「エルダー・スクロールズ・オンライン」1000年前の「スカイリム」を舞台にした新DLC「グレイムーア」が配信開始!西スカイリムを探索しよう

スペシャル

2020年5月26日に拡張パック「グレイムーア」が発売されたばかりのMMORPG「エルダー・スクロールズ・オンライン(以下、ESO)」。ここでは、「グレイムーア」から追加されたコンテンツの内容を中心に、本作の魅力を紹介していく。

初心者プレイヤーでもあらゆるクエストに参加が可能

「The Elder Scrolls IV: Oblivion」や「The Elder Scrolls V: Skyrim」など、広大な世界を自由に冒険できる、オープンワールドRPGを代表するシリーズである「エルダー・スクロールズ」(以下、TES)。「ESO」は、シリーズ初のMMORPGであり、「オブリビオン」や「スカイリム」よりさらに古い時代となる、第二紀582年のタムリエル大陸が舞台となる作品だ。

5月26日に全世界同時配信された新DLC「グレイムーア」においては、「スカイリム」でも馴染みの深いソリチュードなどが存在する西スカイリムでの冒険が可能になる。「スカイリム」の世界は、「ESO」の1000年後にあたるため、様変わりしている部分もあるが、建物や地形など、様々な部分で共通点を見つけ出すことができる。「ESO」の後に改めて「スカイリム」をプレイしなおして、歴史の移り変わりを感じてみるのも面白いだろう。

「スカイリム」でも印象的な、雪景色は本作でも受け継がれている。

「ESO」では、オフラインの「TES」シリーズと同様に、膨大な数のクエストが用意されているが、西スカイリムにおいても同様。少し歩けば新しいクエストが見つかり、歴史的なバックボーンや、その土地の人々がどのような生活を営んでいるのかを、より深く知ることができる。ハイ・ファンタジーで重厚な世界観を余すことなく楽しむことができるのが、他のRPGシリーズと異なっている点でもある。

とは言いつつも、「ESO」は、2014年(日本語版は2017年)から配信されている、歴史の長いゲーム。「スカイリム」を遊んだことがあるプレイヤーでも、「今から、最初からプレイするのは……」と躊躇してしまう人がいるかもしれない。しかし、本作には敵の強さにあわせてプレイヤーキャラクターの性能が自動で調整される革新的なシステム「ONE TAMRIEL」が用意されている。

これにより、ゲームをはじめたばかりのプレイヤーでも、世界中を自由に歩き回り、思い通りの順番でクエストを進めることができる。もちろん、今回追加された西スカイリムからいきなりスタートすることも可能だ。そのため、ゲームをはじめたばかりの初心者と、ベテランプレイヤーが一緒にパーティを組んだとしても、何の不都合もなく同じ地域を冒険することができる。

高難易度コンテンツをこなすためスキル・装備の選択肢の幅を広げたり、戦闘以外にもできることを増やすという意味でもキャラクターを成長させるメリットはあるものの、レベルを上げずともほとんどのコンテンツに参加できるため、自分なりのペースで遊ぶことができるのは、まとまった時間を取りにくい社会人ゲーマーにとっては非常にありがたいはず。

知り合いとオンラインゲームを一緒にプレイする際、お互いのゲームプレイのペースが合わずに片方が置いてけぼりになってしまい、結局あまり一緒にプレイできなかった……という経験をしたことのある方も多いのではないだろうか。レベルが低いキャラクターでも足手まといにならない作りとなっている本作では、そういった現象が起きにくくなっている。

アイスリーチ魔術結社の暗躍と、新システム「古遺物収集」

西スカイリムの人々は、「アイスリーチ魔術結社」と呼ばれる、怪しげな儀式を執り行う魔女を中心とした組織に生活を脅かされている。プレイヤーはスカルド王の協力者で、巨人族の娘であるリリス・ティタンボーンと共に、アイスリーチ魔術結社に立ち向かう、というのが「グレイムーア」におけるメインクエストだ。

ソリチュードの街をプレイヤーが訪れると、スカルド王の密偵であるブロンドルドが目の前で謎の死を遂げたところから物語は始まる。プレイヤーは、アイスリーチ魔術結社の企みを阻止するべく、ブロンドルドが最後に残した手がかりをヒントに、リリスと共に調査を進めていくのが主なクエストの流れになる。

ブロンドルドの足跡を追う、ミステリー色の強いストーリーから始まり、西スカイリムを統治するスヴァーグリム王やデイドラ教団を巻き込んだ、スケールの大きい物語へと発展していく。

