オフライン版の最新情報やVersion1~6までの開発秘話も飛び出した!3年ぶりとなる真夏のオフラインイベント「ドラゴンクエストX 夏祭り2022」をレポート

スクウェア・エニックスは、7月23日と24日の2日間、東京・原宿にある国立代々木競技場 第二体育館で、オフラインイベント「ドラゴンクエストX 夏祭り2022」を開催した。

今年の8月2日で発売から10周年を迎える「ドラゴンクエストX オンライン」。2020年と2021年は秋祭りとして開催されたが、今回は3年ぶりとなる夏の祭典として実施されている。

初日の7月23日は、10周年に行われるイベントの紹介や歴代開発陣を招いて最新バージョンまでを振り返る「10周年 超同窓会」を実施。2日目の7月24日には、恒例となっている「アストルティア拾遺譚」の新作やアフタートーク、開発セクションが集まった「10周年だョ!開発ボス全員集合」が実施された。本稿ではその中から、初日に行われたイベントの模様をレポートする。

今回のイベント会場となった国立代々木競技場 第二体育館では、メインとなるステージイベントのほか、貴重なアートや絵コンテでこれまでの10年間を振り返る「『ドラゴンクエストX オンライン』ギャラリー」を設置。それに加えて、巨大なキングスライムとの記念撮影ができるフォトスポットや、アストルティアの世界を体感できるシミュレーターライドの「『ドラゴンクエストX オンライン』ザ・ライド」といったものまで用意されていた。

ステージ真裏側には、「ドラゴンクエストX オンラインギャラリー」のコーナーが設置。
入り口付近には、鳥山明氏のイラスト付き色紙も飾られていた。
こちらは、かなり巨大なキングスライムのフォトスポット。
Version1~6までの貴重な資料が見られるようになっていた。
こちらはVersion1の絵コンテだ。
できれば、こうした資料だけじっくりと見ていたくなる。
中を見ることは出来なかったが、「ドラゴンクエストX オンライン ザ・ライド」も楽しめるようになっていた。
写真左ら、MCを務めた椿彩奈さんとバッファロー吾郎の竹若元博さん。

こうしたイベントには毎回必ず顔を出しているドラゴンクエストの生みの親・堀井雄二氏だが、先週末より体調を崩していると言うこともあり、初日のイベントは不参加となることが「ドラゴンクエストX オンライン」プロデューサーの青山公士氏より発表が行われた。

「ドラゴンクエストX オンライン」プロデューサーの青山公士氏。

また、今回は「ドラゴンクエストX」の発売からもうすぐ10年を迎えるということもあり、スクウェア・エニックスの代表取締役である松田洋祐氏が登壇。

「ドラゴンクエストXはこの8月2日で10周年ということになります。思い返せば10周年は、あっと言う今に過ぎ去ったなという感じがします。ドラゴンクエストXを初めて発表した会場で、ドラクエがオンラインになるということで、大変大きく話題になったことを今でも覚えています。それから開発は結構苦労しましたけども、10年ということでここまでやってこられたのも、ひとえに冒険者の皆様のおかげだというふうに、大変感謝しております。ドラゴンクエストXは、スクウェア・エニックスの看板タイトルです。今までの皆様方との大切な経験を糧に、新たにこれから先10年の節目を迎えて、さらに皆様と歴史を紡いでいきたいと思います」と抱負を述べた。

スクウェア・エニックスの代表取締役 松田洋祐氏。

プロデューサー・青山公士氏が書に込めた想いとは?

初日の最初のコーナーとして行われたのが「10周年アニバーサリーグリーティング」だ。こちらでは、いきなりプロデューサーの青山氏が書に挑戦する映像が流され、やや異様な雰囲気のスタートとなったが、そこで書かれた作品が会場内で披露された。
達筆すぎて、「昼割か?」といったニコ生のコメントも流れていたが、そこにしたためられた文字は、漢字2文字の「感謝」だ。10年前のβテストのときには、一番使われていたセリフは「ありがとう」であったが、本サービスに入り「感謝」の文字が一番上にくるようになった。そこで青山氏も「感謝を込めたい」という想いからこの文字を選んだそうだ。

昼割じゃねーよ、という椿さんのコメントも飛び出したが、それだけ達筆に書かれた「感謝」の2文字。

しかし、この書はそれだけではなく、実はもうひとつ仕掛けがあった。なんと180度回転させることで、「感謝」の文字が「躍進」へと変わった。これは「これからも本作が続いていく」といった意味が込められている。メインストーリーに関してはVersion6.2が公開されたところだが、その次にも取り組んでいるそうだ。「Version7を今作っているとはいえないのですが」と何やら匂わせ発言もありながら、今後の期待が高まりそうな予感をさせるコメントを述べていた。

この「躍進」の文字が次のVersionに繋がっていくのか!?

