ネクソンがサービス中のファンタジーMMORPG「Tree of Savior(ツリーオブセイヴァー)」。12月20日に新規クラス4種の追加を含む大型アップデートが実施される。ここでは、アップデートの詳細について、プロジェクトマネージャーの今濱隆一郎氏と細田光氏にインタビューを行った。
5月にダメージ計算式やステータス影響力の変更を含む“基礎バランスの改善”を目的とした大規模アップデートが行われた「Tree of Savior」。“基礎バランスの改善”という、ゲームの根幹に関わるアップデートが行われ、まさに激動の1年となった本作だが、2017年はまだまだ終わらない。
12月20日に実施予定の大型アップデートでは、新規クラス4種と新規フリーダンジョン、さらに追加コンテンツ「チャレンジモード」「ユニークレイドダンジョン」が実装。さらに、レベルキャップが330から360に引き上げられ、これに伴うクエストやストーリー、レベル350以上対象の装備も追加されるほか、未鑑定装備のリニューアルも実施。
啓示者に贈るクリスマスプレゼント代わりの新要素満載な本アップデートの詳細について、本作のプロジェクトマネージャー(PM)を務める今濱隆一郎氏と細田光氏にインタビューを行った。
新クラスはすべて“赤”!運用内では「バレットマーカー」が人気?
――まずは、お二人の役職についてお伺いしたいと思います。これまでPMといえば今濱さんのみだったと思いますが、新たに細田さんも一緒にPMとして「Tree of Savior」の指揮を執られるということなのでしょうか。
今濱隆一郎氏:実は今回のアップデートより、プロジェクトマネージャーが細田のほうに移ります。というのも、私のほうが別のプロジェクトも担当することになったため、プロジェクトマネージャーという大事な立場で兼任するわけにもいかず、細田に一任することになりました。
プロジェクトの内容をお話しすることはできませんが、決してネガティブな理由ではありませんので、イベントなどでまたユーザーさんに会えることを楽しみにしています。
――今濱さんの携わる新プロジェクトの詳細が公表されることを楽しみにしています(笑)。では、さっそくですが今回追加される4つの新クラスについて教えて下さい。
今濱氏:久々の新クラスになりますのでユーザーの皆さんの注目度もかなり高いと思います。ですが、各クラスの特徴を紹介する前に、今後のクラス拡張について方針を変更した部分があるので、まずはこちらの説明をさせていただきます。
これまでは、ランク拡張が入る度に上位のランクが追加され、そこに新クラスが追加されてきましたが、今回実装される新クラスについては既存の最高ランクであるR8に追加されます。一方、キャラクターの最大ランクはこれまで通り8から9に拡張されるほか、R8のサークル2スキル、あるいはR7のサークル3スキルを習得できる点は変わりません。
しかし、今後実装される新クラスのサークルについては少し傾向が異なり、今後は新たに実装されるクラスのサークルも既存のR8クラスのサークル数と同一になります。
――つまり、今回のアップデートで既存のR8クラス(ムルミロ、メルゲン等々)のサークル2が解放されるわけですが、今回実装される4つの新クラスについても、初めからサークル2が解放されているということでしょうか?
