2017年6月25日に13周年を迎えたMMORPG「リネージュII」。本作の今後の展開について、運営プロデューサーの新井友和氏にインタビューを行った。
「リネージュII」は、MMORPGの老舗であるNC SOFTが開発した王道ファンタジーオンラインRPGだ。前作「リネージュ」から150年前のアデン大陸が舞台となっており、ヒューマンやエルフ、ドワーフといったお馴染みの種族が登場。プレイヤーは、これらの個性的な種族の中から自分だけのキャラクターを作成し冒険の旅に出ることになる。
そんな本作が、2017年6月25日で正式サービス開始より13周年を迎えることになった。長寿タイトルゆえの苦労話や今後の展開について、運営プロデューサーの新井友和氏に話を伺うことができたので、紹介しよう。
――13周年を迎えた今の心境を教えてください。
新井氏:いつも「リネージュ2」をご利用いただき、誠にありがとうございます。長いようで短かった13年ですが、リネージュ2は皆様のおかげで13年目の誕生日を向かえました。皆様に感謝申し上げます。現在、13年続いているオンラインゲームは数えるほどしかありません。その歴史ある「リネージュII」に携わることができ、うれしい限りです。
――長期に渡るサービスタイトルならではの苦労話などがあれば教えてください。
新井氏:2016年4月になりますが、アップデート時期が本来予定していた時期より1ヶ月程度遅れた事がありました。事前に生放送で私から、桜が咲くころ実施とお話しておりましたが(3月下旬を予定しておりました)、その時の新規追加内容に含まれていたヘリオスレイドや傲慢の搭の動作に問題が確認され、調整の為にお時間を頂戴することとなり、結果的に世間では開花が早く桜が散ってしまったという事がございました。いまではユーザーの皆様の間ではネタになってしまっていますが、「エヌ・シー・ジャパン周辺の桜は遅咲きなんです!」という事で勘弁してください(笑)
アップデートについては皆様よくご存知の通り、韓国で先にアップデートされたコンテンツを元に、日本向けにローカライズすることや日本独自のコンテンツなどを製作して、次のアップデートとして日本に投入されます。次のアップデートがいつくるのかというのは、ユーザーの皆様にとっては一番気になる事だと思います。アップデート日については、追加されるコンテンツを楽しんでいただくために、皆様のレベル状況や活動状況が一定の基準に達したタイミングでその日を迎えられるように決定しております。アップデート日を決定した後は、逆算で準備を進め、アップデート日に向けてチーム一同最善の努力を行って参ります。
ただし、計画を立てている段階ではこのタイミングで行けると思っても、前述のように突然の不具合で延期の判断をしなければならない場合も時にはございます。私自身もこのような事態が発生した時は本当に悔しい思いでいっぱいになりますが、より迅速に問題を解決して、お客様により良いコンテンツを提供できるように努力をしています。
アップデートはこのような形で進行し、提供しております。もちろん、お客様がいち早く新しく追加されたコンテンツを楽しみたいといったご要望も十分に認識しておりますので、より早く最新コンテンツを提供できるように今後もがんばります。
――次期アップデートの予定と今後の展望を教えてください。
新井氏:まずライブサービスについてですが、セブンサインシリーズの最終章として、新しい仕組みの全サーバー競争型コンテンツを導入した新ワールドボス「エティス バン エティナ」が追加されます。また、シーゲルナイト、イースエンチャンターの職業改変も実施します。
――全サーバー競争型コンテンツについて詳しく教えてください。
新井氏:サーバー競争型ワールドボス戦として、全12サーバーを代表して新ワールドボス「エティス バン エティナ」と戦うサーバーが決定され、プレイヤーの極限の能力と、最大限の協力を必要とする最高難易度の戦いが行われます。また代表サーバー以外のサーバーは、サポートサーバーとして、「カイン ヴァン ホルター」と戦います。「エティス バン エティナ」が待つ新エリア「エティナ大神殿」において、門を守る守護者を一番最初に討伐したサーバーが、代表サーバーとなり「エティス バン エティナ」討伐にチャレンジできます。
――職業バランス調整の方向性を教えてください。
新井氏:シーゲルナイト及びイースエンチャンターのバランス調整を行います。それぞれお客様からの要望などを参考に強いコンセプトをもっての改変となります。
――クラシックサービスはどう変わりますか?
