2月18日にパッチ5.2「追憶の凶星」の公開が予定されている「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」。同パッチで追加される要素についてプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏にインタビューを行った。
パッチ5.2「追憶の凶星」では、“漆黒のヴィランズ 完結編”Part1ともいえるメインストーリーに加え、新たなレイドダンジョン「希望の園エデン:共鳴編」や新たなクロニクルクエスト「ウェルリト戦役」、漁師用新コンテンツ「オーシャンフィッシング」などなど様々な新要素が追加される。本稿では、そんなパッチ5.2で追加される新要素の数々をプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏に聞いた。
「漆黒のヴィランズ」完結に向けて動き始める物語とは
――それでは早速ですが、パッチ5.2「追憶の凶星」のメインストーリーについてお伺いします。前回のパッチ5.1では暁のメンバーの帰還方法、夜の闇を取り戻した後の第一世界、ヴァリスの死亡により混乱する帝国という3軸で物語が展開しました。その分、物語としては語りだしの部分が多かったのかなと思いますが、パッチ5.2ではどのような物語が展開していくのでしょう?
吉田直樹氏(以下、吉田氏):まず、第一世界のエピローグに関しては語り終えたと思っていて、後は彼らが自分たちで歩んでいくのだろうと、主眼からは外しています。パッチ5.2では、いよいよ本格的に原初世界へと帰還するための方法を追求しつつ、残るオリジナル最後のアシエン「エリディブス」にフォーカスが当たっていきます。ですのでテンションとしては、“漆黒のヴィランズ”の時に戻ります。以前のPLLでもお話しましたが、今回はパッチ5.2と5.3が“漆黒のヴィランズ 完結編”のPart1、Part2という形になっているので、結構な数の驚愕の真実が明らかになります。プレイされた方は、漆黒のヴィランズの途中で「ハイ! 今回はここまで!!」と、気になるところで中断された気分になるのではないでしょうか。
これまで古代人アシエンとは? ゾディアークとは? という部分はある程度語ってきましたが、ハイデリン側はそこまでじゃなかったと思うんですよ。パッチ5.2ではついにハイデリン側に踏み込んでいくので「拡張を待たずに、そこにいくの!?」みたいなことも明らかになります。後は調停者と呼ばれるエリディブスがの座の由来や、彼が何を考えて、ここからどう逆転しようとしているか。十四人委員会での役割やメンバーに対しての想いなんかも“漆黒のヴィランズ 完結編”では真正面から描かれていきます。今回のパッチアートもそのようなイメージで作っているので色々なことに踏み込んでいきますよ。
――帝国側の物語はいかがでしょうか?
吉田氏:メインストーリー以外に、クロニクルクエストの「ウェルリト戦役」と装備強化コンテンツに紐づく「セイブ・ザ・クイーン」がありますが、この2つが帝国側の話になります。
まず「ウェルリト戦役」は、パッチ5.1のラストでエスティニアンが得体のしれない魔導兵器をチートまがいの能力で破壊したと思うんですが、あれが次の物語のフックになっています。これを聞いたガイウスが、頓挫したはずのアルテマウェポンを拡張する動きを察知して、過去の自分と向き合いながら、かつては敵同士だった光の戦士とタッグを組むという物語になっています。開発チーム内の仮名称は「ウェポンシリーズ」なので、今後ルビー以外の機体も登場することになります。
もう一つの「セイブ・ザ・クイーン」の舞台は、旧「FFXIV」の時から名前だけは出ていた「シタデル・ボズヤ」という地域で、かつてシドの父親であるミドが、とある実験で消滅させてしまった場所です。4.Xシリーズのストーリーや「リターン・トゥ・イヴァリース」でも語ってきましたが、東方は小さなドマだけでは帝国に対抗できないので、各地域のレジスタンスをまとめ上げて東方諸国連合を作りました。その中に「ボズヤ・レジスタンス」というボズヤ地方を奪還するレジスタンスがあります。そしてヒエンを通じて、解放者である光の戦士に彼らから協力依頼が来る、というのが「セイブ・ザ・クイーン」の物語になります。
かつてボズヤ地方には伝説的な女王がいて、その親衛隊が使っていたと言われる「グンヒルドの剣」という武器群が存在します。この武器を祖国奪還の旗印にしようというのがクエストストーリーになっており、光の戦士は最終的にそのグンヒルドの剣たちを復活させ、ボズヤ奪還を目指していくことになります。結構なボリュームのお話があってボスも登場するのですが、その代わりに物語をクリアすると最初の一本目の武器を入手することができます。「セイブ・ザ・クイーン」はパッチ5.25でオープンする予定で、パッチ5.35、5.45……と続いていくコンテンツになるのですが、武器を本格的に強化していくのは次のパッチになるので、まずはストーリーを楽しんでもらいたいです。ストーリーはソロで遊べるようになっています。
また、以前のPLLで「ルビーウェポン破壊作戦」「極ルビーウェポン破壊作戦」の他に、もう一つ名前を伏せた討伐・討滅戦があったと思いますが、あれはこっちに関わってきます。パッチ5.25までコンテンツ名は言えないのですが、極レベルの難易度を想定しています。
――極レベルのソロコンテンツということでしょうか?
