2016年8月28日、カプコンはオンランゲーム「モンスターハンターフロンティアZ」のメディア向け発表会を実施した。
2007年にサービスを開始し、さまざまなハードに展開しアップデートを重ねながら今もなお根強い支持を集めるオンラインハンティングアクションゲーム「モンスターハンターフロンティア」(以下、MHF)。ここでは、その大型アップデート内容が明かされたメディア発表会と体験会の模様をお届けしていく。
タイトルが「G」から「Z」に!シリーズ最高のアップデートを目指す
発表会では、最初に本作のエグゼクティブプロデューサーを務める杉浦一徳氏が登壇し、9周年を迎えたことへの感謝の言葉が告げられたあと、11月9日に予定されている大型アップデートにより現在の「モンスターハンターフロンティアG」が「モンスターハンターフロンティアZ」にタイトルを変更し、新たに生まれ変わることが電撃発表された。
その「MHF-Z」の詳細は、続いて登壇したプロデューサー・宮下輝樹氏、運営ディレクター・今村謙介氏の両名によって明かされることに。「MHF-G」とはまったく異なるオンラインゲームとしてのアクションの極みと、開発チームとして過去最高のアップデートとなる頂点を目指す「Zenith」という意味を込め、タイトル変更に踏み切ったという。
「MHF-Z」への進化には大きく分けて3つの柱が存在する。最初に紹介されたのが「極ノ型」と呼ばれる新アクションで、13武器種すべてに実装されるのがポイントだ。穿龍棍や天ノ型スラッシュアックスFでのみ可能だった「抜刀ダッシュ」がすべての武器種で使用可能となったのがもっとも大きな変更点で、会場では双剣、大剣、ランス、ハンマー、太刀、ヘビィボウガンなどの新アクションの映像も公開に。今回紹介されたもの以外にも、地/天/嵐の上位となるスタイルや、新規追加モーションが多数存在するとのことだ。
新モンスター「辿異種」が登場!辿異武具には待望のスキル枠拡張効果が
続くもう一つの柱が、「辿異種」と呼ばれる新たなモンスターの種別の追加。現時点では8体のモンスターの実装が発表されており(当然、今後はさらに数を増やしていく予定とのこと)、今回はその中から「エスピナス」「リオレウス」「ダイミョウザザミ」「ヒプノック」「フルフル」の5体のモンスターが公開に。
辿異種のモンスター達はどれも、エスピナスなら角、ダイミョウサザミならハサミといったように、一部の部位が著しく発達しているのが特徴で、その部位を破壊することで希少素材を獲得できる。ただし、辿異種のモンスターはどれもかなりの強敵となっており、発達部位を破壊するのは容易なことではなく、新たに追加されるアクションなども駆使してどのように破壊するかがハンターの腕の見せどころとなるという。
もちろん、辿異種から獲得できる素材を使って専用の武器や防具を作ることもでき、今回はその中からいくつかの武器と防具のデザインも公開された。どの装備も発達部位の特徴を盛り込みながら、辿異種ではない元の装備から大きくデザインが変更されており、非常に個性的な見た目となっていた。中でもどことなく世紀末な雰囲気を連想させる「ダイミョウサザミ」防具は、是非やられた時の例の断末魔を残すという遊びもしてみてほしいのだとか。
また、辿異武具には「辿異スキル」と呼ばれる新たなスキルが備わっており、既存スキルの効果の強化や、待望のスキル発動数の上限を拡張する能力が自動で発動する。辿異スキルは発動させる度にスキル枠を1つ拡張する効果があるため、武器と防具5部位をあわせて少なくとも6枠ものスキル枠の拡張が可能だという。
「纏雷」なら効果時間の延長、「転閃」なら武器に設定されている会心率に応じて攻撃力がアップといったように、既存スキルの効果も強化され、枠が増えることでスキルの組み合わせのパターン大幅に増加することになるので、いろいろな新しい組み合わせを試行錯誤してみてほしいとのことだ。
そして3つ目の柱となる「歌姫狩猟戦・真説」では、戦歌の章に新たな遊びとなる「猟団迎撃戦」が追加される。こちらは現時点でも実装されている「歌姫狩猟戦」をさらに進化させたもので、連続して襲来するモンスターを猟団全員で食い止めるというもの。
今回公開されたメインビジュアルでは、4人のハンターに加えて2人の「守衛部隊」と呼ばれるNPCの姿も確認することができ、少なくとも4人のプレイヤーに2人のNPCを加えた6人で挑むことができるようだ。
また直接戦うわけではないもの、歌姫がクエストにも付いて来てくれるようになり、シチュエーションもより盛り上がるものに。猟団としてどこまでモンスターを撃退したかを確認したり、一定数のモンスターを撃破すると「特別猟団部屋」と呼ばれる部屋に入ることができるようになり、さまざまな特典を得られるようにもなるそうだ。
そしてサプライズとして、大勢のハンター達が待ちわびたであろう、装備の「外装変更」がいよいよ実装されることに。外装専用の装備を生産し、他の防具と組み合わせることで、防具の性能をそのままに見た目を自由に変更させることができるようになる。
ハンターなら誰もが体験するであろう「スキル構成は気に入っているけど見た目が……」という場合にも頭を悩ませることが少なくなるのは何よりも嬉しいところだろう。見た目とスキル構成のバランスをどうとるかも面白さの一部であることは開発陣も当然理解しているものの、好きな見た目でプレイしたいという根強い要望に、ついに答える形となったようだ。
なお「MHF-Z」では「MHF-G」の時のように「Z級」のモンスターを追加する予定はなく、あくまで従来通りのG級までのモンスターを相手に、「MHF-Z」としての新しい遊びを提供していくとのことだ。
