カプコンは、2017年7月5日の「10周年記念大型アップデート」にて実装予定の「モンスターハンター フロンティアZ」の新コンテンツ「狩煉道」メディア体験会を実施した。
「モンスターハンターフロンティアZ」は、カプコンがPS4/PS3/PS Vita/Xbox 360/Wii U/PCで運営するオンラインハンティングアクションゲーム。今回のメディア体験会では、大型アップデートに先駆けて新コンテンツ「狩煉道」を体験することができた他、プロデューサーの宮下輝樹氏と、アシスタントプロデューサーの砂野元気氏によるアップデート内容を紹介するプレゼンも行われた。
プロデューサー・宮下輝樹氏。宮下氏は「『ワールド』がきても『フロンティア』は続きます! 良い意味で、モンスターハンターシリーズ全体が盛り上がってくれれば」と、 発表されたばかりの「モンスターハンター:ワールド」を絡めた挨拶で笑いを誘った。 |
アシスタントプロデューサー・砂野元気氏 |
さまざまな新モンスターや、火と氷の複合属性「灼零」が新たに登場
まず10周年記念モンスターとして、炎と氷の相反するふたつの力を纏う「灼零龍 エルゼリオン」が登場する。このエルゼリオンから入手できる素材からは防具「エルゼGXシリーズ」や、新たな武器が作成可能になる。
それに合わせて実装されるのが、新たな属性である「灼零」。これは火と氷の二つの属性を併せ持つ複属性で、汎用性の高い性能となることが予想される。属性割合は、それぞれが125%ずつという性能となっているようだ。
加えて、新たな辿異種モンスターとして「ミドガロン」、「ルコディオラ」、「ガノトトス」の3体が実装される。ただしアップデート初日から狩猟可能なエルゼリオンとは異なり、これらのモンスターはある程度の期間を置いて実装される予定となっているという。
美容室での新機能では、ハンターの性別が変更可能となる。性別を変更すると、フェイス・インナーを選び直すことなるため、合計で3イメチェンポイントが必要。色々な装備のビジュアルを楽しみたいハンターにとっては、かなり嬉しい新機能だと言えるだろう。
さらに、大型アップデート以降は、穿龍棍の入手条件が緩和され、G級に昇格したタイミングから生産が可能に。歌姫クエストをクリアする必要がなくなり、新規のプレイヤーにとっては穿龍棍を使えるようになるタイミングが大きく早まることになる。
最後に紹介するのが、本アップデート最大の目玉とも言える新コンテンツである「狩煉道」。こちらは筆者が実際に体験した、プレイインプレッションで詳しく解説していく。
ハンターとしての限界に挑む「終わりのない狩り」。一回のミスが命取りとなる緊張感が魅力
「狩煉道」とは、GR1 から参加可能となる常時開催型の新コンテンツ。出現するモンスターをひたすら狩り続け、ハンターとしての限界に挑むことがコンセプトで、クリアという概念が存在しない、終わりがない狩りとなっているのが特徴だ。
狩煉道クエストでは、専用の受付でクエストを受注し、広場から出発すると専用のベースキャンプへ移動する。装備以外のアイテムの持ち込みは不可となっており、ベースキャンプ内にいる狩煉道ネコから、Gm(ジェム)と呼ばれる専用のお金を消費することで、回復薬や砥石など、狩りに必要となるアイテムを購入できる(ガンナーの弾薬などもここで購入する)。
また受付では、狩煉道クエストをプレイすることで獲得できる「狩煉道ポイント」を、さまざまなアイテムと交換することも可能。難易度が高いコンテンツだけあり、交換可能な素材の中にはレアリティの高いものも含まれている。このあたりは以前に実装されていた「天廊遠征録」とほぼ同じシステムなので、天廊プレイしてしたことのあるハンターなら、すぐに理解することができるはずだ。
準備を終えたら、再度狩煉道ネコに話しかけ、「先へ進む」を選択することで、戦闘用のフィールドへと移動する。ハンターが選ぶことができるモンスターは2つ用意されており、それぞれで相手にするモンスターや獲得できるGmや、報酬の交換に必要となるポイント量が異なる。
この際に出現する2種類のモンスターは常にランダムとなっており、序盤から強力なモンスターが出現することも。強力なモンスターであればあるほど、もらえる報酬も大きくなるが、回復薬などの消耗が激しくなると、当然その後の戦いは厳しくなる。自分や仲間が使用する装備やプレイスタイルとの相性を考慮しながら、戦う相手を決める必要があるだろう。
討伐が行われるフィールドは、障害物やエリアチェンジなどが存在しないシンプルなエリアで、出現するモンスターを相手にしていくという形式。PLごとにダウン回数がカウントされており、その回数が3回になってしまったハンターはクエストから退場、残ったメンバーはそのまま最後の一人が倒されるまで、挑戦を継続することができる。
無事制限時間である50分以内にモンスターを狩猟することができれば、クエストはクリアとなり、ベースキャンプに帰還する。あとは入手したGmで消費したアイテムを補充し、次のクエストに挑戦……という手順を繰り返すのが、狩煉道の大まかな流れだ。