吉田氏:「セイブ・ザ・クイーン」のストーリーはソロでできるのですが、最後にイベントバトルが用意されており、これを攻略するとクリアになります。このイベントバトルはソロ用ですが、このイベントバトルの極を8人でやってしまおうというのが名前を伏せているコンテンツです。ですので、今回のパッチ5.2シリーズの中には、極が2つあるイメージになります。
――メイン以外のシナリオボリュームが凄いことになっていそうですね。
吉田氏:そうですね。ただ「セイブ・ザ・クイーン」は、ダルマスカ奪還の流れを汲んでいますので、「リターン・トゥ・イヴァリース」をクリアしていることが条件になります。是非パッチ5.2までにプレイしておいてもらえると嬉しいですね。
――パッチ5.1では謎の白ローブやアルバートらしき人物が登場しましたが、パッチ5.2では彼らも物語に絡んでくるのでしょうか?
吉田氏:もちろんです。ここからは凄まじいテンションで突っ走っていきますので、期待していてください。今回は、超長いカットシーンがあるわけではないのですが、全体的なボリュームが凄いので、初日にメインストーリーをプレイされる方は、他のことはやらずにじっくりプレイすることをオススメします。
――エリディブスは、現在少し良いようにやられてしまっているイメージが強いですが、今回は彼の活躍も見られそうですね。
吉田氏:今回からは主要キャラクターとして活躍しますし、何年振りかも思い出せませんが久しぶりにボイスもあります。
――パッチ5.1のメインストーリーではサンクレッドとリーンの出番がありませんでしたが、パッチ5.2ではいかがでしょうか?
吉田氏:それも大丈夫です。開発的に少し難易度が高い部分はあったのですが、上手くやれたと思っています。ウリエンジェも含めて、ちゃんと活躍してくれるので安心してください。
――これは個人的な部分なのですが、パッチ5.1ではランジート将軍の死亡が確定したのが驚きでした。
吉田氏:ランジートはある意味、光の巫女に感情移入し過ぎてしまったキャラクターで、本来であればクリスタリウム側にいてもおかしくないような武人でした。ただ、世界のために何度も転生を繰り返すミンフィリアを本当の娘や孫のように想ってしまい、自分の思想とはまったく異なるヴァウスリーの政策にのってでも転生する少女の悲劇を止めようとしたんです。しかし、そのミンフィリアが鎖を断ち切り、自分で前に進もうとしたこと、そしてそれを導いていくサンクレッドに自分が武でも負けたことによって、彼は自分の思想は間違っていたことを悟ります。最後に残ったのは武人としての誇り。だからこそ、そのすべてを打ち砕いて欲しくて最後に光の戦士と戦ったのです。彼は死に場所を求めていたのだと考えていて、ランジートはこれ以上生き延びようとも思っていませんし、僕たちも彼にさらに汚名を着せるようなことはしたくありませんでした。
――パッチタイトルについてもお聞きしたいのですが、「追憶の凶星」に込められた意味は何でしょうか? 凶星というとやはりダラガブが思い浮かびます。
吉田氏:プレイヤーのみなさんはそう思うかもしれませんが、「FFXIV」の世界の中で生きているキャラクター達にとって、“凶星”の意味は少しずつ違うと思います。例えば古代人やアシエンたちが連想する凶星はおそらく終末の災厄になると思いますし、第七霊災を体験した原初世界の人たちにとってはダラガブになると思います。ですので、凶星という単語は「FFXIV」の世界の中で生きる人の立場や時代によって捉え方が違うだろうな、ということしか今は言えないです。
パッチアートとタイトルの意味は、パッチ5.2をプレイすると分かる部分もあるのですが、パッチ5.3をプレイして初めて気づくことも結構あります、核心に突っ込み過ぎているストーリーなので言えることが少ないんですけど。もうしわけありません(笑)。
――新ダンジョンについてもお聞きしたいのですが、追加される「アニドラス・アナムネーシス」は開発内では「アシエン官邸」と呼ばれていたそうです。ビジュアルもいかにもテンペストにありそうですが、ここでアシエンに関する何かを知ることができるのでしょうか?