今濱氏:今後しばらくはこの方針を取る予定でして、仮にこの次のランク拡張と同時に新クラスが実装されたとすると、そのクラスは初めからサークル3まで習得できるようになります。
また、今までは1回の大きなアップデートに合わせて各系統ごとに2種類ずつの新規クラス8種が追加されてきたと思いますが、今後は1種から数種の新規クラスを少しずつ継続して追加していくような方針を取ることにしました。
――クラス拡張の方針変更は、かなり重大な変更点ですよね。何故、今回からこうした方針を取るようにしたのでしょうか。
今濱氏:これまでは、単純に最高ランクに追加されるクラスが強力で、「とりあえずこれを取っておこう」という傾向が強くありました。つまり、今後多くの新規クラスが登場しても、最終的に行き着くクラスが常に最後の上位一、二種類に絞られてしまい、ビルド選択の自由度がむしろ制限されてしまっていたんです。なので、その選択肢にもう少しだけ幅を持たせたいと考え、今後はこうした方針を取ることになりました。
――クラスビルドは「Tree of Savior」の特徴でもあるので、いかに自由度を保つかというのは、最も調整に苦心するところですよね。では、これらを踏まえた上で、新クラス「マタドール」の特徴をお聞かせください。
今濱氏:今回実装される新クラスはすべて赤色のアイコンの、いわゆる“攻撃系”のクラスではあるのですが、この「マタドール」だけやや毛色が異なります。
「マタドール」は、回避能力やヘイト管理能力に長けたクラスで、「ペルタスト」のスワッシュバックリングのような挑発スキルを2種類持っているため、“耐久タンク”というより“回避タンク”として「ペルタスト」と似た役割が可能です。
――赤色のクラスながら集敵と回避に優れているというのは今までになく、かなり個性的なクラスになりそうですが、攻撃スキルはどんなものがあるのでしょうか。
今濱氏:「マタドール」の攻撃スキルはサークル2の段階で2種類あり、1つ目はファエナです。スキルレベル(以下、SLv)毎にヒット数が増加する多段ヒットの物理突属性攻撃で、素直な性能の使い勝手の良いスキルです。
もう1つはパソドブレです。これはサークル2で習得可能になり、前方の敵を垂直に打ち上げることができます。ただ、こちらはオーバーヒート(以下、OH)1でクールダウン(以下、CD)も長く、主力というよりもあくまで雑魚戦でのコンボ用スキルといった側面を持ちます。
――赤色のクラスですが、攻撃系のスキルはかなり落ち着いた性能に調整されているんですね。
今濱氏:単純な攻撃スキルはこの2つのみですが、スキル発動中に敵に攻撃されると反撃を行う、いわゆるカウンター技のムレタというスキルもあります。
ただ、このムレタは非常にユニークで「マタドール」の特徴的なスキルともいえるのですが、現状ではやや扱いにくいスキルでもあります。というのも、「マタドール」は自身の回避率を上昇させるスキルがあるのですが、ムレタは回避が成功してしまうと反撃が発動しないのです。
「マタドール」になる場合、武器の特性上「フェンサー」を経由するのが一般的になると予想されますが、火力を求めると盾を装備しないスタイルが基本になるので「ペルタスト」との相性が悪くなるでしょう。
ただ、「マタドール」の集敵スキルであるカポーテとOleはヘイトを取ると同時に敵にデバフも付与できるため、集敵スキルとしては扱いやすく便利な性能になっています。対象となる敵の数はスワッシュバックリングに劣ってしまいますが、こちらは単体のボスに対して非常に有効で、レイドダンジョンなどでボスのタゲを取る際は「マタドール」がいると安定すると思います。
スキル名 | サークル | |
---|---|---|
カポーテ | 1 | 周囲のターゲットを自分に向ける。対象5体。 対象に命中や回避をダウンさせるカポーテデバフを付与する。 |
ムレタ | 1 | 効果中にダメージを食らうと反撃する。回避が成功すると発動しない。 |
ファエナ | 1 | 物理突属性攻撃。敵を連続して突き刺して攻撃する。 補助装備枠に何もないと攻撃力+50%の特性がある。 |
Ole | 1 | 周囲のターゲットを自分に向ける。ヘイトMAXの敵に使うと、自身のクリティカル発生率を上昇させる。 |
