DMM GAMESが日本語版のサービスを行うMMORPG「エルダー・スクロールズ・オンライン」。2017年6月6日に発売が予定されている大型アップデートパッケージ「モロウウィンド」より、新コンテンツの1つ「バトルグラウンド」のメディア体験会が開催された。
ここでは、「バトルグラウンド」の概要とインプレションを紹介しつつ、メディア間で行われた対抗戦の模様を合わせてお届けしていく。
4人1組のチームが3種のルールで争う、短時間で楽しめるPvP
「バトルグラウンド」は、4名のプレイヤーで構成される3つのチーム(4対4対4)での対戦が行われる、新たなPvP(プレイヤー同士によるバトル)コンテンツ。従来、「エルダー・スクロールズ・オンライン」では、同盟戦争と呼ばれる大規模なプレイヤー同士での対戦が可能となっており、大きな作品のウリにもなっていたが、今回実装される「バトルグラウンド」は、より短時間かつ少人数で、対人戦の醍醐味を味わえるのが特徴となっている。
「バトルグラウンド」には「チームデスマッチ」「キャプチャー・ザ・フラッグ」「ドミネーション」の3種のルールが用意されており、15分という制限時間の中、もっとも高いスコアを稼いだチームの勝利となる。ルール名の時点で馴染みがあるプレイヤーも多いかと思うが、FPSのオンライン対戦を普段プレイしている読者は、それに近いものをイメージしてもらえると分かりやすいだろう。
試合開始時にこの3つのルールの中のいずれか一つがランダムで選ばれるのだが、これがなかなかの曲者で、例えばチームデスマッチであれば相手を直接倒すことのできる攻撃力や味方の戦闘をサポートする支援性能、「ドミネーション」であれば拠点を維持するための防御力・まとまった敵を攻撃する範囲スキルといったように、それぞれのルールごとに適したキャラクターの能力値は異なっている。全てのルールに適した能力値のキャラクターを育成するのは難しいと思われるため、チーム内での役割分担を、その試合でのルールに合わせて臨機応変に変化させていく必要があるだろう。
また対戦終了後には、プレイヤーがどれだけ活躍することができたかを表すポイントに応じて特別なメダルや報酬を獲得できるようになっている。その際のポイントは敵を倒すだけではなく、味方を回復させたり、ダメージを多く受けるといったことでも獲得可能。後述する体験会では、筆者のキルレシオ(倒した数と倒された数の比率)は悲惨なことになっていたのだが、新クラスである「ウォーデン」を選択し、味方の回復やサポートを中心に行っていたためか、終わってみると前線で戦っていたプレイヤーと比べても遜色ないポイントを獲得できていた。
「エルダー・スクロールズ・オンライン」では、味方を回復・強化する支援スキルが豊富なこともあり、アクションが苦手なプレイヤーでもチームに貢献できるようになっていると感じられた。こうした豊富な支援系のスキルは、先ほどの例としてあげた、FPSでのオンライン対戦などではあまり見られないこともあり、非常に新鮮だった。
メディア対抗戦でのOnlineGamerの奮闘の結果は……!?
今回の体験会には、OnlineGamerを含めた6つの媒体が参加しており、「バトルグラウンド」を用いてのメディア対抗戦も実施された。本来、バトルグラウンドは4人1組・総勢12名のプレイヤーが一斉に戦うルールだが、今回は1回戦が2人1組、決勝が3人1組という、少人数形式の対戦となる。
当日のトーナメント表はこの通り。決勝は、Aグループ、Bグループを1位で勝ち抜けたチームと、両リーグの2位から、ジャンケンで勝利したチームを含めた3チームに、敗退した3メディアの中から選出された1名を加えた、3・3・3での対戦が繰り広げられた。 |
最初に行われたAグループは、キャプチャー・ザ・フラッグでの対戦に。それぞれのチームの陣地には旗が設置されており、自分の陣地に相手陣地に設置されている旗をもって帰ることでポイントが獲得できるのだが、その際には、自陣の旗が残っている状態でなければポイントを獲得できない。
つまり、自分の陣地の旗を守りきりながら、相手陣地の旗を奪わなければならないわけだが、先ほどお伝えした通り、今回の対戦は2人1組のチームという少人数形式。必然的に、1人が自陣の旗を守り、1人が相手陣地の旗を奪いにいくという役割分担となるのだが、やはり1人だけでは旗を守りきるのは難しく、最終的には全てのチームの自陣の旗がなくなってしまうという状態に。
こうなると相手陣地の旗を奪ったプレイヤーも攻撃に参加せざるを得ず、自軍の旗を奪っていったプレイヤーを延々と追いかけるという、通常のプレイではなかなか見られないであろう珍しい光景が繰り広げられる。実際の対戦では、旗を奪うプレイヤーと護衛役、自陣を守るプレイヤーといったように、ある程度固まって動きながらの役割分担が重要となるだろう。