続いて10周年記念企画の紹介が行われた。まずは10周年記念グッズだ。今回初だしとなったのが、「ドラゴンクエストX オンライン ワイヤレス充電パッド<ザオラル>(光るスライムフィギュア&「ザオラルラグ」アイテムコード付き)」だ。こちらはスマートフォンなどの充電に使えるもので、2022年12月24日に発売される。

7月23日より、スクウェア・エニックス カフェ(秋葉原)、ARTNIA(東新宿)、ルイーダの酒場(秋葉原)の3店舗でコラボカフェが開催される。店内で飲食をした人には、特典として大陸間鉄道型ステッカーがプレゼントされる。ドリンク注文時には、店舗によって異なるオリジナルコースターがプレゼント。ルイーダの酒場以外では、コラボフードの注文でもプレゼントがもらえる。また、2店舗分のスタンプを集めることで、堀井雄二氏のサインが入ったオリジナルコースターもプレゼントされる。

10周年を記念した応募企画として、スクリーンショットなどを応募する「みんなで作るDQX覧会 -10th ANNIVERSARY -」と写真コンテンスト「みんなでつくるドラゴンクエストX オンラインの歴史」が実施されたが、こちらは現在作品を選考中。8月2日に「目覚めし冒険者の広場」で発表される予定だ。

冒険者のおでかけ超便利ツールで夏の10大キャンペーンを7月24日より順次開催する。目玉は毎日1回10連ふくびきが無料になることだ。また、着せ替えテーマも配信される。それに加えて、8月2日にも配信されるものがあるということなので、そちらも楽しみにしよう。

会場内から大きなどよめきが起きたのが、DQXショップで1000ショップポイントがプレゼントされるという情報だ。こちらは7月26日11時から8月3日23時59分までとなっており、DQX10周年記念セットが発売されるほか、お祝いやお祭りに関連するアイテム10品が10円で販売される。

8月2日よりフォトブックが作れるサービス「冒険者のアルバム」が開始される。これは自分が撮影した写真を自由に配置して本にすることができるというものだ。ある程度テンプレートに合わせてレイアウトすることが可能。通常のスタンダードとカバーセットの2種類が用意されており、カバーセットのほうは自分で好きな写真を選べるようになっている。

レイアウトを作る段階までは無料でできる。

そして、待ちに待った、「オールインワンパッケージ(Version1-6)」が10月20日に発売されることも発表された。こちらは、購入特典として黄金の花びら×10が付くほか、店舗別購入特典も用意されている。

また、限定スペシャルセットとして「10周年お祝バッグ」も発売される。こちらはスライムデニムトートバッグが付属しで、価格は8800円(税込)だ。バッグに加えて、しぐさ書・Xスライム(しぐさ書)や10周年カープリズム(ドルボード)、10周年のかんむり(アタマ)といったゲーム内アイテムも付属している。

10周年記念として、他のサービスとのコラボも数多く発表されたが、中でも注目なのが「ドラゴンクエストウォーク」とのコラボ企画だ。こちらは「ドラゴンクエストX」のVersion1と2を元にしたストーリーになっており、様々なキャラクターやモンスターが登場する。

また、「ドラゴンクエストX」内でも完全新作のコラボイベントが8月11日より開催される。こちらでは、記念大王スライムがゲーム内に登場するほか、アストルティアのどこかにいるスラミチを捜すイベントが実施される。また、ドラゴンクエストウォークコラボで、世界樹セットが登場する。

サービス開始10周年を記念した特別なふくびきが登場しているが、その引き換えが7月23日より開始されることがディレクターの安西崇氏より発表された。

イベント中に生で「今でしょ」とふくびきの引き換え開始を発表する安西氏。

さらに様々なコンテンツでフィーバーが発生する「フィーバーイベント」も実施される。フィーバー中は、そのコンテンツで獲得できる報酬が増加するなど、様々な効果が用意されている。最初に怒るフィーバーイベントは、「防衛軍フィーバー」と「メタルフィーバー」だ。どちらも7月24日から実施されるもので、「防衛軍フィーバー」は期間中、ミラクルボックスが毎回必ず出現する。「メタルフィーバー」は、十周年大使アニバスに専用香水をかけてもらうことで、メタル系モンスターの出現率が大幅にアップする。