パソドブレ | 2 | 物理斬属性攻撃。前方範囲の敵を垂直に打ち上げる。 |
バックスライド | 2 | 後方に大きく飛び退く。一定時間自身の回避を上昇させる。 |
――火力を求めつつ適度にヘイトの管理を行うか、割り切って「ペルタスト」などを経由しヘイト管理に重きを置くか……人によってやれることががらっと変わるクラスになりそうですね。続いて、「シャドウマンサー」はどのようなクラスになっているのでしょうか。
今濱氏:「シャドウマンサー」は、影を用いた攻撃を得意とするウィザード系の新クラスです。影が本体と繋がっている敵──つまり地上の敵に対してボーナスが発生するスキルを多く持っているため、状況は限定されますが大きな火力を発揮することができます。
例えば、「シャドウマンサー」の基本的な攻撃スキルであるシャドウソーンは、威力がSLv1で1898%、OH4のCD15秒という破格の性能をしています。これだけでも強力なのですが、地上の敵に対しては2ヒットする特性を習得できるため、単純に威力が2倍になります。
また、自身の前方扇範囲を攻撃するシャドウコンジュレーションは、地上の敵にヒットさせるとしばらくの間持続ダメージを与えます。
――地上の敵に対する追加効果はどれも強力ですね。見ている感じだと、ほとんどのスキルが入力してから即時発動するので、使い勝手もかなり良さそうです。
今濱氏:思ったより素直な攻撃系魔法クラスなので、シャドウソーンを連打するだけでもかなりの火力が出せるようになっています。少しクセのあるものだと、シャドウコンデンセーションとシャドウファッターですね。
シャドウコンデンセーションは、発動時の敵の座標に、3秒後に爆発する影の球体を発生させます。こちらも即発動するため逃げながらでも使いやすいスキルですが、ダメージまでタイムラグがあるので、敵が移動してしまうと攻撃がムダになってしまいます。
シャドウファッターは、指定した座標(小範囲)にいる敵に移動不可のデバフをかけるというもので、足止めはもちろんシャドウコンデンセーションとのコンボにも役立ちます。
そのほかにも、「シャドウマンサー」には自身の影に潜り効果中は無敵になるシャドウプールや、自身の分身を出現させて身代わりにするハルシネーションといった補助スキルがあります。シャドウコンデンセーションはダメージを出すのに少しコツがいるスキルですが、これらのスキルを組み合わせることでより多くの敵にダメージを与えられるようになります。
――「シャドウマンサー」を使う上で役に立つ、ほかのクラスのスキルは何かありますか?
今濱氏:最大限の火力を発揮するのであれば、「リンカー」のジョイントペナルティは特に有用です。シャドウソーンは強力なスキルですが、単体かつ空中の敵には1ヒットのみで威力を発揮できません。しかし、ジョイントペナルティで地上の敵と繋ぐことでより多くの敵にダメージを与えることはもちろん、実質空中の敵に対するデメリットを打ち消すことができます。
また、シャドウコンデンセーションは敵の数と同じだけ球体が出現するので、ジョイントペナルティの恩恵はかなり大きく、シャドウソーンを上回る瞬間火力を発揮することもあります。とにかくシンプルに扱いやすくて強いクラスなので、研究次第では最も化ける可能性があると思っています。
スキル名 | サークル | |
---|---|---|
シャドウソーン | 1 | 威力が非常に高い遠距離魔法攻撃。 特性で地上敵には2ヒットする。 |
シャドウコンジュレーション | 1 | 前方中範囲程度のスキル。特性で地上敵には持続ダメージを与える。 |
シャドウプール | 1 | 影に潜って自由に移動できる。効果中は無敵。 |
ハルシネーション | 1 | 分身を生み出し、分身にヘイトを移す。 |
シャドウコンデンセーション | 2 | 発動時の敵の座標に、3秒後に爆発する攻撃を発生させる。 |
シャドウファッター | 2 | 座標を指定し、小範囲内の敵に移動不可のデバフをかける。 |
――続いて新クラス「ジーロット」ですが、クレリック系ながら物理攻撃に特化しているというのが気になります。モンクのようなキャラクターになるのでしょうか。