一方、OnlineGamerチームが参加したBグループは、「チームデスマッチ」での対戦。こちらはその名前の通り、相手を倒せば倒すほどポイントを獲得でき、ポイントの多いチームが勝利するというシンプルかつ分かりやすいルールとなっている。
プレイヤーは数発攻撃を当てれば倒せるというものではなく、減少したHPを回復することもできるため、とくに今回のような少人数での対戦ではプレイヤー同士の戦いで相手のHPを0にするのは難しい。そのため、乱戦の中からHPが減ったキャラクターを的確に見つけ出し、回復される前にトドメを刺すということが必要で、今回の対戦では、HPの減った相手に狙いを定めて強制移動させることのできる、ドラゴンナイトの捕縛系スキルが猛威を奮っていた様子だった。
また今回筆者が対戦を体験したマップには、マップのいたる場所に溶岩が溜まっており、その中に入ると大ダメージを受け、少しでも脱出が遅れるとそのまま戦闘不能になってしまう。とくに一人称視点でプレイしている場合、背後の確認がしにくいので、敵から距離をとるために後退したら、後ろが溶岩だった……という事態を避けるためにも、周囲の地形はしっかりと把握した上で、可能なら自身がそれを利用した立ち回りを心がけておきたいところだ。
決勝戦で行われたのは「ドミネーション」で、マップの複数の場所に設置されたポイントを3チームで奪い合うというルールだ。敵を倒すことが目標ではないため、チームデスマッチと比較すると攻撃を受けて倒されるという機会はかなり少なくなるが、その分リスポーンまでの時間が長めとなっている。ポイントを制圧するにはチームの頭数が何よりも重要なので、とにかく戦闘不能に陥るのは避けたいところ。
決勝は人数が一人ずつ増えた3・3・3での対戦で、その中の多くのプレイヤーがウォーベアを召喚するクラス「ウォーデン」を選択していたこともあり、必然的にポイント近くの場所には大勢のキャラクターやウォーベア達が集結することに。こうした場合に、広範囲に対して攻撃可能なスキルを習得しておけば、非常に有利になると感じられた。
また面白かったのが、ある程度一つのチームが独走しそうになると、下位の2チームがお互いに攻撃を控え、首位のチームを標的に協力し合うという状況が自然と起きていたこと。これは先ほどのチームデスマッチでも同様で、こうした三つ巴の状況を利用した戦術が重要となってくるのは「バトルグラウンド」の大きな魅力の1つで、ただ目の前の敵を攻撃するのではなく、敵チームも利用するように立ち回れば、実力で勝る相手にも勝機を十分作ることができるはずだ。
なおBリーグの対戦で2位の成績だったOnlineGamerチームは、じゃんけんに勝利したことで決勝戦の最後の一枠に進出。決勝では一時的には首位を走っていたGame*Sparkチームに肉薄するも、中盤以降はスコアを離されてしまい、惜しくも準優勝という結果に終わった。じゃんけんに勝利した運と味方の奮闘のおかげで、なかなかの戦績にはなったものの、筆者自身は足を引っ張っていたことが多かっただけに、悔しい敗戦となってしまった。
どのルールでも感じたのは、やはり人数が限られている分、同盟戦争よりも個人のスキルと立ち回りがチームの勝敗に大きく関わってくるということ。一人一人が果たす役割が大事となるのは確かだが、気軽に参加できないかというとそうではなく、キャプャー・ザ・フラッグやドミネーションといったルールでは、相手の隙をついて旗や拠点を奪いにいくタイミングなどの立ち回りの重要度の方が高いし、「エルダー・スクロールズ・オンライン」ではサポートを主軸としたキャラクターでもきちんと活躍することができるので、戦闘が苦手というプレイヤーも安心だ。
また1チームにつき4人という人数も決まっているため、普段からダンジョンに潜る際などに集まる、見知ったプレイヤー同士でチームを組みやすいのも嬉しい。事前に綿密な作戦を立てた上で対戦に臨むというガチなプレイスタイルを目指すもよし、仲間とワイワイ遊ぶもよし、従来の同盟戦争とはまた一味違う、協力プレイの醍醐味を体験できるようになっている。
なお「モロウウィンド」には、紹介した「バトルグラウンド」だけではなく、今回使用できた新クラスの「ウォーデン」や「ヴァーデンフェル島」を舞台とするクエストなど、多数の要素が追加される。ストーリーはもちろん、日本語版から新たに出演する総勢40名以上のキャスト陣の熱演など、見所が満載の内容となっているので、是非とも「バトルグラウンド」と合わせて体験してみて欲しい。
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