契りを交わし、生贄を捧げ、そして子を成していくダークファンタジー「ユバの徴」の歪な世界を紹介

DMM.com POWERCHORD STUDIOが本日8月2日にサービスを開始した「ユバの徴」。古代文明をイメージした本作の、暗く背徳的な世界の魅力を紹介する。

「ユバの徴」は、独特の世界観が特徴の横スクロールRPGだ。プレイヤーは、“侵略者”たちによって脅かされたユバの大地を奪還するため、神の拝命を受けて遣わされた“ユバの戦士”となり、侵略者たちを放逐していくこととなる。

プレイヤーの目的は主に二つ。一つは、ユバの大地を汚す侵略者たちを抹殺し、その骸を供物として捧げて神様を復活させること。もう一つは、侵略者たちに捕らえられてしまった“祈り人”と呼ばれる人々を救出し、契りを結んで子を成し、“ユバの戦士”の血をより強大なものにすること。

生贄を捧げたり、子を成したりと、本作ならではの用語が多くあるが、大雑把にほかのゲームでいうところのクエストや合成・進化に相当する行為と思ってもらっていいだろう。システム自体はシンプルに分かりやすくまとめられているので、まずはそのゲームシステムを紹介していこう。

本作は、大まかにアクションパートと育成パートの二つのシーンに分かれている。1~3人からなる戦士の部隊を編成し、侵略者からユバの大地を奪還しにいく「討伐クエスト」がアクションパートだ。

討伐クエストでは、侵略者を倒しながら制限時間内にゴールへ到達することが目標となる。ゴールに着くのが早ければ早いほど多くの報酬を獲得できる。クエスト中、戦士たちはすべてオートで移動し、敵と遭遇した際も自動で攻撃を繰り出してくれる。ステージによっては海を泳いだり崖を登ったりと、さまざまなギミックが用意されており、これらのアクションもすべて自動でこなしてくれるが、戦士の中に泳ぐことや崖を登ることが苦手な戦士もいるので注意しておこう。

プレイヤーの操作が介入する要素としては、敵をタッチすることで「ウル」と呼ばれるアイテムを獲得することができる。ウルは道中のいたるところに散らばっているので、同様にタッチして回収しておこう。クエストは、ゴールに着くのが早ければ早いほど、より多くの報酬を獲得することができる。なので、クエストに合わせた戦士の選出も攻略のポイントとなっている。

ならば、より効果的にクエストを攻略するにはどうすれば良いのか? それは戦士と祈り人の組み合わせが重要になる。

祈り人は、パーティに編成することで攻撃力や防御力など、戦士のステータスを向上させてくれる、いわゆる装備品的な役割を担っている。また移動速度を上昇させたり、泳ぐのを早くしてくれたりと、さまざまなスキルも持っているので、クエスト毎に最適な編成を考えていくと効率的な攻略が狙えるはずだ。

育成パートでは、アクションパートで獲得した報酬やウル、祈り人や侵略者のドクロを使って、各種レベル上げや戦士・祈り人の育成を行うことができる。

まずは祈り人について。本作を特徴付けているのがこの祈り人の存在で、先述した通り戦士のステータスを強化できる“装備品”としての側面を持ち合わせているほか、戦士と「契りの儀式」を行うことで新たな戦士を生み出すこともできる。

ただし、祈り人は侵略者に奴隷として扱われたり、戦によって故郷を失っていたりと、過酷な境遇にさらされていた者がほとんど。ユバの戦士であるプレイヤーの、ひいては神によってその身を助けられたからといって、そう簡単に心身の傷が癒えるわけではないのだ。

契りの儀式を行うには、まず祈り人たちを育成し、心を開かせてあげなければならない。そのために必要となってくるのが、クエストで獲得できるウルだ。祈り人に合ったウルを一定数捧げることで祈り人は進化し、戦士と契りを交わすことが可能となる。また、祈り人を育成することで、彼女たちの過去も垣間見ることができる。祈り人たちの過去と向き合い、その傷に寄り添ってあげることもまた、ユバの戦士としての使命なのだ。

さて、祈り人を育成し終えたら、いよいよ子孫を残す契りの儀式を行うことができる。契りの儀式にはほかに、“生命の種”と呼ばれるアイテムが必要なのであらかじめ注意しておこう。契りの儀式を行うことで、戦士と祈り人の遺伝子が組み合わさり、親とは異なった職業や属性を持つ戦士が生まれる。この組み合わせに関しては規則性が存在するので、実際に配合を重ねてユーザー自身が研究していくといいだろう。

また、遺伝子の組み合わせによっては肌の色が異なるなど、突然変異の戦士が生まれることもある。これらの戦士は総じて高い能力を持っているので、運よく生まれた際はぜひパーティに編成して侵略者討伐に役立てよう。

なお、契りの儀式を実行すると祈り人は戦士を身ごもり、一時的に「授かり人」となる。授かり人が戦士を出産するには実時間の経過が必要となる。こちらについては時間を短縮してくれるアイテムも用意されているので、都度利用してみてはいかがだろうか。