今濱氏:クレリック系のキャラクターは回復などのために、魔法系にステータスを振っている場合が多いと思いますが、「ジーロット」は習得するスキルのダメージがすべて物理属性になっています。なので、仰る通りモンクやパラディンのような物理ステータスが重要なクラスになっています。
ただ、「ジーロット」の戦い方はモンクやパラディンとはかなり異なっており、自虐的なのが特徴です。習得するスキルも、自身にバフをかけるものが主になります。ファナティシズムとイモレーションという2つのスキルは、その最たるものといえるでしょう。
ファナティシズムは、効果中HPが回復しなくなる代わりに火力を大幅に上昇させます。SLv1だと+10%ほどですが、SLv10にすると+55%まで引き上げることができます。そしてイモレーションは、周囲にいる敵に燃焼デバフを付与して継続ダメージを与えるというものなのですが、このデバフは必ず自身にも掛かります。
――回復しないというのは、自然回復だけでなくヒールパネルなどでも回復しないのでしょうか。
今濱氏:回復しません。「プレイグドクター」のヒーリングファクターなど、いくつか強力な回復補助スキルもありますが、それらも含めて効果中は一切HPが回復しなくなります。
――ということは、それらのバフを掛けつつ敵を殴り倒すような戦い方になるのでしょうか。
今濱氏:基本的に「ジーロット」は敵に近づいて戦うことになりますね。ファナティシズムとイモレーションのほかにも、「ジーロット」にはファナティックイリュージョンとブラインドフェイスというバフスキルがあります。
ファナティックイリュージョンは、ほかのスキルとの多重攻撃可能な雷物理ダメージを自分の周囲に発生させます。発動中は直接攻撃しなくても立っているだけで持続的に周囲にダメージを与えてくれるので、便利かつ強力なスキルです。
ここまで紹介したスキルだけでもかなり優秀なものが揃っている「ジーロット」ですが、これらの火力をさらに引き延ばしてくれるのがこのブラインドフェイスです。これは残りSPの50%を消費し、消費したSP量に比例した聖属性追加ダメージを発生させるというもので、SP量が多ければ多いほど火力が高くなります。
――フルバフ状態の「ジーロット」の火力は凄まじいことになりそうですね……。
今濱氏:「ジーロット」も「シャドウマンサー」と同様、ほかのクラスのスキルと組み合わせることで大きくポテンシャルを伸ばすことができます。「プリースト」のブレッシングで火力の底上げもできますし、「クリヴィス」のメルスティスでファナティックイリュージョンとブラインドフェイスの時間を延長させることもできます。さらに、今回のアップデートからバフの上限が撤廃され、これに伴って「クリヴィス」のダイノの仕様が“自分の基本攻撃が魔法攻撃力を参照する”というものになります。これによって通常攻撃も底上げできるので、ビルド次第では純粋な火力職に勝るとも劣らないDPS(Damage Per Second=1秒あたりのダメージ)を発揮できるようになると思います。
スキル名 | サークル | |
---|---|---|
インバーナーブル | 1 | ノックバック・ノックダウン無効(クレリック版ペインバリア) |
イモレーション | 1 | 周囲の敵に燃焼デバフを付与する。自身にもかかる。 |
ビーディアイズ | 1 | 敵の背後へ瞬間移動する。特性で回り込み後、自分の命中率を上昇させる。 |
ファナティシズム | 1 | 効果中はHPが回復しなくなるが、火力が上昇する。 ※SLv10で+55% |
ファナティックイリュージョン | 2 | 効果中、自分の周囲に雷物理ダメージを発生させる。ファナティシズム適用対象。 |
ブラインドフェイス | 2 | 残りSPの50%を消費し、消費したSP量×nの追加ダメージを発生させる。 |
――今回の新クラスで個人的に一番気になっているのが「バレットマーカー」です。本クラスの特徴をぜひ教えてください。
