2017年2月12日に15周年を迎えるMMORPG「リネージュ」。本作の今後の展開について、プロデューサーの川南巌氏にインタビューした。
「リネージュ」は、2001年6月23日にベータサービスがスタートし、2002年2月12日に正式サービスが開始、今年で15周年を迎える長寿タイトルだ。ドット絵で描かれたグラフィックは今でこそ時代を感じさせるが、見知らぬ人とオンラインで一緒に遊べる感覚は多くのユーザーを惹きつけた。某社プロバイダーのモデムに同梱されていたインストール用CDがきっかけで本作をはじめた人も多かったのではないだろうか。
そんなサービス開始時から15年が経過した今でも、7ワールドが稼働しており、多くのプレイヤーが本作を楽しんでいる。今回は、本作のプロデューサーである川南巌氏に15周年を迎えた心境を伺うとともに、今後の展開について訊いた。
「リネージュ」の歴史
2001年6月23日:ベータサービス開始、Siriusワールドオープン
2001年11月9日:Canopusワールドオープン
2001年12月28日:Vegaワールドオープン
2002年2月12日:正式サービス開始
2002年4月12日:Arcturusワールドオープン
2002年7月12日:Rigelワールドオープン
2003年6月20日:Altairワールドオープン
2009年4月24日:Unityワールドオープン
2015年4月28日:Canopus・Altairの統合を行い、Deporojuワールドオープン
2015年5月27日:Kenrauhelワールドオープン
――15周年を迎えた心境についてお聞かせください。
川南氏:まず、今年も無事2月を迎えられたことについて、いつも本作を楽しんでくださっているプレイヤーの皆様に御礼を申し上げます。
毎年2・3月には周年企画としてさまざまなイベントやキャンペーンを実施していますが、本年も2月1日の「15周年前夜祭」を皮切りに、さまざまなキャンペーンを行う予定です。
また、ハイレベルプレイヤー向けのコンテンツアップデートも予定しているため、アップデートに向けてキャラクターを強化できるようなキャンペーンも用意しているので、是非、キャラクターのレベルアップを図って頂ければと思います。
2017年のアップデートについて
――2017年に実装されるというインターサーバーとドラゴンレイドについて教えてください。
川南氏:インターサーバーをかんたんに説明すると「各ワールド間でゲームデータを利用するための設備」です。また、それだけでなくワールド内データを蓄積して反映する機能も備えています。今後のアップデートで中心となるサーバーシステムで、今後のアップデートはインターサーバーを利用したものも多くなります。
――インターサーバーが関わるアップデートにはどのようなものがあるのでしょうか?
川南氏:直近では、2017年春頃に「テーベラス支配戦」「ランキングシステム」のアップデートを行う予定です。
――テーベラス支配戦について、教えてください。
川南氏:ワールド間でポイント制マッチを行う期間限定イベントです。ポイントは支配戦が行われるマップ内のモンスターを討伐したり、他サーバーのプレイヤーを倒した時に得ることができます。
勝利したワールドは、ボスモンスターと戦う権利を得られるほか、一定以上のポイントを獲得したキャラクターは参加賞のアイテムを貰うことができます。また、敗北したワールドのキャラクターも一定以上のポイントを獲得していればアイテムが支給されます。
――ランキングシステムとはどのようなものですか?
川南氏:これは、同一ワールド内のキャラクターが獲得した経験値の量でランク付けされるシステムです。ランキングは毎日定時に更新されます。ランクインしているキャラクターには「ランカー変身」といった特別なボーナスが付与されます。
「ランカー変身」は、ランク上位の数人が使用することが可能で、85レベルの変身を凌駕する能力を持っています。各クラスの姿を基本に特徴的な外見になるため、ひと目でランカーであることがわかると思います。
韓国NCSOFTのスタッフからは、韓国の血盟戦ではランカー変身キャラクターの保有数によって血盟の強さが測られているとも聞いています。
――春以降のアップデートについて教えてください。
川南氏:2017年は、「ドラゴンレイドリニューアル」「エピソード:ヴァラカス(仮)」というハイレベルプレイヤー向けのアップデートを夏頃に予定しています。既存の「アンタラス」「パプリオン」「リンドビオル」という3種のドラゴンをリニューアルするほか、いよいよ最強のドラゴン「ヴァラカス」が登場します。
既存のドラゴン3種については難易度が上昇し、新たに追加される「ヴァラカス」はそれらのドラゴンを凌ぐほどの難易度になっています。ヴァラカスの素材を入手して上位の鎧を作ることができるようになります。そして、4種すべてのドラゴンの素材を集めて製作することができる伝説の剣「ドラゴンスレイヤー」がついに登場します。
四大ドラゴンすべてが正式に登場するのは今回が初めてとなるので、是非楽しんでいただきたいです。
日本の「リネージュ」運営について
――2017年の日本運営のテーマについて教えてください。
川南氏:「リネージュ」は正式サービスから15年も経つ「古い」ゲームです。グラフィックなどは逆に古さが味になる場合もあるかもしれませんが、所々にMMOがハードコアなゲームだったころの名残があります。良く言えば「プレイヤーの自主性に任せる」となりますが、悪く言うと「放ったらかし」になっている部分です。
例を挙げると、2016年7月に「Season4 GATE OF RESURRECTION」という大きなアップデートが行われ、「クラウディア」というレベル55まで簡単に育成できるチュートリアルエリアが実装されました。しかし、クラウディアを卒業した後は「話せる島」に送られ、その後はプレイヤー自身が考え、行動することを求められます。
この状態は結局昔に存在した「隠された渓谷」などのチュートリアルゾーンをレベル15で卒業した後とあまり変わりませんし、むしろモンスターが弱かった昔のほうが遊びやすかったかもしれません。チュートリアルゾーンと通常ゾーンで隔絶した設定になっていることが原因だと思うので、そのような部分を改善しゲームに定着しやすい状況を提供していきたいです。
――具体的にはどのような改善が行われるのでしょうか?
川南氏:現在開発と協議中であり、詳しい内容はお答えできないのですが、「通常ゾーンのモンスターの強さやハンティングリワードが少ないことから生じる難易度の上昇」と「通常エリア到達後の導線の薄さ」が問題であると考えています。ここを解消して「リネージュ」をとっつきやすいゲームに改善し、並行して運営で発生している問題部分にも着手し、ゲームコンテンツと運営サービスの両面から遊びやすいタイトルにしていきたいです。
――最後にプレイヤーにメッセージをお願いします。
川南氏:「リネージュ」は古いタイトルで、最新のゲームを体験したプレイヤーの皆さんにとって足りない部分があるかもしれません。しかし、私は「リネージュ」には独特の良い部分がある素晴らしいタイトルだと思っています。
これからも一人でも多くのプレイヤーの皆さんに「リネージュ」というゲームを知ってもらい、プレイした人に「良いゲームだな」と思っていただけるようなタイトルにしていけるよう、サービスチーム一同鋭意努力させていただきます。これからも「リネージュ」をよろしくお願いします。
――ありがとうございました。
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