吉田氏:パッチ5.0の時は、エメトセルクから我々に近づいてくれ、結果アシエンを知ることになりました。さらに今回は、エリディブスも含めて古代人の存在を知った以上、彼らのことをもっと知る必要があるのではないかという流れがメインストーリー中で出てきます。そこで辿り着くのが「アニドラス・アナムネーシス」なのですが、そこで待つのは果たして……!? といったところですね。皆さんが次の拡張で語られるのではないかと思っていることにもズバズバ切り込んでいくので、ぜひじっくりプレイして欲しいです。
――ID装備はどういったものが手に入りますか? 個人的にはデザインコンテストの遠隔物理DPS衣装がくるのではないかと睨んでいるのですが。
吉田氏:IDでは、聖典装備(イディルシャイア製装備)の色違いが手に入ります。ただパッチ5.2のどこかでデザインコンテスト・遠隔物理DPSの最優秀賞も登場しますのでお楽しみに!
「希望の園エデン」に「ウェルリト戦役」に「セイブ・ザ・クイーン」と、パッチ5.2は盛りだくさん!
――次は「希望の園エデン:共鳴編」についてお聞きしたいと思います。前回のレイドである「希望の園エデン:覚醒編」は比較的クリアしやすかったという声が多いですが、今回もそのようになりますか?
吉田氏:前回クリアしやすかったのは、パッチ5.0でスキルローテーションがガラッと変わり、ジョブの使いこなしが進まないまま挑まなければならないだろうということで、いつもの零式のバランスから必要火力やボスのHPを15%下げてリリースしたからです。現在IL470で揃った人たちで「希望の園エデン:覚醒編」に挑戦すると、最後のエンレイジ(時間切れ)どころか、もっと手前のギミックで終わると思いますが、あれが15%分だと思っていてください。
今回は「皆さんジョブの使いこなしもできたと思いますので、いつもの零式の難易度に戻します」というイメージです。さらに難しくなるというよりは、必要火力だったりボスのHPを元に戻すというのがコンセプトになります。ただ、担当者が覚醒編とは全員異なるので、ギミックのタイプは全層大きく異なります。よって、プレイする人によって、得意不得意ギミックがあり、難易度が高いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、いずれにせよ、零式という範疇でバランスを取っていますので、必要以上に怖がる必要はありません。歯ごたえは間違いなく覚醒編よりは上ですね。
――「希望の園エデン」では、光の戦士の記憶力がちょっと……という事実が明らかになりました。今回はいかがでしょうか?
吉田氏:皆さん既に予想済みなのでパッチトレーラーにいくつかの層を入れています。ラムウも登場します。ただ、今回も回想直前に余計な質問をしてくるキャラクターがいるんですよね……。そこで「余計なことを考えるな!」と突っ込まれるわけですが……。実際にやってみると雷の意識が強すぎたのが、イクシオンと混ざってしまいケンタウロスのようなラムウが出てきます(笑)。また次の展開では、2つの属性を同時励起させることになり、イフリート・ガルーダと同時に戦う層もあります。映像だけみるとちょっと絶っぽいですね。「希望の園エデン:共鳴編」から、だんだんと皆さんの予想から逸れていくことになると思います。
――「希望の園エデン:覚醒編」の2層で登場し、今は気を失っているキャラクターがいましたよね。彼女はどのようなキャラクターになるのでしょうか?