「グレイムーア」のメインクエストの前日譚にあたるプロローグクエストは、ベースゲームの一部として配信されており、「グレイムーア」を購入せずともプレイが可能だ。このプロローグクエストでも、リリス・ティタンボーンやアイスリーチ魔術結社が登場し、その存在について知ることができるようになっているほか、西スカイリムの地下に点在するドワーフの遺跡「ブラックリーチ」を探検することもでき、「グレイムーア」の冒険の雰囲気をお試しで体験することができる。

一方、新たにキャラクターを作成する場合は、プロローグクエストをクリアする必要はない。善良な吸血鬼フェノリアンと共に、アイスリーチ魔術結社のアジトから脱出する専用のチュートリアルクエストが用意されており、アイスリーチ魔術結社の企みや、ゲームのシステムを学びながら、スムーズにメインクエストの物語に入れるようになっている。

また、「グレイムーア」を導入した場合のみ利用できる新要素となるのが、世界中に隠された貴重な遺物を探し出す「古遺物収集」だ。「古遺物収集」は、ソリチュードにある古遺物収集家協会でクエストを受注し、「古遺物の目」を入手すると行えるようになる。

「古遺物の目」を使用すると、プレイヤーが所持している「古遺物の手掛かり」(手掛かりは、宝箱やモンスターのドロップ、店舗など様々な手段で入手可能)から、古遺物の場所を占うことができる。

占いはパズルのようなミニゲーム方式で行われる。スタート地点から隣接したマスを1つ選択すると、選択したマスと同じ種類の隣接したマスをすべて自分のエリアとして獲得でき、その中にある光を放っているマス(発掘ポイント)を、制限ターン以内に自分のエリアにするのが目的となる。発掘ポイントを自分のエリアにすれば、発掘のヒントを獲得でき、古遺物が隠されているゾーンを割り出せる。手掛かりの中には、複数の発掘ポイントが存在する場合もあり、すべての発掘ポイントを自分のエリアにできなかった場合は、複数のゾーンが候補になる。古遺物が埋まっているゾーンは一つだけだが、その中にはしっかりと正解のゾーンが含まれているので、パズルがからっきしだという人でも、時間をかければ必ず古遺物を探し当てることが可能だ。

また、古遺物収集を始めると同時に習得できるようになる「占い」のスキルラインを成長させていくことで、制限ターン数を伸ばしたり、獲得できるマスの数を増やすなど、ミニゲーム自体の難易度が下がる救済措置も用意されている。

占いでエリアを割り出したあとは、実際にその範囲内を探索し、古遺物が埋まっている発掘ポイントに向かう。その際には、方眼マス状になった発掘ポイントの全体図から、古遺物が埋まっているマスのヒントを得る「予言」と、実際にそれを掘り起こす「発掘」の2つの工程が必要になる。

「予言」では、選択したマスと古遺物が埋まっている座標の距離を図ることができ、選択したマスの色が、古遺物との距離に応じて緑・黄・オレンジ・赤のいずれかに変化する。赤が古遺物からもっとも遠く、次にオレンジ、黄色と続き、緑が古遺物の埋まっている場所となる。おそらく多くの人が一度はプレイしたことがあるであろう「マインスイーパー」に近いミニゲームだ。

大まかに古遺物の場所を割り出したあとは、ツールを使って発掘を行っていくことになるが、発掘には制限時間が設けられている。時間は何かしらの発掘作業を行う度に消費され、地形には、泥や岩など通常の地面とは異なるマスも存在しており、最初に所持しているツールであるハンドブラシでは、掘り起こすまでに2回分の行動が必要となり、余計に時間が掛かる。

「発掘」のスキルラインを育成していくことで、シャベルなど他のツールが使用できるようになり、発掘に必要な時間を短縮できるが、発掘ポイントには耐久値が設定されており、0になると発掘は失敗となる。威力の高いツールは発掘ポイントの耐久値を大きく減らしてしまうため、時間と確実性のどちらかを選択する必要が出てくる。また、古遺物を見つけたあとは、残った時間でさらなる古遺物を見つけ出すボーナスチャンスが発生し、うまく発掘できれば追加報酬を獲得できる。

無事古遺物を見つけ出せれば、新たな手がかりが入手できることも。すぐに次の古遺物を探しにいく目的ができるので、冒険のモチベーションを得やすい。

加えて、大規模グループ向けのコンテンツである「試練」にも、新たに「カイネズ・アイギスの試練」が追加される。かつては、漁業と鉱業で栄えていた村であるカイネズ・アイギスが巨人と吸血鬼らによって包囲されており、プレイヤーは村を救うため、侵略者たちと戦うことになる。難易度・ベテラン以上でクエストをクリアすれば、報酬として特別なアイテムを獲得できるが、出現する敵の数が非常に多いため、ソロでのクリアはかなり難しい。フレンドなどとパーティを組んで、十分な人数で臨むのがいいだろう。

