オンゲをめぐる】第6回は「鋼鉄戦記C21」でガチンコロボバトル

新旧・ジャンルを問わず、さまざまなオンラインゲームのプレイレビューを、毎月15日に紹介していく連載企画【オンゲをめぐる】。第6回目は、サイバーステップがサービス中の「鋼鉄戦記C21」をピックアップ!

シトシト……ジメジメ……ウツウツ……梅雨の到来はウンザリっ! そんな怒りを瑞々しく流してしまおうというOnlineGamerの連載企画【オンゲをめぐる】は、「私が」「オンラインゲームを」「毎月1本」「プレイして」「ちょっと感想をかく」、6月半ばをリフレッシュに過ごすための風薫る企画です。

恐竜とか戦車とか戦艦とかロボットとか、そういうのがスキ。日々、歳を重ねていろいろと変わっていっても、そういうのが変わることはあんまりない。「子供っぽい」という言葉の読み方はとっくに忘れた。まあ、でも、最近は、“美少女要素”も多いから何ともいえないか。てなわけで今回はロボットの楽園「鋼鉄戦記C21」を紹介!

なんかメロディーを付けたら歌詞になりそう。

第6回「鋼鉄戦記C21」

第6回で紹介しますのは、サイバーステップが提供しているMMOアクションRPG「鋼鉄戦記C21」。キャッチフレーズで“宇宙の平和を守るロボアクションRPG!”とうたっている通り、カッコいいのからカワイイのまで多彩なロボを主軸としたゲームとなります。

プレイヤーの目的は、「新生 天使軍」なる組織に属し、その一員として「悪魔軍」と戦い、宙域「コズミック・ルネッサンス」に平和を取り戻すことです。機械工学の到達点たるロボットを題材にしていながら、随分と観念的な世界観に思えます。

本作はアクションRPGの名の通り、撃って避けて相手を倒す3Dアクションバトルが採用されています。ダッシュを駆使した高速機動でバシュンバシュン、射撃と格闘を用いてガキンガキンと相手を倒していくのです。

また、RPGらしくレベル制が取り入れられていることにより、戦闘やミッションを通してロボが成長していくのがGOODです。

ゲームをスタートすると、用意された5機のロボの中から、使用するロボを1機だけ選択できます。中でも「マイトボンバー・BB」には心をくすぐられましたが、色が大変地味。SS映えを気にした結果、正統派の主人公ロボっぽい「ジオグラシス・G型」を選択しました。

ストーリー中はさまざまな登場ロボたちが会話劇を繰り広げていますが、方言の強いコミカルな口調がよく目につきます。ロボと言えども独自の生態系を確立しているのでしょうか? そしてさらに目につくのが「ビックリするほどの敵の大群」です。

戦闘にもよりますが、本作ではウジャウジャワンサカと現れる敵ロボたちと対峙するケースがとても多く、さながらロボット大戦の如しです。壮観です。

ストーリーではさまざまな惑星を巡り、各地で問題を解決していくこととなります。マップ内にはMOBがポップ(敵が湧く)しているほか、緊急任務として突発的に「大軍を倒せ」「ボスを倒せ」的なクエストも発生。基本的にMMOですので、マップ内では色々な人と交わりつつ、冒険を繰り広げていけるのが楽しいです。

そのほか、登場ロボたちの依頼をこなす「クエスト」、インスタンスダンジョン形式の「ミッション」、深層のボスを倒しに行く「ダンジョン(遺跡)」、PvPが楽しめる「ロボGP」と、オンラインゲームらしいコンテンツも盛り盛りです。

肝心のプレイングですが、基本はWASD+マウスによるFPSタイプが主軸となり、そこに飛行、ダッシュ、変形などの操作が加わります。ゲームパッドも使用可能でしたが、設定が上手くハマらなかったために不自由を感じたので、今回はキーボード+マウスで遊びました。

