「Shadowverse」PC版の提供も発表された「DMM GAMES カンファレンス 2016」

DMM GAMESは7月21日、同社の今後の事業戦略を紹介する「DMM GAMES カンファレンス 2016」を開催した。ここでは同カンファレンス内で紹介された内容を順にお伝えしていく。

カンファレンスの冒頭では、DMM GAMES代表 片岸憲一氏より開催の挨拶が行われた。今期で6期目を迎えたDMM GAMESだが、今後については、M&Aとゲーム開発投資を積極的に行っていくこと、セカンドパーティを中心とした事業からサードパーティを受け入れていくことを方針として掲げた。

また、これまではPC向けを中心にゲーム事業の成長を牽引してきたが、今後はスマートフォン市場やアジアを中心とした海外展開に力を入れていくと語り、プログラムへと移った。

DMM GAMESの会員登録数は1,500万人、スマートフォンアプリの売上が伸長

まずは2015年度を振り返るかたちで、国内外でのゲームプラットフォーム事業や、各タイトルの状況などが紹介された。

DMM GAMESの会員登録数は1,520万人を突破(昨年比162%増)。男女比は8対2となっており、当初はクレジットカード推奨のサービス展開だったことから高めだった年齢層についても、徐々に若年層が増加傾向にあるという。

また今年に入り、英語圏プラットフォーム「nutaku.com」は300万人、中華圏プラットフォーム「Samurai games」は20万人とそれぞれ推移している。国内と同様に一般向けとR18向けのサービス展開となるが、「FLOWER KNIGHT GIRL」などのRPGタイトルが人気を獲得しつつ、2016年度もさらなるタイトル展開を行っていくとのこと。

そして気になる国内売上については、2015年度は前年比で130%増の成長を果たしており、第1クオーターも順調に推移している。一般コンテンツの売上についてはPCゲームはほぼ横ばいだが、App Store、Google Playといったストアでの売上が伸長している。その要因となっているのは、「刀剣乱舞-ONLINE- Pocket」「OZ Chrono Chronicle」など今年に入ってリリースされたタイトルだ。

プラットフォーム別や、一般・R18向けの区分を除くと、自社パブリッシングタイトルが約70本、アライアンスタイトルが約50本と数多くのタイトルをリリースしてきたが、多くのタイトルがスマートフォン向けストアの上位タイトルと比べても遜色ない売上規模を誇っている。今回はその中から、特に良い事例となったタイトルがいくつか紹介された。

PCブラウザで展開している「ストライクウィッチーズ 軌跡の輪舞曲 Blitz」は、IPタイトルということもあり、事前登録者の推移がオリジナルIPのおよそ倍におよぶ、10万人を記録。その要因としてDMM向けオリジナル機能を追加、ならびにPC向けに最適化したことを挙げ、リリース後もセールスランキングで「艦隊これくしょん -艦これ-」の売上を凌ぐようなケースもあったという。

PCブラウザおよびDMM GAMESストア(Android)でリリースされた「レッドコラプション」は、Unityで制作したDMM GAMESストア版の先行リリース後、WebGLで書き出すことで2ヶ月未満の最低工数でPCブラウザをリリースすることに成功。マルチプラットフォームでの展開において、アプリのユーザーを減らすことなくPCユーザーをアドオンし、売上を2舳化できたタイトルだと話した。

最後に紹介された「神姫プロジェクト」は、PC、SPブラウザで展開するタイトル。flashではなくcocos2Dを採用することで、クオリティを担保している。このような技術特化したパートナーについても、カンファレンス内で広く募集していた。

2016年度には「Shadowverse」PC版やマルチプラットフォームのRPGタイトルを展開

続く2016年の事業戦略については、まず最初にさらなる売上増を目指すことを明らかにし、そのための注力ポイントとして、タイトルの競争力を強化すること、艦これ・刀剣に続く人気IPを創出すること、海外展開を拡大していくことの3点を挙げた。

まずはタイトルの競争力を強化するために、国内外のタイトルのソースコードを活用する「ソースコードOEM」の実施を拡大していく。ゲームとしての土台がしっかりしているタイトルの技術を活用し、その上に世界観、キャラクター、シナリオなどの要素を重ねていくことで、元のゲームを上回るほどの成果を生み出すことも十分にありえるという。現在はDMMプラットフォームにはないゲーム性のタイトル強化を図る狙いもあり、優良タイトルがあれば相談してほしいと呼びかけていた。

同時に、PC向けダウンロードタイトルの取り扱いも強化していく。6月にリリースされた「エルダー・スクロールズ・オンライン 日本語版」のタイミングで、ダウンロードタイトルの起動に利用するランチャー「DMM GAME PLAYER」をアップデート。今後は売り切りタイトルも展開するなど、昨今賑わいを見せるPC向けのダウンロードタイトルを展開するパブリッシャーへもアピールしていた。

また、新たなIP創出に向けてはクリエイターの積極的な起用を行っていき、原作・イラスト・シナリオに拘ったゲームを制作。また、製作委員会へと出資し、アニメ放送と同時にリリースすることで相乗効果を図ったり、人気作家・イラストレーターとの協業も行っていくという。

今回はその一例から、アニプレックス、ディンゴ、DMM GAMESで製作委員会を発足し、事前登録期間にショートアニメを放送した「ラグナストライクエンジェルズ」、世界観の構築をRejet、ゲームの企画・制作をDMM.com OVERRIDEが行い、近日リリースが予定されている「一血卍傑 -ONLINE-」が紹介された。

さらに海外展開を拡大するべく、アジア圏の戦略を強化。「刀剣乱舞-ONLINE-」および「刀剣乱舞-ONLINE- Pocket」、「シューティングガール」など数タイトルを有力パブリッシャーにライセンスアウトして海外で配信したり、有力IPをライセンスインし、日本でのパブリッシングを担うなどの展開を行っていく。

最後に、今後リリースが予定されているタイトルの情報を紹介していこう。

まずは現在、CygamesがiOS/Android向けに展開している「Shadowverse」がDMM GAMESよりPC向けに配信されることが発表された。こちらは先述の「DMM GAME PLAYER」を介しての配信となる。

昨年9月に発表され、事前登録者数が30万人を突破した「MUV-LUV ALTERNATIVE STRIKE FRONTIER」は、一般とR18双方でのリリースとなるが、一般向けについてはPCブラウザならびにApp Store、Google Playでの配信を予定しているとのこと。

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