さて、ここまでウルによる育成や契りの儀式など、ユバの血統を強大なものにするためのさまざまな要素を紹介してきたが、実はこれだけではいずれ限界が来てしまう。何故ならば、祈り人はウルによってレベルを上げることができるものの、肝心の戦士は生まれた時からレベルが固定され、それから上下することがないからだ。

では、より強力な戦士を生み出すにはどうすれば良いのか。これが本作における最後の育成要素“生贄”だ。

本作では、超常的な力を持った神様に捧げ物をすることで、さまざまな恩恵を得ることができる。たとえば、クエストで手に入れた侵略者たちのドクロを神様に捧げて神様レベルが上昇すれば、祈り人の所持数が増えるなどより快適なプレイが可能になる。侵略者たちを葬るため、ユバの戦士を遣わせた神様もまだまだ完全復活には程遠く、それには大量のドクロが必要になってくるのだ。

さて、ここからが肝心で、強力な戦士を生み出すためには、戦士を生贄に捧げる必要がある。戦士を一定数生贄に捧げることで、職業毎に戦士のレベルが向上していくのだ。

戦士の職業は、剣の者、鉈の者、槍の者、弓の者、槌の者、爪の者、妖の者の7種類があり、たとえば“剣の者”がレベル3の時、“剣の者”の戦士を3人生贄に捧げることで、“剣の者”のレベルが4に向上する。すると、以降に生まれてくる“剣の者”の戦士はレベル4になり、レベル3の戦士よりもステータスが向上している。より強力な戦士を生み出すためには、より多くの礎が必要になるというわけだ。

また、祈り人を生贄に捧げると、ウルを入手することができる。さらに、生贄に捧げることでしか見ることができない特別なエピソードも解放される。今際の際で発露する、彼女たちの本当の姿を垣間見ることができるのだ。普段は温厚で敬虔な信徒でもある祈り人が、まさしく鬼のような形相で怨嗟の声をプレイヤーにぶつけてくることもある。

…まあ、何においても、崇高な目的のために多少の犠牲には目を瞑らなければならないということだ。それがたとえ契りを交わした相手や、血を分けた同胞であったとしても。

陰鬱とした世界観に隠された「ユバの徴」の魅力

供物や生贄など、ややショッキングな単語が多く見受けられる本作。ここからは、そんな本作のどこか気味の悪さを覚える世界観を、少しだがより切り込んで紹介していこうと思う。

本作において特に重要な存在といえば、やはり“神様”だろう。本作では、大神殿に奉られている巨大な目玉のことを主に“神様”と呼んでいる。しかも、神様について詳しいことが語られることはなく、神様の言葉についても、“神と人との仲立ちを成す者”を自称する謎の存在・シルシによって紡がれるのみである。

自らを“シルシちゃん”と呼ばせるお茶目な一面も見せるが…

そしてこのシルシという存在がまた胡散臭い…。一見すると、さまざまなことを教えてくれたり、いろいろとアドバイスをしてくれるユバの戦士の味方のように思えるのだが、彼女(?)たちの語る神様の言葉はどれも薄っぺらく、どこか思惑めいたものが見え隠れしているように感じられる。

最初に出会うシルシちゃんとは違うシルシも登場。口調や性格もかなり異なっているようだ。

また、侵略者たちについても謎の多い部分がある。その異様な姿からも、侵略者たちは明らかにユバの戦士とはかけ離れた技術力を持っていることが分かる。ユバの大地を襲う機械たちを操る誰かがいるのか、それともあの機械そのものに意志があるのかは定かではないが、ユバの戦士たちとは異なる、強大な力を持っていることは間違いないだろう。

巨大な甲鉄の人形さえも用いて、祈り人たちを攫い、悪逆の限りを尽くす侵略者たちだが、彼らは本当にユバの大地の侵略が目的なのだろうか。神様の言を借りるならば、彼らは“神との誓いを忘れ、文明の発展によって神の存在さえも否定しようとしている”という。神様からすると、侵略者たちはユバの戦士とは対照的な、文字通り神に仇名す反逆者ということになる。神様にとっても、ユバの大地に住む者にとっても、侵略者の存在は大きな脅威にほかならない。

だが、もしも本当に、侵略者たちがユバの戦士とは真逆の神に反旗を翻す存在ならば、その正体は…。

シンプルなゲームデザインの裏に、濃密なストーリー性が見え隠れする「ユバの徴」。神様、シルシ、侵略者など、気になる要素が盛りだくさんとなっているが、それすべてがメインストーリーをこなしていくことで徐々に紐解かれていくとのこと。また、期間限定で開催されるイベントなどでも、細かな設定が掘り下げられていくほか、祈り人についてもここでは紹介しきれないほど多彩なエピソードがあるので、興味の沸いた人はぜひ、本日よりサービスが開始された本作をプレイしてみてはいかがだろうか。

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