「タワー オブ アイオン」クラシックサービスは「古くても新しい」独自色の強いコンテンツに――運営プロデューサー・坂本康弘氏インタビュー

エヌシージャパンが運営するPC向けオンラインゲーム「タワー オブ アイオン」。そのクラシックサービスについて、運営プロデューサー・坂本康弘氏へのメールインタビューを実施した。

2009年にサービスが開始された「タワー オブ アイオン」初期(1.2当時)のコンテンツを再現したクラシックサービス。9月28日に行われるアップデートでは、「Episode2.4 光さす追憶の地、アラカ」が実装される。今回のインタビューでは、アップデートの内容を中心に、クラシックサービスの現状から今後についても話を聞くことができた。

――クラシックサービス開始から1年以上経過しましたが、プレイヤーからの反響やサービスの状況について教えてください。

坂本氏:かつてのアイオンを愛してくださった大勢のプレイヤーが一堂に会して当時を懐かしみ、思い出を語りながら楽しんでいる姿を多くみられたことは良かったです。

一方で、現在は種族の偏りが大きくなっており、要塞戦や集団戦闘などで様々な弊害が発生しております。しかしながら、天族/魔族の両陣営が互いに不利益を被らず、公平な機会を提供すること自体、非常に難しい課題ですので、引き続きさまざまな試行錯誤を繰り返しながら、問題改善に取り組んでいきたいと考えております。

――「Episode2.4 光さす追憶の地、アラカ」の概要について教えてください。

坂本氏:今回のアップデート「光さす追憶の地、アラカ」は、韓国で実装された2.2アップデートと2.4アップデートを統合した内容になっています。そのため、本アップデートのコンテンツや各種調整項目は大ボリュームとなっています。

――今回実装される新規インスタンスダンジョン(ID)「アラカ」は、ライブサービス「Episode2.5 光のさす場所へ」で追加された象徴的なコンテンツです。当時の2.5環境で最も大きかった変化は、高級グラフィックオプション追加で、透明感や立体感のある美しい表現が可能になったことがとても印象的でした。

坂本氏:今回のクラシックサービスでは、既に高級グラフィックスも標準搭載しており、またグラフィックスも現在の最新技術と比較して、そこまでインパクトあるものではありません。しかしながらあの頃、高級グラフィック演出を加えたアラカに入場したときに感じた感動や思い出は今も色褪せないと思います。

当時の思い出に浸りながら、思い出のダンジョンにチャレンジするという本来のクラシックサービスならではの遊び方でぜひ楽しんで頂きたいです。

――EP2.4アップデートでは、3つのインスタンスダンジョン(ID)が新たに追加されます。それぞれの特徴について教えてください。

坂本氏:まず「アラカ」は、龍界版「アビス宝物庫」というべき場所で、アビスポイントに交換できる「古代の遺物」が数多く獲得できるダンジョンです。前半は自然に囲まれたフィールド、後半は薄暗い研究所に侵入する二段構造となっています。

次に「解放されたパシュマンディル寺院」は、Episode2.0で追加された「パシュマンディル寺院(ハード)」攻略に成功したディーヴァのみ入場できる特殊なダンジョンです。入場後、すぐに最凶の強さを誇る「解放された暴風のルドラ」と戦うことができる点が大きな特徴です。

そして「深淵の残骸」は、アビス深層「神聖の要塞」を占領した種族のみ入場できる、要塞深層版の「アビス宝物庫」です。12人のフォースで挑む難易度の高い場所ですが、多様な報酬が獲得できる場所となっています。

――「ノフサナ訓練所」、「スティールクロウ号」についてはソロ専用IDにリニューアルされますが、変更の目的について教えてください

坂本氏:もともと「ノフサナ訓練所」は要塞戦入門用のパーティーIDだった場所で、また「スティールクロウ号」は中レベル帯での装備ビルドアップや、上級スティグマクエストのため訪れる場所でした。ただ、現在は低~中レベル帯のプレイヤーが少なくなったことから、なかなかパーティーも組みにくく、これらのダンジョンに気軽に入場することが難しくなっています。

そのため、もっと気軽に挑戦してもらうべく、特殊なチューニングを行ってソロプレイヤー向けのダンジョンとして生まれ変わっています。「ノフサナ訓練所」ではプレイヤー自身が守護神長に変身して強力なスキルが使えるようになります。

