DMM GAMESが国内でのチャネリングサービスを行うPC用ソフト「PLAYERUNKNOWN‘S BATTLEGROUND」。ここでは、千葉・幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2017」にて、9月22日にエグゼクティブプロデューサー・Brendan Greene氏と、クリエイティブディレクター・Changhan Kim氏へのインタビューを行った。
「PLAYERUNKNOWN‘S BATTLEGROUND」は、Blueholeが開発中のオンライン専用サバイバルシューター。100人規模のバトルロイヤル風のゲーム内容が人気を博し、PC向けダウンロード販売プラットフォームである「Steam」では販売本数が1200万本を、同時接続者数も134万人を突破。「Dota 2」や「Counter-Strike: Global Offensive」といった名作がひしめく中、歴代セールスランキングを塗り替えてしまう偉業も達成した。
まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの本作だが、驚くべきことにまだアーリーアクセス中なのである。DMM GAMESより発表された国内でのチャネリングサービスや、Xbox One版の発売など、正式サービス開始に向けてさらなる盛り上がりをみせる本作について、“PLAYERUNKNOWN”本人であるクリエイティブディレクター・Brendan Greene氏と、エグゼクティブプロデューサーを務めるChang-han Kim氏にインタビューを行った。
日本人だけでもプレイヤー数は30万人以上!?
――ついに「PUBG」の販売本数が1200万本を越え、同時接続数も最大で134万人以上を記録しましたが、この状況は予想されていましたか。
Changhan Kim氏:最初にこのタイトルを開発する時、Brendan氏と本作の可能性について話し合いました。その際、“バトルロイヤル”という新しいジャンルとして位置づけできれば良いと語り合っていたのですが、こんなにも速いスピードで市場が確立されるとは思っていませんでした。
Brendan Greene氏:私もこんなに早く人気が出るとは思っていませんでした。しかし、まずはより安定してゲームがプレイできる環境作りを徹底していきたいと思っています。
――日本では“ドン勝”という言葉が「PUBG」を象徴するキーワードになっていますが、ずばりこの“ドン勝”とは何なのでしょうか。
Changhan Kim氏:元々は“WINNER WINNER CHICKEN DINNER”というジョークの一種を使っていたのですが、これを日本市場に合わせて上手く翻訳しようとしたところ、日本語ができるスタッフから“カツ”という食べ物があることを聞きました。これを“勝つ(Win)”と掛け合わせて“ドン勝”というワードを作り出したのですが、予想以上に反響があったのでそのまま使用しています。
――プレイヤー間では「誤訳だったのでは?」との予想もありましたが、特にそういうわけではないのですね。
Changhan Kim氏:そうですね。元々がジョークなので、日本語でもそういった意味になるように作りました。
――DMM GAMESと提携するに至った経緯を教えてください。
Changhan Kim氏:元々はインディータイトルを作るような小規模の開発チームで、どちらかといえば北米などでのセールスを予定していました。しかし、日本を含むアジア圏でも予想以上の人気を博し、早急にこれらに対応しなければならないと思っていたのですが、その際真っ先に「日本で一緒にやりませんか」と声をかけてくれたのがDMM GAMESだったんです。
――日本国内では、SteamとDMM GAMESの2つのプラットフォームが並立するわけですが、DMM GAMESにはどんなことを期待しますか。
Changhan Kim氏:DMM GAMESは日本の市場にも詳しいですし、日本のユーザーのコミュニティを活性化させるような役割を担ってほしいですね。
――「PUBG」はさまざまな地域のユーザーがプレイしていますが、国ごとにユーザーのプレイスタイルの違いなどはありますか。
Brendan Greene氏:アジアサーバーでは、比較的早い段階からアクティブに多数のユーザーが集結して戦闘を開始するように思います。欧米の方では、全体的に十分に武器を獲得してからより戦略的に動く人が多いように思います。
Changhan Kim氏:アジアサーバーでは主に中国、韓国、日本のプレイヤーがいますが、最も人口の多い中国ユーザーのプレイスタイルがやはり印象に残りやすいのでしょう。日本のストリーマーのプレイを見て感じたことは、皆さんとても静かで、よくゲームに集中していると思いました。
――日本人のプレイヤー数はどのくらいいるのでしょうか。
Changhan Kim氏:約30万人くらいですね。
――新マップとして「砂漠」が実装される予定ですが、現状のマップと比べて遮蔽物などの隠れる場所が少なくなると思います。新マップにも、プレイヤーが隠れられるような戦略的なオブジェクトなどは用意されますか。
Brendan Greene氏:どちらかといえば、今回は地形を活用するイメージになります。例えば高低差を活かして射線を通したり、あるいは相手の狙撃を防いだりと、建物がない場所でも隠れられるポイントが多くできるように作っています。
――「砂漠」のほかに、新マップを作る予定はありますか。
Brendan Greene氏:まだ決まってはいません。ただ、あくまでアイデア段階ですが、ヨーロッパのアドリア海周辺を舞台にしたマップを実装できればいいなと思っています。
――最近では“霧”の問題があったりと、チート問題は「PUBG」でも深刻だと思います。「PUBG」では定期的にBANなどの対策を行っていますが、チーターの対応状況については現状いかがでしょうか。
Brendan Greene氏:当然ですが対策は毎日行っており、多い時には1000件ほどアカウントの停止措置を取っていることもあります。何よりもゲームの競技性を保つことが大事なので、可能な限りユーザーをチーターから守れるように善処していきます。
――アジアサーバーのピーク時間は、認証サーバートラブルなども報告されています。これについて、新たな地域のサーバーを追加するなど、何か対応を行う予定はありますか?
Changhan Kim氏:アジア地域のプレイヤーが急増しており、それに対応が追い付いていないのが現状です。Blueholeのメンバーも総出で対策を練っており、将来的にリージョンを分けるという意見も出ています。問題はもうすぐ解決できると思うので、もう少しだけお待ちいただければと思います。
――日本では「PUBG」をパロディしたアニメや漫画といった二次創作作品が多く見られますが、これについてはどう思われますか。
Brendan Greene氏:とても嬉しいことです! 最近、ファンの人が作ってくれた10分間ほどの映像作品を見たのですが、本当に素晴らしい出来上がりで感動しました。
――ありがとうございました。
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