10周年を記念して、10人のキャラクターからボイス付きの手紙が届くイベントも開始。初日の7月23日は「勇者姫アンルシア」からの手紙が届いていた。今後、どんなキャラクターから手紙が届くか楽しみにしよう。

お待ちかねの10周年記念クエスト「天を超えてゆけ」も実施される。こちらは、どこかにいるルンルンというキャラクターからクエストを受けることが可能だ。

さらにコーナーの最後に、ドラゴンクエストX オンライン」の10周年を祝うPVも公開された。

シリーズの軌跡を振り返る「10周年 超同窓会」

初日のメインともいえるコンテンツが、Siries1から6までの間に起きた出来事を、当時の開発陣を交えて語り合っていくトークコーナーの「10周年 超同窓会」だ。さすがに10年という年月を過ごしてきたコンテンツということもあり、その間様々なことが起きた。そのためイベントでは3つのコーナーに分けて実施された。こちらではそのすべてを取り上げることは難しいため、ほんの一部をピックアップしてご紹介していく。

最初に登場したのは、初代「ドラゴンクエストX オンライン」プロデューサーの齊藤陽介氏とVersion1のディレクター藤澤仁氏だ。

写真左から、初代プロデューサーの齊藤陽介氏とVersion1のディレクター藤澤仁氏。

発表のときは、シリーズのナンバリングタイトルでありながらオンラインゲームということで賛否両論もあった本作。通常のナンバリングタイトルは開発に時間もかかり、高校生が社会人になるぐらいの時間が掛かってしまう。その間のドラゴンクエストが好きな人たちが集まることが出来る場所がいいなというところを、開発コンセプトにしていたと語る齊藤氏。

一方、藤澤氏は当初「ドラクエってひとりで遊びゲームじゃないですか?」と、否定的だったという。ただ、自身が遊んできた「ドラクエ4」で仲間にAIが使われていた。また、堀井氏と一緒に作ってきた「ドラクエ7」に採用されていた会話システムなどは、「本当は人間と遊んだらこうだよね」ということを擬似的に表現していることなのだと思うと、ドラゴンクエストはオンラインになりたいのだろうなという気持ちが後から出てきたという。

それでも「やりたくない」と言っていた藤澤氏。そんなある日、夜中まで仕事をしているときに安西氏が訪れてきたことがあった。その当時はろくに話したこともなかった間柄だった両名。なおかつ安西氏が、若干イケメンでむかついていたところもあった。その時に安西氏は「僕は、オンラインゲームを世の中に一般化させることが人生の夢です。今ドラゴンクエストのオンラインが作れるかもしれないという、この場所に来て、ここで成功できなかったら一緒の夢が叶いません。だから藤澤さん一緒にやりましょう」と誘ってきた。それを聞いて、藤澤氏はやるしかないなと思ったそうだ。

ただ、この話にはオチがあり、齊藤氏が断られたから代わりに安西氏にいけと命令されたということらしい。

続いてVersion2から3までの話題として、当時のディレクターを務めた齋藤力氏と初代プロデューサーの齊藤陽介氏が登壇。毎回登場することから、「オレもゲストじゃなくてもいいんじゃないですかね」といいながら登場してきた齊藤陽介氏。これ以降は、普通にレギュラー陣と一緒に登壇することになってしまう。

写真右は、Version2と3のディレクターを務めた「りっきー」こと齋藤力氏。

Version2の発表時には、生きた心地がしなかったぐらいのプレッシャーを感じていたという齋藤力氏。中でもプレッシャーが掛かっていたというのがメインストーリーだ。Version1から2への物語のひきは、堀井氏がテクニカルな構成にしていた。勇者というドラクエファンなら誰しもが知っているアイコニックな存在を、Version1のひきにしていたのだ。それをVersion2で回収するといった構造になっていたため、どうするかかなり悩んだという。

もうひとつは、勇者が登場したときにユーザーから見ると、「そこってオレのポジションじゃん!」と感じてしまう。「ドラゴンクエストX」という新しい世界の中で、どうやって勇者と主人公の冒険者を結びつけていけばいいのか。どれなら自分がワクワクできるのか、かなり悩んだそうだ。