ベースキャンプへと戻ってきた際は、毒などの状態異常を除き、体力やスタミナ、斬れ味ゲージなどは前回のクエストのものを引き継いだ状態となっている。そのため、例えノーダメージで倒すことができたとしても、斬れ味ゲージやスタミナを回復させるための消耗品の購入が必要となるため、Gmのやりくりはかなりシビアなものとなっている。
クエスト開始時には2000Gmと比較的多めの金額を所持しているため、最初に何を買うかが非常に重要。回復薬はもちろん、剣士なら砥石、ガンナーなら弾薬類といった消耗品に加え、仲間のサポートができる粉塵やゲージの最大値を上げる秘薬やこんがり肉も確保しておきたいところだ。
クエストでは、いかに高い体力を維持しながら、モンスターにダメージを与えていけるかが重要となってくる。その際に役立つのが、味方への回復効果をもつランスや狩猟笛といった武器種。とくにランスはガードでダメージを抑えながら戦うこともできるため、持久力が求められがちな狩煉道では、PTに1人は欲しい武器だと感じられた。
また厄介なのが、出現するモンスターが完全にランダムのため、あらかじめ有利な耐性をもつ装備を揃えての対策ができないということ。複数人で挑む場合はある程度属性を分散させておくか、無属性の装備で挑む必要があるかもしれない。今回紹介した新属性「灼零」のような複属性も、狩煉道クエストで使用するのに適した性能をもっていそうだ。
なお狩煉道クエストでは、報酬は狩煉道ポイントからの交換に統一されているため、倒したモンスターや破壊した部位から素材を剥ぎ取ることはできない。ただし部位破壊を成功させると、追加で狩煉道ポイントを獲得できるというメリットも存在するので、モンスターの弱体化を引き起こせる場合などは、積極的に狙ってみるのもいいだろう。
クエストをいくつかクリアしていくと、一定確率で「ボーナスステージ」と呼ばれるクエストが出現することも。ボーナスクエストは他と比較してかなり難易度が低い上、多くの報酬を獲得できるというお得な内容となっている。出現したら最優先で選択するのがいいだろう。
全員が3回戦闘不能となるか、制限時間が終了、もしくはメニュー画面から「離脱」を選択すると狩煉道クエストは終了。それまでに獲得した狩煉道ポイントと、余っていたGmが狩煉道ポイントへと変換される。
冒頭でも説明した通り、獲得したポイントは採集素材や希少なモンスター素材などと交換することが可能となっているが、それぞれの素材には条件として「必要GR」と 「最高進度(1回の狩煉道クエストで進んだステージ数)」が設定されており、それらを満たす必要がある。
また狩煉道クエストをこなしていくと、「狩SP」とよばれるポイントも獲得でき、これを消費することで攻撃力の上昇、ボーナスステージの出現確率アップ、Gmの獲得量アップといったさまざまな効果を発揮する「狩煉道スキル」が習得できる。つまり「欲しい素材があるのに、必要な進度まで進めない……」というプレイヤーにも、何度も挑戦を重ねていくことで狩煉道スキルが強化され、攻略が楽になっていくという救済措置が用意されている。
なお交換可能なアイテムの中には、交換回数に制限が掛けられているアイテム(交換回数はメンテナンス時にリセット)や、「特定モンスターの討伐数」が交換の条件となっている「超特殊アイテム」(討伐数のカウントは定期メンテナンスが行われるまでの期間)といった、よりレアリティの高いものも。
中でも「超特殊アイテム」は、狩煉道クエストにおける目玉的な報酬になっているようで、新たに雷と龍の複属性「皇鳴」を持つ装備が入手できることが明かされていた。
さらに進度が一定数に達すると、「緊急討伐依頼」とよばれるクエストの受注権利も発生。これは「天廊の番人」という高難易度クエストとなっており、強力なモンスターと戦うことになる。なお緊急討伐依頼のみ、狩煉道クエストとは仕様が異なっており、NPCの同行と討伐したモンスターからの剥ぎ取りや、クエストのクリア報酬も獲得できるようになっているとのこと。なおクエストの受注権利は、その結果に関わらず一度出発した時点で消滅する。
今回の体験プレイで筆者が強く感じたのは、ジリジリと手持ちのアイテムが減っていき、1つのミスが後々に響いてくるという長期戦ならではの独特の緊張感だ。やっとの思いでモンスターを倒し、獲得したGmで回復アイテムを補充する綱渡りのような感覚は、本コンテンツならではと言える。普段の狩りで気軽に使っているアイテム一つ一つのありがたみを、あらためて感じることができた。
個人のプレイスキルに加え、仲間とのチームワークやGmの使い道といった、ありとあらゆるテクニック・知識をフル活用する必要があり、進度を更新できた時の達成感は喜びもひとしお。他のプレイヤーと、どこまで進むことができたかを競い合うのも盛り上がるだろう。
一見するとやりこみ型のプレイヤー向けコンテンツのようにも見えるかもしれないが、クエスト中にモンスターにやられてしまっても報酬が獲得できるというのは、ライトなプレイヤーにとってもありがたい要素で、誰にでも挑戦するメリットがある。是非とも多くのハンターに、自分の限界に挑戦してみて欲しい。
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