今濱氏:「バレットマーカー」は、ダブルガンスタンスというスキルを使用することで、サブ武器のピストルを両手に持つようになります。このダブルガンスタンス中にのみ発動可能なスキルというのもいくつかあるので、基本的にこの状態で戦っていくことになります。「バレットマーカー」は個人的にもかっこいいと思っており、運用内でも密かに人気の高いクラスなんです(笑)。
――二丁拳銃というのは、男心をくすぐるものがありますよね(笑)。
今濱氏:「バレットマーカー」はとにかく手数が多いので、拳銃での攻撃を一定時間聖属性に変更するシルバーバレットや、敵に“電流デバフ”を与えて攻撃を当てるたびに雷追加ダメージを発生させるテイズといった属性弾スキルを駆使してダメージを稼いでいきます。
Rest In Peace(R.I.P.)は、範囲は狭いものの高威力の7連続攻撃で複数にヒットします。ブラッディオーバードライブ(BOD)は自身の周囲の敵を一斉に攻撃するスキルで、単体でのダメージ量は目を見張るほどではありませんが、特性の跳弾を取得することで、多くの敵を巻き込めば巻き込んだだけ総火力が跳ね上がります。
――BODのモーションはまさに“ガン=カタ”という感じがして興奮しますね! これまでのクラスに比べると、スキル構成的にもクセが少なくシンプルな印象を受けます。
今濱氏:そうですね。「バレットマーカー」は、単純に爽快なスキルが多く使っていて楽しいクラスに仕上がっていると思います。ほかのクラスに比べてスキルの数は多いですが、覚えるバフもデメリットがなく、純粋な強化スキルなので小難しく考える必要がありません。R.I.P.とBOD、そしてサークル2ですが総合ダメージがR.I.P.に匹敵するモザンビークドリルといった回転の良い攻撃スキルをガンガン使いまわしていくだけで楽しいと思います。
より上手に火力を出すのであれば、テイズの使い方がポイントになるでしょう。テイズは味方の攻撃によっても追加ダメージが発生しますし、テイズ中にどれだけ攻撃を入れられるかが重要になります。
また、「クォレルシューター」のランニングショットとは特に相性が良いですね。ダブルガンスタンス中にランニングショットを行うだけでもかなり火力が上がります。あとは「シュヴァルツライター」も基本特性でピストルの命中率が上昇するので、経由すると役に立つかもしれません。
スキル名 | サークル | |
---|---|---|
ダブルガンスタンス | 1 | サブ武器のピストルを両手に持つダブルガンスタンスに切り替える。 |
ブラッディオーバードライブ | 1 | 自身を中心とした周囲の敵を同時に攻撃する。特性に【跳弾】がある。 ※ダブルガンスタンス中のみ使用可能。 |
テイズ | 1 | 敵に「電流デバフ」を与え、攻撃を当てるたびに雷追加ダメージを発生させる。 ※回数上限あり |
ナパームバレット | 1 | 前方範囲攻撃。主力スキルのCD中の繋ぎとして使いやすい。 |
シルバーバレット | 1 | 拳銃での攻撃を一定時間聖属性に変更する。 |
R.I.P. | 1 | 高威力7連続攻撃。 ※ダブルガンスタンス中のみ使用可能。 |
スマッシュバレット | 2 | 持続ダメージを与える。テイズの追加ダメージを発動できる。 |
トレーサーバレット | 2 | 自分の命中率を上げる。 |
モザンビークドリル | 2 | 4連続攻撃。CDが短く使いやすい。特性【跳弾】あり。 ※ダブルガンスタンス中のみ使用可能。 |
未鑑定アイテムの仕様が変更!オプションステータスがランダムで付くように
――今回のアップデートでは、新クラスの追加以外にも、ランダムオプション機能の追加やユニークレイドダンジョンに実装など、さまざまな新要素が加わりますね。これらのアップデート項目についてもぜひお話をお聞かせください。
細田光氏:まず、クラス拡張に伴ってレベル拡張も実施します。これまで330が最高だったキャラクター/コンパニオンのレベルが、360に引き上げられます。
――今回は+30だけなので、比較的に楽にレベリングが終わりそうですが……。
細田氏:30だけですが、経験値的にはかなりきつくなっていると思います(笑)。
――そうなると、新しい狩場なども追加されるのでしょうか。
細田氏:今回、新規地域が15ヶ所追加され、経験値カードなどがもらえるクエストも追加されます。また、未鑑定アイテムがドロップする新規フリーダンジョン「ナザレヌの塔」も追加されます。