さらに2016年11月22日より、待望のPS4でのサービスがスタートすることも決定。PS3/PS Vitaでプレイしているキャラクターデータをそのまま使用でき、PC/PS3/PS Vitaのプレイヤーと同じサーバーで遊ぶことができる。PS4のサービス開始と同日には、新モンスターの実装も行われるとのこと。気になるPS4でのクローズドβテストに関しては、10月19日から実施される予定となっている。
また今回のアップデートに合わせた新パッケージとして、11月9日に「MHF-Zプレミアムエディション」が発売される。
特典として「プレミアムエディション」には、辿異武器まで強化が可能な「スラッシュアックスF」「片手剣」「弓」と、辿異防具「エヴォルシリーズ」一式が同封され、パッケージを購入することでいきなり辿異スキルを発動させることができるようになる。さらに外装変更用装備である「エヴォル生産券D」か、パートナーなどに渡すのに使えるもう1つの一式が手に入る「エヴォルシリーズ生産券」のどちらか片方を獲得できるという。
また11月22日にはPS4専用の「MHF-Z ビギナーズパッケージ」も発売され、こちらは100時間を超えるオプションコースに加え、全13の武器種が同梱される。なお同梱される武具のうち、「穿龍棍」「双剣」「ヘビィボウガン」「ワンダレシリーズ」の4つは辿異武具まで強化することが可能で、PS4版から「MHF」をはじめるプレイヤーにピッタリのパッケージになっている。ただし封入されるダウンロードコードはPS4版にしか使用できないそうなので、PC版のプレイヤーは注意して欲しい。
「極ノ型」や新モーションを早くも体験!抜刀ダッシュで使い勝手が劇的に変化する武器も
また発表会のあとにはメディア向けの先行体験会も行われ、早くも「MHF-Z」より実装される13武器種の「極ノ型」や新モーションを体験することができた。
体験可能な時間が限られていたため、触って確認できた武器種はほんの一部なのだが、筆者が従来から劇的に戦闘スタイルが変化すると感じられたのが太刀。これまでは攻撃性能に特化したピーキーな印象が強かったが、新たに抜刀ダッシュからのチャージ攻撃や、攻撃を受け流しつつ反撃を加えられる「いなし」が追加されたことで、攻撃・防御の両面で大きな進化を遂げた。
「いなし」は他の武器種で言うガードにあたる行動で、一度ボタンを押すと、数秒間のみモンスターの攻撃を受け流せるようになる。ガードと異なり、ボタンを押しっぱなしにしていても防御は持続されないため、モンスターの攻撃タイミングを見極めて使うことが重要だ(ジャストガードになれているプレイヤーなら、おそらく違和感なく使える)。
うまくタイミングがかみ合い、いなしに成功するとエフェクトが発生し、その場から瞬間移動したかのような速度で移動しながらモンスターを斬り捨てる「瞬斬」などの技に派生できる。ダッシュ中はダメージを受けなくなるため比較的安全に攻撃が可能な上、演出もド派手でとにかくカッコイイので、ハンター達からの絶大な人気を集めることになりそうだ。
もう一つ、大きな変化を感じたのがボウガンを初めとする遠距離系装備。抜刀ダッシュができるのは既に述べた通りだが、抜刀ダッシュから即座にリロードを行えるダッシュリロードも行えるようになったため、立ち回りの隙が大幅に減り、ソロでも比較的戦いやすくなった。
また中でもヘヴィボウガンは、新たに追加されたゲージをマックスまで貯めた時にのみ発射できる「砲熱弾」を使用した「砲熱照射」が非常に爽快。既に実装されている「排熱噴射」を上回る超強力な攻撃ということで、今後ハンター側の切り札として重要な存在になりそうだ。
そのほかにも、抜刀ダッシュの慣性を乗せたまま斬りかかる双剣の「空舞連斬」、ジャストガードを一定数成功させることで使用できる大剣の「輝烈剣」、ガードを成功させることで新たに追加された「ガードストックゲージ」が溜まっていき、回復やステータス上昇などの効果を得られるようになるランス、ハンマーの既存の溜め攻撃の上位版にあたる、溜めLv5の技である「二連スタンプ」など、極ノ型のバリエーションは非常に多彩。
全体を軽く触ってみた印象としては、やはり全部武器種に共通して抜刀ダッシュが追加されたことで、双剣や片手剣といった軽い武器はより軽快に、大剣やヘビィボウガンといった重量武器はこれまで弱点だった足回りの悪さを比較的補えるようになったため、従来よりも爽快感が大幅に増したように感じられた。
抜刀ダッシュ以外にもすべての武器でいくつも新モーションが追加されており、これまでの「MHF」での常識がガラリと変わる可能性がある。現在は使用する武器をある程度固定しているプレイヤーも多いと思うが、「MHF-Z」のサービスが開始された時には、是非とも一度すべての武器種を試してみることをオススメしたい。これまでとまったく別の印象を抱くものも少なくないはずだ。
発表会の後には、9周年記念生放送も行われた。 生放送では今村氏による「MHF-Zのポーズ」も披露され、意外にも(?)好評を集める結果に |
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アップデート直前に24時間ユーザーの声に耳を傾ける、長時間番組をやろうと杉浦氏が提案する一幕も。 これは宮下・今村の両氏にとっては完全に寝耳に水だったらしく、かなりの動揺を見せていた。 |
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