グレイムーアと同時に実施された第26弾アップデートでは、吸血鬼のスキルラインの追加と調整が加えられ、それにあわせてジャスティス(犯罪制度)にも変更が加えられた。

吸血鬼には、自身がどれだけ吸血鬼と化しているかの段階を表す「血の呪い」のレベルが設定されており、段階が上がるにつれ吸血鬼スキルのコストが減少するなど、戦闘面で様々なメリットを得られるが、4段階目にまで「血の呪い」が進むと、行商人などとの取引ができなくなる。「血の呪い」のレベルは時間経過で下がっていくので、レベルが下がるのを待つか、レベルを下げる特殊な施設を利用する必要がある。ゲーム的なデメリットは大きいが、より「吸血鬼」らしいロールプレイ体験ができるようになったとも言える。

マイペースに遊びたいMMORPG初心者にピッタリなタイトル

また「ESO」の魅力を語る上で欠かせないのが、MMORPGでありながらソロプレイでも遊びやすい作りになっていること。すでに述べた「ONE TAMRIEL」システムのおかげで、闇雲に歩き回っても初心者でもそうそう倒されることはなく、倒されてしまった時も、ファストトラベル用の施設である旅の祠に飛ばされる程度のペナルティしかない(魂石というアイテムを使用して、その場で復活も可能)ため、かなり気軽にいろいろな場所を冒険できる。

それでいて、他のプレイヤーの存在もしっかりと感じられるようにもなっているのが面白いところ。本作では、戦闘に他のプレイヤーが参加しても経験値に変動がなく、互いにほぼメリットしかない仕様になっていることもあって、敵に苦戦していると、通りがかった他のプレイヤーが加勢してくれることが非常に多い。お互いに同じクエストをやっているのが分かると、直接言葉をかわさずとも、なんとなく一緒に同じ道を進んでみたり、一期一会の助け合いが何度も発生する。実際にソロプレイヤーの数も非常に多く、オープンワールドのオフラインRPGの世界に、他のプレイヤーが混ざっているような感覚で楽しめる。(PvPは一部のエリアでしか行えないようになっているので、他のプレイヤーから攻撃を受けたりアイテムを盗まれたりすることもない)

釣りやクラフト、自分の部屋のハウジング、世界の至るところにある膨大な書籍など、戦闘や探索以外の要素が充実しているのも特徴。積極的に戦闘やレベル上げを行わず、気ままに世界中を歩き回り、タムリエルの住人としてただのんびりと生活するという、幅広いプレイスタイルで楽しめるようになっており、MMORPGの初心者や、他のプレイヤーとの交流が苦手という人にこそ遊んで欲しいタイトルとなっている。

ストーリー中などのキャラクターボイスもすべて日本語に吹き替えられているため、字幕を見る煩わしさもなく快適なプレイが可能。筆者はWASDでの移動が苦手で、PCゲームでもゲームパッドで遊ぶことが多いのだが、ゲームパッドに対応しているタイトルでも、UIがキーボードとマウス前提のもののままで操作がし辛く、結局パッドとキーボード・マウスを併用する忙しいプレイになることも珍しくなかった。その点本作は、ゲームパッドとキーボード操作でまったく別のUIが用意されており、痒い部分にまで配慮が行き届いている。

ゲームパッドモードでは、UIがガラリと変わり、ゲームパッドだけで操作しても支障がないようになっている。表示されるボタンも、しっかりとゲームパッド用のものに変わる。

なおアップデートの方法として、シンプルにゲームだけをアップデートする「アップデート通常版」、騎乗動物「墓守のデスハウンド」や「膝への矢」などのインゲーム特典のセットである「コレクターズパック」が付属する「アップグレードコレクターズ版」、「グレイムーア」、「モロウウィンド」、「サマーセット」「エルスウェア」の4種DLCにベースゲームも付属する「ベースセット通常版」、「ベースセット通常版」の内容に、さらに「コレクターズパック」のインゲーム特典も付属した「ベースセットコレクターズ版」の4種類のデジタル版が用意される。

さらに「アップグレードコレクターズ版」の特典に加えて、「吸血鬼の王」の像や「コレクターズコイン」等のリアルアイテムが付属するパッケージ版「初回限定アップグレードコレクターズ版」もあり、それぞれに付属物が異なるため、自分に最適なバージョンを選び、是非西スカイリムの世界に旅立ってみて欲しい。

コレクターズパックに付属する騎乗動物「墓守のデスハウンド」があれば、ゲームを開始したらすぐにその背中に乗って世界を素早く移動できるようになる。

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