――「ナザレヌの塔」は、新地域に追加される形になるのでしょうか。
細田氏:いえ、こちらはフリーダンジョン「ナタフの見張り台」の先に拡張される形で実装されます。天文台のような、星をモチーフにしたダンジョンとなっているため、背景が綺麗なのでそこにも注目していただければと思います。
また、フリーダンジョンでドロップしていた未鑑定アイテムについても使用が変更されます。これまでの未鑑定アイテムは、鑑定することでソケット数が変化していたと思いますが、今後はオプションがランダムで付与されるようになります。付与されるオプションの数は、片手武器なら1~4、両手武器なら3~6、防具なら1~4となっています。
――オプションの付き方によってはかなり強力な装備が完成しそうですね。ちなみに、これまでのソケットが空いていた未鑑定アイテムはどうなるのでしょうか。
細田氏:それらは名前が少し変更され、これまで通り使用することができます。
――今回の変更により、レアドロップ掘りがいっそう盛り上がりそうです。
細田氏:それらをサポートする……というわけではありませんが、今回のアップデートからルーティングチャンスというオプションが追加されます。ルーティングチャンスは、未鑑定アイテムのドロップ率を上昇してくれるオプションで、これは防具のみに未鑑定アイテム鑑定時に一定確率で付与されます。
加えて、アイテムオプションの再鑑定機能も追加されます。これは特定の素材1~2種類(レア度により変化)をフェディミアンのアプレイサーなどに渡すことで実行可能で、アイテムに付いているオプションの内容を変更してくれるというものです。
数値や項目そのものも変わりますが、注意点として、ランダムオプションの数は変更されません。さらに、オプションの変更は同じグループ内でのみ行われます。
――オプションの数というのは、つまり3つオプションが付いている場合は再鑑定しても3つのままで、4つや5つに増えたり、あるいは1つや2に減少したりすることはないということですよね。グループというのは何なのでしょうか。
細田氏:付与されるオプションは、ジェムのようにいくつかのグループに分かれています。例えば、精神や知能、体力などは緑色のグループに属します。各名称の横に表示されている色が、そのオプションの色です。再鑑定では、それらの各グループ内から付与されるオプションが決定されます。
――再鑑定に必要なアイテムが今回から追加されますが、こちらの入手方法はどのようになっていますか。
細田氏:再鑑定に必要なアイテムは、未鑑定アイテムを分解することで入手することができます。個数もランダムになりますが、レアリティの高いアイテムを分解するほどより多く獲得することができます。
――「チャレンジモード」とは、どういった遊びになっているのでしょうか。
細田氏:「チャレンジモード」は、200レベル以上のフィールドに出現する新要素で、フィールドにいるモンスターを一定数狩ると紫色の光を放つモンスターが出現するようになります。このモンスターを討伐することで、チャレンジモードに入場可能なポータルが10分間開きます。このポータルは誰かが開けば討伐した人に関わらず入場することが可能で、パーティを組んでいた場合は同じフィールドに入場します。
――ソロでの挑戦は可能ですか。
細田氏:もちろん一人で入場することもできますが、攻略はパーティ推奨ですね。ポータルに入ると、その地域のモンスターが大量に出現し、モンスターを倒していくことでチャレンジレベルというゲージが徐々に溜まっていきます。このゲージがMAXになるとボスモンスターが出現し、ボスを倒すことで一旦チャレンジは終了となります。
一旦と述べたのは、ボスモンスターを倒すと2つのポータルが出現し、ここでチャレンジモードを終えるか、次の難易度にステップアップして再挑戦するかを選択することになるからです。チャレンジモードは5段階に分かれており、チャレンジを終了するとその段階に応じた報酬を受け取ることができます。なお、パーティメンバーが全滅するか、あるいは制限時間を超過してしまうとチャレンジは失敗となります。
――ダブルアップのようなものですね。