操作性に関しては、ロボにもよると思いますがそれほどスピーディなものではなく、ロボによってはモッサリ気味。しかし、立ち位置や戦闘状況は逐一変化していくため、ゲームスピード自体はそれなりに速めです。コンシューマ畑で育った私としては、PSの初代「アーマード・コア」シリーズを思い出しました。

ちなみにロボは武器以外にも、ヘッド、ボディ、アーム、レッグ、ブースターなどを自由に組み変える「アセンブル」に対応しています。そのため、ショップなどで入手できる完成品以外の、自分だけのオリジナルロボをイチから作成することもできるのです。合成システムも搭載されているので人によっては作りこみもすごそう。パーツ収集がはかどるね。

まあ、最初のうちはシステムがよく分からなかったために、頭と足だけのロボを作ってしまいましたが。これは誰もが通る道な気がします。

また、入手・作成したロボは「コマンドー」と呼ばれる出撃枠に設定しておくと、操作するロボをいつでも自由に切り替えることが可能となります。高機動、重火力、可変機など、状況に合わせて変更していくのが最善でしょう。

ただ、最初のうちはそれほど強力でいて特色あるロボが手に入りませんでした。残念。

ロボの頭上に表示されている名称は、上からプレイヤー名、ロボット名、ギルド名です。

なお、プレイしていると多少の不満点が挙がってきます。私は主にマップですが、これが分かりにくい。惑星内の各地域は、基本的に一度足を運ばないとマップに記名されないようで、東西南北の方角を頼りに進んでいきます。クエストにしても目的地のアイコンは表示されますが、ガイドがないために「……どこに行けばいいの?」と最初のうちはチンプンカンプン。

ゲーム慣れしている人であれば「ああ、こういう進め方か」とすぐさま把握できるかと思いますが、徹頭徹尾ガイド任せに操作をなぞるだけのフワフワ安心設計な昨今のゲームに慣れている身には、このアナログ感にちょっと面倒くささを感じてしまいました。未知の冒険をしている感は楽しいですが、ゲーム自体の初心者は最初の1時間でつまづいてしまいそう。

「え~っと、あっち行くとコッチで、コッチ行くとあっちで……」と迷ってしまった。

パーティだったり、ガレージだったり、インターフェース周りがもう少し最適化されると楽なんだけどと思いつつ、悪魔軍を見つけ次第、バトルを吹っ掛けていくスタイル。結局、戦闘がわりと楽しいので細かいことが「まあいっか」となってしまいます。おそらく、そういう風に次第に慣れていくタイトルなのでしょう。

一つの尖った面白みを含んでいるゲームは、やっぱり強い。

最初の広場にいた方々。よくわからないけど、おそらくこちらはワンパンで倒されるんじゃ?
ダメージはないけれど、こんな場所でも攻撃が可能です。結構みんなじゃれ合ってくれました。

演習か?栄光か?危険か?どれを往く

本日はお日柄がよいので、いつも通り隣の席の同僚・ささみくんとゲームを進めました。彼はゲームセンターで「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス」シリーズで遊ぶのが何よりも大好きな人ですので、C21のように近しいジャンルのゲームはすんなりと把握してくれるので助かります。

とりあえず、PvPがプレイできるようになるまで、2人でシコシコとストーリーを進めましょう。

……いっこうに対戦コンテンツが出てこない。いったん休憩をはさみ、再度ログイン。すると、あるじゃないですかサーバー選択画面に。どうやらゲーム内ではなくサーバーからアクセスするようでした。ぶっ通しでプレイしていたから気付かなかった。

というわけで、とりあえず慣らしでタイマン勝負をしてみることに。しかし、最初のロボ「ジオグラシス・G型」が圧倒的に強く、ささみの粗製たちを次々と撃墜できてしまいました(※対戦では複数機・コストの制限をルールで変更可能、最大50人でひっちゃかめっちゃかに遊べるらしい)。

これは流石にパワーバランスが崩れてしまうということで、今回の対戦ルールは「ジオグラシス・G型以外を、ロボ一覧から選択(アセンブル可)」に決定。本作ではゲーム開始時、最初に選んだロボ以外にもさまざまなロボが扱えるようになっていたためです。