Version4から6までの開発裏話のゲストとして登壇したのは、「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オフライン」プロデューサーの白石琢磨氏だ。実は「ドラゴンクエストX オンライン」にも携わっていたことある白石氏。便利ツールは別プロジェクトになっていたのだが、立ち上げ時ではないものの一時期そちらのプロデューサーも務めていたことがあるそうだ。

何かにつけて「○○野郎」というあだ名が付けられがちな白石氏。元々は「いただきストリート」のプロデューサーをしているときに「サイコロ野郎」と言われたのがきっかけだそうだが、今回もコメントで「便利野郎」や「ツール野郎」という文字が躍っていた。それに対して本人は、「みなさん愛着を持って呼んでいただいているので、非常に嬉しいです」と感想を述べていた。

「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オフライン」プロデューサーの白石琢磨氏。

Version4から6までの話題ということで白石は直接関係なかったのだが、途中で「オフラインいいですよね」と言ったところ、「ちょっと早いんだよな」と齊藤陽介氏から突っ込みが入る場面も。その後、オンライン版の歴史をすべて振り返ったあと、ずっと待っていた白石氏による紹介が行われた。

「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オフライン」はデラックス版と通常版の2種類が発売される。それ以外も超デラックス版も用意されていたが、すでに売り切れになっているそうだ。デラックス版には、本編のほかオンライン版のVersion2にあたる超大型拡張ダウンロードコンテンツが含まれている。

早期購入特典には、エンゼルスライム帽と元気玉×1、そしてオンライン版のアイテムコードとしておしゃれ装備「ふわふわネルゲル」が付属している。2022年9月15日の発売を予定しており、超大型ダウンロードコンテンツ「ドラゴンクエストX 眠れる勇者と導きの盟友 オフライン」は2023年春に配信される予定だ。

ここまではすでに公開されている情報だが、本邦初公開となるPVがこの会場で公開された。

PVを見ると、想像以上に詰め込まれている印象の「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オフライン」だが、釣りなどのミニゲームもしっかりと遊べる仕様になっているのは嬉しいところだ。なんといっても、昔のストーリーを豪華声優陣にボイス付きで楽しめるのも本作の魅力のひとつである。

エックスくんもしゃべっていたが、本作ではキャラクターメイク時にいくつか用意されているボイスパターンから選べるようになっている。こちらは元々入れる予定はなかったものの、堀井氏から「せっかくVersion1の内容をボイス付きでやっているのだから、主人公もしゃべれて選べたほうがいいんじゃない?」と言われ、UIも含めての変更を行ったのだという。

ボイス付きになり、これまでとは違った体験ができるオフライン版。一時的に仲間になるゲストキャラクターも登場するが、その一部の紹介も行われた。まずは、引坂理絵さんが声を演じるキャラクターのガルミィだ。こちらは、ガミルゴの娘といった設定のキャラクターになっている。

続いて紹介されたのは、能登麻美子さんが幼い声を演じたヒメアだ。その可愛らしい声に、安西氏もご満悦の様子だった。

ここまでは新たなシーンだったが、更に会場を沸かせたのがオンライン版と同じシーンを再現するときに新たに声が付けられた場面だ。なんとナブレット団長の声を、声優・古川登志夫さんが演じることが発表された。

こうして、すでに知っているシーンでありながらも、声が新たに付くことで印象も大きく変わっていくのがオフライン版の魅力でもあるのだ。

さらに、ゲストキャラクターとは関係なく先出ししたいということで紹介されたのが、こおろぎさとみさんが演じるアルウェ王妃だ。元々コミカルなシーンだが、ボイスが入ることでそれがパワーアップしたように感じるから不思議である。

イベントの最後に青山氏から「10年前は私がこんな立場でこんな場所でしゃべるとは、夢にも思っていませんでした。これもひとえに、ドラゴンクエストX オンラインコミュニティの皆様の力でここまで来ることができました。あくまでも10年は通過点ですので、これからもドラゴンクエストX オンラインコミュニティは躍進していきたいので、皆さん引き続きよろしくお願いします」と、メッセージが語られた。

オンライン版とオフライン版ともに、これからもどんどん盛り上がっていきそうな「ドラゴンクエストX」。今後の行く末にも期待していこう!

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