EXNOAが12月17日リリース予定の「ファンタジア・リビルド」。ファンタジア文庫のクロスオーバーRPGとなる本作のプレイレポートをお届けします。
「ファンタジア・リビルド」は、シリーズ累計発行部数2,000万部以上を誇る大人気ライトノベル「スレイヤーズ」をはじめ、「フルメタル・パニック!」「デート・ア・ライブ」「冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた」など多くの人気作品を抱える、ファンタジア文庫の作品がクロスオーバーするRPGタイトルです。
「デート・ア・ライブ」の原作者である橘公司氏が世界観設定/シナリオを担当するほか、オリジナルキャラクターデザインに三嶋くろね氏(「ロクでなし魔術講師と禁忌教典(アカシックレコード)」、ニノモトニノ氏(「アサシンズプライド」)を起用するなど、制作にはファンタジア文庫を代表するクリエイター陣を数多く起用している点でも注目されています。
いよいよリリースということで、若かりし頃からライトノベルを読み漁っていた筆者によるプレイレポートをお届け。ゲームというフォーマットながら、重厚なストーリーを楽しめる本作を一足先に紹介したいと思います。
作品同士の足し算ではなく、掛け算によって生まれるストーリーの魅力
本作をプレイする人であれば、全てとは言わずともファンタジア文庫の作品に慣れ親しんだ人が多いのではないでしょうか? そうなると、やはり気になるのはストーリーということで、まずは本作のストーリーの魅力について紹介していきたいと思います。
ゲームを開始すると早速チュートリアルが始まるのですが、そこで描かれるストーリーから驚きの展開が続きます。主人公(プレイヤー)は妹である理乃と軽口を交わしつつ登校していたのですが、記憶を失った謎の少女・エンデとの出会いをきっかけに、日常は大きく崩れ去ります。
その後、主人公はエンデとともに巨大な艦オリキュレールに乗艦し、バラバラになった世界が結合して生まれた“混成世界”を巡る旅を繰り広げていきます。なぜこのような展開になるのかは、ぜひ実際のゲームで体験してほしい部分です。
艦内では、オリジナルキャラクターである艦長グスタフの補佐を務める五河琴里やテレサ・テスタロッサなど、ファンタジア文庫おなじみのキャラクターたちが登場。さらに混成世界を旅する中で、新たな仲間たちが共に行動することになります。
登場作品の中には「冴えない彼女の育てかた」「ゲーマーズ!」など、一見するとこうした世界観に合わない印象を持つ部分もありますし、ファンタジー世界を題材としていても「スレイヤーズ」のようなハイファンタジーから、「ハイスクールD×D」のようなさまざまなモチーフを組み合わせた作品もあります。
こうした作品をつなぎ合わせる要素として、各々の世界が混ざり合うというのはイメージしやすいですし、先述の通り、橘公司氏をはじめとしたファンタジア文庫の作家陣が参加していることもあり、会話主体でのシナリオ進行でありながらも、要所でクロスオーバーならではの熱い展開もあり、とても読み応えがあります。
何より、時折差し込まれるエンデ視点での語りも印象的。彼女自身が何者なのかも気になるところですが、まずは主人公の目線で物語を楽しんでみてはいかがでしょうか。
独自のローテーションシステムが戦局を左右するバトルシステム
本作はメインストーリーを進めていくのが主な目的となりますが、クエスト形式になっているため、バトルもゲーム進行においては欠かせない要素となります。基本は入力順に行動するターン制のコマンドバトルとなっていて、通常攻撃を軸にスキルなどを駆使して敵の撃破を目指します。いわゆるフルオートの機能はありませんが、ターン毎にALLアタックを選択すると、効率的に敵を撃破できるので、サクサクとプレイできます。
バトルはサポートメンバーも含めた7体編成で臨むことになります。バトル開始時、FRONTとして3体が出撃することになるのですが、そのほかのメンバーがどのような役割を果たすのか、それは強敵と相見えた時にこそ見えてきます。
強敵の攻撃によりピンチになった時には画面下のキャラクターの並びをスライドすることで、戦闘に参加するキャラクターを入れ替えることができます。これを本作では“ローテーションシステム”と名付けていて、7人のキャラクター全てのHPが0になるまでバトルを継続できます。また、条件を満たすとローテーションでFRONTにした際にローテーションスキルが発動できるのですが、キャラクターごとに多彩なものになっているので、こちらも駆使して撃破を目指したいところ。
そのほかにも、複数のキャラが協力して発動するコンビネーションスキル、発動条件を満たしていれば1ターン中に複数発動可能なギフトスキルなどによって、戦局をより有利に進めることが可能。間口は広いものの、こだわれば戦略性をもって立ち回れるのではないでしょうか。
パーティ編成は戦闘に参加するキャラクターのほか、編成したキャラクターを強化できるフラグメントを設定していきます。フラグメントは原作の名場面やキャラクターの印象的な場面、そしてクロスオーバーによる新たなシーンなどをさまざまなイラストレーターが描いているので、そちらも必見です。
編成の際、プレイヤーレベルに応じてコスト上限が決まっていて、キャラクターとフラグメント双方のコストの合計値が上限を超えないように配置する必要があります。エンデはコスト0で配置できるので、ゲーム序盤では重宝しそうです。
今回はそこまでプレイできなかったのですが、特定条件下で可能となる“リビルド”ではキャラクターのLV上限を解放するだけでなく、原作では見ることのできない新たな衣装も楽しめるとのことなので、こちらもリリース後に期待したい要素です。
クロスオーバーならではの好きなキャラクター同士の掛け合いにも注目
上記の2つがゲームにおける大きな要素になってきますが、ホーム画面に設定したキャラクターの会話やバトル時に編成したキャラクター同士の掛け合いにも注目です。同じ原作同士の会話はもちろん、意外な組み合わせのやり取りも楽しめますので、そちらもぜひチェックしてみてください。
ちなみに、本作では現時点で13作品の参加が決定していますが、リリース前にも関わらず参戦希望投票キャンペーンとして参戦希望キャラクターや参戦希望作品も広く募っています。今後どの作品、どのキャラクターが登場するかはまだまだわかりませんが、自分の好きな作品、キャラクターの参戦にも期待したいところです。
ファンタジア文庫に触れている人は細かなやり取りにニヤニヤしつつ、そうでない人もこの機会にオリジナルストーリーに内包されるファンタジア文庫の魅力を味わってみてはいかがでしょうか。
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