吉田氏:あのキャラクターがガイアになります。元々「希望の園エデン」のストーリーは、リーンという人間の成長物語でもあります。これまでの物語で、リーンは同じ世代の人とほとんど接していないんですよね。そこで、ガイアという年齢が近くて境遇もちょっと似ているキャラクターと出会い、振り回されながらも絡んでいく2人というのが今回の大きなポイントかなと思います。バトル中にはボイスもありますし、ガイアというキャラクターの掘り下げもかなりコストをかけています。
――ビジュアルもリーンとは対照的なキャラクターですよね。
吉田氏:そうですね。ストーリーの筋を決めてから哲さん(野村哲也氏)に発注しました。ただ、「FFXIV」の世界には無いハンマーがサプライズで描かれていたので、そこは上手くシナリオに落とし込んでいます。2層のヴォイドウォーカーがガイアなので、ディレイスペルを使うシーンもありますし、なぜそんな力を持っているかも今後徐々に明かされていきますので、お楽しみに。
――続いてパッチ5.2から始まる「ウェルリト戦役」についてお話を伺いたいと思います。ストーリーについては先ほどお話頂きましたが、「FFVII」では、ウェポンシリーズは星の守護者という位置付けでした。エオルゼアでも大きな危機が起こるのでしょうか?
吉田氏:古代アラグ帝国が蛮神を捕まえるために作ったのがアルテマウェポンで、基本的にはその流れを汲んでいます。もちろんオマージュの気持ちはありますが、設定を一致させているわけではありません。
――パッチ5.1に登場したアーチアルテマには、ガレアン人のキャラクターが組み込まれていましたが、「NieR:Automata」のイヴに似ていましたよね。
吉田氏:そこまで狙っていたわけではないのですが……。今回のパッチ5.2をプレイしてもらえると、ああなった理由もわかると思います。
――ルビーウェポンは、原作では様々なギミックを持つボスモンスターでしたが、「FFXIV」ではどのようになっていますか?
吉田氏:……今回は爪にご注意ください。ノーマルはそこそこの難易度ですが、極はここ最近の極蛮神と比較しても難しい部類に入ると思います。ノーマルで繰り出してきた技の予兆が、極では見えないというのはよくありますが、今回は順番にくる攻撃が見えないので……。最初は「何に当たったの!?」ということがあると思います。また、今回は極で初めて前後半で完全に分かれていて、後半で全滅すると後半から始まるようになっています。この難易度をまた頭からやり直すのは結構大変だと思いますので……。ルビーウェポンは、パッチ5.0から開発チームに入った子が成長して初めて担当する極コンテンツなので、今までとは一味違うプレイフィールで楽しめると思います。
――最近は極コンテンツが少しやさし目かなという印象があったので意外です。
吉田氏:どんどんクリアして欲しいということで最近はやさし目にしていたのですが、皆さんのプレイヤースキルの向上はデータでも見て取れるので、もう少し歯ごたえがあってもいいかな、ということでの難易度になっています。
――これまでの極討伐・討滅戦は報酬の目玉に武器とマウントがありましたが、「ウェルリト戦役」はどのようになりますか?
吉田氏:同じです。マウントでは、“シャドウグイベル”と同じドラゴンシリーズのマウントも手に入ります。
――新たな装備強化コンテンツ「セイブ・ザ・クイーン」についてもお聞きしたいと思います。コンテンツ的には一度ストーリーをプレイしてから武器を強化していくという感じになるのでしょうか?
吉田氏:そうですね。ただ、今回はスタートなので段階は少ないです。まずストーリーをクリアすると素体が貰えて、それを強化するためにアイテムを集めます。その強化が終わるとパッチ5.25では一旦終了となります。そんなに大変にしていないので割とサクッと終わると思います。
――今回も光りますか?
吉田氏:強化していった果てにはあると思いますが、今回はまだです。
――前回は装備と武器が一緒のコンテンツに入っていましたが、今回は武器だけでしょうか? 今後装備強化系のコンテンツを追加する予定はありますか?
吉田氏:あるところで防具は貰えますが、強化かと聞かれると強化では無いですね。強化系コンテンツは好きな人は好きなんですが、どうしても時間を使ってしまうので難しいんで……。ですので、今のところは基本的に育てていくのは武器だけになっています。
――ストーリーとしては、シタデル・ボズヤが舞台になりますが、現在はどのような状況なのでしょうか?
吉田氏:帝国の占領下に置かれていて、ボロボロの状態です。そこでレジスタンス活動をしているボズヤ・レジスタンスの拠点などが出てきます。
――実際にエリアとして行けるのでしょうか?