細田氏:そうですね。実はチャレンジモード内でも未鑑定アイテムがドロップすることがあり、段階が進むことでルーティングチャンスが100ずつ上昇していきます。上の段階に上がれば上がるほどモンスターからのレアドロップも期待できるようになりますが、当然モンスターも徐々に強くなっていくのでご注意ください。
――かなり嬉しい情報ですが、チャレンジが失敗してしまった場合、途中で手に入れたドロップはどうなるのでしょうか。
細田氏:ドロップしたアイテムについては、チャレンジが失敗しても持ち帰れるのでご安心ください。ただ、チャレンジモードの報酬そのものは手に入れることはできません。
――では、チャレンジモードを無事に終えた際の報酬はどのようなものがありますか。
細田氏:いろいろな素材やアイテムが手に入りますが、目玉となるのは今回から追加されるユニークレイドダンジョンに入場するために必要な「レイドポータルストーン」の制作に必要な製造書や素材ですね。
――なるほど。チャレンジモードからユニークレイドダンジョンへと繋がっていくんですね。
細田氏:ユニークレイドダンジョンは、レベル330から入場可能な新しいレイドダンジョンです。これまでのインスタンスダンジョンやレイドダンジョンとは異なり、1日の入場回数制限はありません。先述した「レイドポータルストーン」さえあれば、1日に何度でも挑戦することが可能です。ただ、入場する度に必要な「レイドポータルストーン」の数が増加していきます。
入場方法からこれまでとは少し異なっているユニークレイドダンジョンですが、内容も今までのインスタンスダンジョン等とは違っていて、さまざまなギミックが用意されています。これらのギミックを攻略しつつ、最深部にいるボスモンスターを討伐するのが目的になります。またユニークレイドダンジョンでは、350レベル装備のレシピや素材アイテムを入手することができます。
――ユニークレイドダンジョンの入場には「レイドポータルストーン」が必要とのことですが、例えば入場に必要な個数が1個→2個→3個…に増えていく場合、パーティを組んだ状態で一人ずつ入場申請していくことで個数を節約することなどはできるのでしょうか。
細田氏:入場に必要となるレイドポータルストーンの個数は各キャラクター単位で必要になります。そのため、一人ずつ入場しても節約にはつながりません。
――350レベルの装備となると、やはりここで手に入る装備が現環境で最強になるのでしょうか。
細田氏:基本的にはそうなります。ただ、今回からランダムオプション機能が追加されるので、もしかしたらオプション次第ではマシニオスシリーズの装備を上回る性能になるかもしれませんね。
――今回のアップデートではユニークレイドダンジョンが新コンテンツの最大の目玉であり、最も難しいコンテンツであると思いますが、ユニークレイドダンジョンを攻略できるパーティでもチャレンジモードの最高段階の攻略は厳しいものになるのでしょうか。
細田氏:いえ、ユニークレイドダンジョンを攻略できるのであれば、おそらくはチャレンジモードの5段階も攻略できると思います。ただ、チャレンジモードで出現する敵の強さは入場したフィールドのレベルに依存するため、360レベルのフィールドなどから入場するとそれ相応の強さになっていくので難しくなるかもしれません。
――それでは最後に、ユーザーに向けて一言お願いします。
細田氏:新しくプロジェクトマネージャーという立場を任された以上、これまで今濱が作ってきたToSという世界を、より良い形で皆さんに楽しんでいただけるように頑張っていきたいと思います。これからも「Tree of Savior」をどうぞ、よろしくお願いいたします。
今濱氏:私自身はPMという立場では無くなりますが、これからは細田が引き続き楽しくToSが遊べることを保証してくれると思います。また、私個人としてToSを遊んでいきますし、今後の展開を楽しみにしています。なので、これからの「Tree of Savior」もぜひよろしくお願いできればと思います。
――ありがとうございました。
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