まあ、性能はお察しのとおりで、言ってみれば雑魚的な存在なのですが。

ロボにはサイズやコストがある。基本的に大きいほど数値がドーンと上がります。

私は軽量寄せ集めのバランス編成。ささみは重量任せの重火力編成となりました。ささみとの店売りの収集の差が、如実に表れてしまったのです。ただ、多少趣向を凝らそうと、両手に近接武器を持たせての近距離特化機体を2機含んで挑戦したことが、後の結果につながりました。

2人とも、“こういうゲームには慣れているが、C21はド素人”ということで、AIMや回避がおぼつかず、飛ばれるだけでもはや手も足も出ない。相手の真上に陣取って射撃の雨を降らす戦術が強力に作用します。中でも、ささみのロボ「ビクトリー・キャノン」の射撃は非常に強烈。障害物を上手くかわしつつも、弾薬制限がないゲームなので戦況はジリ貧です。

しかし、戦場に降って湧いた「チャンスボックス」から入手したアイテムにより、膠着は一変。Summonの文字から現れたブロッサムなる時限式の味方が、ささみを一掃してしまいました。現状は「チャンスボックスを制した者が、対戦を制する」くらいのバランスといえます。

ただ、名前のカッコよさだけで選んだマップ「サムライ・ブレード」が入り組みすぎていてために、消化不良のタイムアップ。二の句も告げずに次の試合へ。

計2戦のノウハウを得たことで今度は、己のゲーム内通貨を賭ける闇のバトルを敢行することに。勝者だけが甘い蜜を総取りできる、残酷な世界です。

ここでささみは機体数を絞って、高コストで固める3機編成に変更。彼のロボ「スチールライダーGT(解体不可)」から放たれる機関銃は、こちらのロボを簡単に溶かしてくる代物です。上空から接近して空中近接攻撃をお見舞いしようと画策するも、正面火力で押し切られてしまいます。

「万事休すか……」そう思った私の最後のロボは「パラボロイド」なる、なんかもう見かけからして性能の低そうな三下ロボでした。しかも、ネタとして両手に近接武器を持たせてしまっているからにもう、始まる前から試合終了のお知らせです。

と思っていたら、このロボ、鬼強い。もちろん、上級者からすれば大したことのない1機なのでしょうが、このパラボロイドにはなんと「自動回復機能」がついていたんです。それに気づかず、障害物を駆使してひたすら逃げに徹していた私ですが、なぜかHPがそれほど減っていない事実からこれに気づき、勝利の大爆笑。

ささみ「それは卑怯、それは卑怯だわ」

ジリジリとささみのビクトリー・キャノンのHPを削りつつ、被弾したらたっぷりと時間を使って逃げて自動回復。そして勝利。今回の勝因は“パラボロイド差”といえましょう。この調子でゲーム内通貨を巻き上げていけば、念願の萌えロボを入手できるかもしれません。

「鋼鉄戦記C21」の感想

2000年代に入ってから、ロボットゲームにはハイスピードなゲーム展開が求められてきました。それは「もっと!」「もっとだ!」と、誰かに追い立てられているかのように苛烈な競い合いでした。その点、「鋼鉄戦記C21」は良くも悪くもほどほどのスピード感であり、特殊な操作方法も必要とせず、いわばカジュアルに遊べるゲームといえます。

それでいて、対戦ばかりが強調されておらず、オンラインゲームらしく積み立てていくRPGの醍醐味を内包しているため、“ロボの魅力”に焦点が合ったプレイを楽しむことができるのです。まあ、私とささみくんはひたすらに対人狂なのですが、そういう人でも遊び方の幅でカバーしてくれているので、大満足でした。

というわけで! 今後もジャンルや記事の切り口も含めて、さまざま方向でオンラインゲームの魅力をお届けしていきます。毎月15日掲載を予定しておりますので、頭の片隅で覚えていましたら、この連載企画【オンゲをめぐる】に目を通していただけると幸いです。おしまい!

こんなロボも作れるようです。危ないので目線はモザイクです。

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