吉田氏:基本的にはソロで遊ぶコンテンツなので、そこまで広大ではありませんが凄く凝った専用エリアが登場します。ここも見どころの一つなので是非見て回ってください。
――通常のパッチでエリアの追加って珍しいですね。
吉田氏:そうですね、あんまり無いので頑張って作ってもらいました。
――続いて「オーシャンフィッシング」について、コンテンツ概要を教えて下さい。
吉田氏:今回、航路Aと航路Bという2つの航路があり、その2つが二時間おきに出航を繰り返します。受付時間も二時間おきに15分間設定されており、受付を済ませた状態で時間が来ると自動的に乗船する仕組みになっています。漁場にはカットシーンを挟んで行くことになり、そこで一定時間釣りをした後に次の漁場へ移動、トータル3つの釣場に行って帰ってくるというのが「オーシャンフィッシング」の基本的な流れです。
出航前の15分間の受付時間については、乗船希望者が24人に到達すると時間を待たずに一隻目が出航します。ただ裏には何隻も船があるイメージで、24人毎の船が沢山あると思っていてください。漁師レベル1から乗れるのでレベリングに使ってもらってもいいですし、逆に天候や釣餌などの特定条件でしか釣れない魚もいます。なので漁師を始めたばかりの人から「Ebisu」称号持ちの人まで皆で楽しめるコンテンツです。
――リアルタイムで動く船に乗るようなコンテンツをイメージしていたのですが、そういうわけではないのですね。
吉田氏:それを開発する案ももちろん出ましたし、開発することは可能なのですが、その場合には船に乗ってからの拘束時間が相当長くなります。最初の1回はそちらの方が雰囲気もあっていいのですが、正直それでは二回目のプレイにつながらないと思うのです。リアルタイムで船が海を移動していくとなると、船の速度を極端に上げるわけにもいきませんし、コンテンツ拘束時間が増えてしまいます。今回の仕様では、「FFXIV」の良さである気軽さは持ち合わせつつ、それでもちゃんとクルージングをして皆で釣りを楽しむという雰囲気は作れたと思っています。全員がやらなければいけないものではないですし、プレイヤーのみなさん全員がやるとも思っていません。ただここまでの規模のMMOになると、「そういった必需じゃないコンテンツ」が存在していること自体が、大事かなと思っています。
実際にやってみると隣の人がバンバン釣っていると対抗心が出てきたりして、意外と盛り上がります(笑)。開発テスト中も、チャットの指示を無視して、必死に釣ってる人もいたくらいです(苦笑)。コンテンツ中に釣り上げた魚の種類やサイズ、HQか否かという部分で最後に採点が行われるので、例えばFCイベントでパーティを組んでみなさんで船に乗り込み、誰が一番ポイントが高いか、みたいな遊び方もできます。
――なるほど、それは面白そうです! ちなみにコンテンツの途中で退出することはできるのでしょうか?
吉田氏:これはちょっと議論した部分ではあるのですが、コンテンツウィンドウから退出を選べば出られるようにしてあります。どうしても友達に呼ばれて……といったタイミングで拘束されると、やっぱり遊びづらくなってしまいますので。ただ、最後まで行かないと釣果のポイント精算はされませんが、途中退出にペナルティがあるわけではないですし、退出までに釣った魚や経験値はちゃんと入っているので気軽に遊んで欲しいですね。
――「オーシャンフィッシング」は今後も拡張されていく予定はありますか?
吉田氏:今後は航路の数をさらに増やしていこうと思います。また、今回「爆釣タイム」という、同じ船に乗っている誰かがトリガーになる魚を釣り上げた瞬間フィーバーモードになるハプニング要素があるのですが、今後はこういった要素も増やしていきたいですね。例えばですけど、乗り合わせた全員で力を合わせてヌシ釣り上げたりとか。アイディアは沢山あるので、アップデートは今後も実施していく予定です。
――それでは最後に、パッチ5.2を楽しみにしている読者の方へメッセージをお願いします。
吉田氏:パッチ5.2は、蛮族デイリーやイシュガルド復興など今回のインタビューでも触れられていない要素も含めて、物凄いボリュームになっています。ちょうど年度末に差し掛かってきて、新学年や春休みなど新しくゲームを始める良いタイミングでもありますし、既存プレイヤーの皆さんにとっては物凄い量のコンテンツが押し寄せてきます。なので、いつも通りではあるのですが、マイペースにゆっくり遊んで頂きたいですね。
本当にようやくなのですが、無ければ無いで問題がないけど、あると世界が広がっていくような部分にも手が回せるようになってきました。今回、傘がさせるようになったこともそうですが、細かい部分にもいろいろな要素が入っています。新しい「FFXIV」の門出になるようなパッチになっているので、ぜひそういう部分も見て頂けると嬉しいです。
――ありがとうございました。
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