新井氏:ワールドボス「アンタラス」と、新狩場が追加されます。
――ワールドボス「アンタラス」の特徴などを教えてください。
新井氏:「リネージュII」ライブサービスで初公開されてから討伐がなかなか成功しなかったほど、非常に凶暴なワールドボスです。画面からはみ出すほど大きな体躯を持ち、強力な部下を召喚し、強烈な範囲攻撃を行うなど、その攻撃力は圧倒的です。
――新狩場の特徴などを教えてください。
新井氏:カタコムとネクロポリスが追加されます。ライブサービスでは黎明軍、黄昏軍が互いに争いを行っていた狩場でしたが、クラシックサービスでは、破滅の女神シーレンがすべての生命を吸収し、死の霊に溢れ、様々なモンスターが溢れるフィールド狩場となります。今回のアップデートではそれぞれ二箇所のカタコム、ネクロポリスが追加されますが、今後のアップデートに伴って、カタコムは全6箇所、ネクロポリスは全8箇所が実装予定です。
「密界のカタコム」、「烈士のネクロポリス」は65レベルから69レベルの狩場、「魔道のカタコム」、「苦行者のネクロポリス」は71レベルから75レベルのキャラクーの狩りに適しており、カタコムは経験値獲得特化、アデナ獲得に特化した狩場となっています。
――大規模GvGやPvPに何か新コンテンツや調整が入ったりしますか?
新井氏:要塞戦コンテンツにおいては若干の調整が入ります。
――PvP大会などを行う予定はありますか?
新井氏:「英雄王決定戦」という、オープン懸賞にて賞金を掛けた戦いを予定しております。いろいろなお客様にチャレンジできるように間口を広げ、e-Sportsを意識し展開して行きたいと考えております。コンテンツ内容とレギュレーションなどは検討中です。
――もっとライトなオフラインのイベントなどを行う予定はありますか?
新井氏:7月か8月に大阪にてネットカフェ店舗主催のオフラインイベントを予定しております。私も行きますので、詳細が決定後、公式サイトにてお知らせいたします。
――MMOならではの育成の楽しみを伝えるためのイベントなどは実施されますか?
新井氏:現在、13周年記念イベントを実施中です。この記事を読んでからでも、様々なイベントに参加可能です。新規の方も、今までお休みしていた方も楽しめる13周年イベントとなっております。
――「リネージュ2レボリューション」などのモバイルタイトルが今後サービスされますが、差別化などは考えていますか。
新井氏:「リネージュ2 レボリューション」はNCSOFTよりライセンスアウトにて展開しているサービスではありません。しかし、「リネージュII」のIPが広がることはとてもうれしいことです。差別化ということはなく、お互いに刺激しあいサービス展開ができればと考えています。
――今年度の日本運営のテーマについて教えてください。
新井氏:ゲームサービスにおける運営の役割は非常に大きくなってきたと感じています。昔と違い、1つのコンテンツをただそのまま提供するだけの運営ではなく、どのように魅せるかが重要になっており、色々と手を加えたり考えたりする機会が非常に増えました。いままでの運営ノウハウを活かし、よりお客様の声を活かせる開発と運営を行っていきたいと思っています。また、最新アップデートをなるべく短いタームで提供することを目標としていきます。
――最後にプレイヤーにメッセージをお願いします。
新井氏:皆様の気になる職業バランス調整や新コンテンツをより楽しんでいただけるように、引き続き努力して参ります。今後とも「リネージュII」をよろしくお願いいたします。
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