一方、「スティールクロウ号」は本来下層、中層、上層の3層でわかれていたエリアを1つに集約して、下層から上層に向かって段階的に攻略できる1つのIDとして再構成されます。中層最深部エリアは封鎖されているため、実質的には下層から上層の二層構造となっており、最終ボスは以前と同様、「スティールクロウ フトゥキン」が登場します。ライブサービスでも実現しなかったソロプレイでのフトゥキンとの対決は、新たな楽しさが味わえると思います。

――リニューアル後では、パーティー専用だった頃と比べてIDの攻略法も変化しますか?

坂本氏:前項でも記載しましたが、攻略方式が大きく変わります。

「ノフサナ訓練所」では、守護神長に変身することで純粋にプレイヤーキャラクターが大幅強化されるため、爽快感あるバトルが楽しめます。「スティールクロウ号」はソロプレイにあわせたNPCのバランス調整がされているので、今までのパーティープレイでは体験できなかった遊び方と攻略が楽しめます。

――追加される「レベル55レガトゥス装備(アビス装備)」について、性能面や入手方法を教えてください。

坂本氏:「レベル55レガトゥス装備」はEpisode2.4環境での最上位PvP装備となり、下位装備と比べて破格の性能を誇ります。従来のアビス装備と同様、功績官から交換形式で入手できますが、交換にはプラチナ功績勲章と大量のアビスポイントが必要になります。

前述のとおり、本アップデートで実装された「アラカ」では多くのアビスポイントが獲得できるので、ぜひアラカでアビスポイントを貯めて、レガトゥス装備をゲットしてください。

――新たに追加される、キューブ専用スロットとはどういうシステムなのでしょうか?

坂本氏:クエストアイテム、コイン、勲章などを保管できる専用キューブが追加されます。従来、これらアイテムは常にキューブ内を圧迫していたため、キューブ専用スロットが実装されることにより、保管できるアイテムの空き領域をかなり増やすことができます。キューブ専用スロットは合計102個まで保管でき、かつ、対象アイテムを獲得すると、自動的に専用キューブに保管される仕様となっています。

――複数のインスタンスダンジョンの入場回数が変更されますが、変更の目的について教えてください。

坂本氏:サービスから1年が経過し、プレイヤーキャラクターの標準レベル帯や活動場所が大きく変化しています。その外部環境にあわせて調整された結果と考えております。

――その他にも細かな調整や拡張が行われますが、とくにゲームプレイに影響が大きい要素はありますか?

坂本氏:調整項目でもっとも大きいのは、アイテムのドロップ率UPに関するものです。「暗黒のポエタ」や「パシュマンディル寺院」でドロップするヒーロー級装備やアビス中央3要塞の宝物庫でドロップするユニーク装備などのドロップ率が大幅にアップし、今までと比べて格段に入手しやすくなります。

――新規プレイヤーに向けての施策や、初心者にオススメの楽しみ方があれば教えてください。

坂本氏:今回のアップデートタイミングで、「ドロップ&経験値4倍イベント」を開催します。快適な環境でのゲームプレイを自由に楽しんでもらえれば幸いです。

また、レベル45まで「シエルの機運」の制限を解除できるボックスアイテムを準備中で、こちらが実装されれば、実質的にレベル45まで無制限プレイが実現できます。背景としては、「シエルの機運」はライブサービス初期に近い環境を再現するために導入されましたが、新規プレイヤーがゲームをはじめにくいという問題がありました。その環境が大きく改善できる見込みのため、是非この機会に気軽にプレイいただければと思います。

――ユーザーへのメッセージをお願いします。

坂本氏:クラシックサービスもサービスから1年以上経過し、アップデートバージョンも2.4まで適用された環境になります。クラシックサービスは、思い出のアイオンを再現することをコンセプトに段階的にアップデートしてきましたが、ライブサービスの内容をトレースするだけではなく、「ティアク研究所」などクラシックオリジナルの要素も追加され、従来の認識とは異なるクラシックの未来を映し出しています。

この先、クラシックサービスはさらに独自色の濃いコンテンツになっていくことが予想されます。今後も、「古くても新しい」クラシックサービスに是非ご期待ください。

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