独自の仕掛けが面白いターン制戦略シミュレーションRPG「ガールズクリエイション -少女藝術綺譚-」先行プレイレポート!芸術家、芸術作品を美少女化した世界観も魅力

EXNOAがPC/スマートフォン向けに10月24日リリース予定の「ガールズクリエイション -少女藝術綺譚-」。一足先にプレイさせてもらったので、その魅力を紹介する。

DMM GAMESで「ティンクルスターナイツ」や「フラワーナイトガール」といったタイトルを世に送り出してきた“クリエイティブチーム くまさん”が、DMM GAMESの内製開発チームとの共同開発によって送り出す本作。シナリオをKADOKAWAファミ通文庫編集部が手がけており、ストーリーへの力の入れようが伺える。

今回、本作で楽しめる各要素を一通りプレイ。美少女ゲームとしてのアプローチと、その上で戦略性を持ったシミュレーションRPGとしての独自の要素を確認できたので、紹介していこうと思う。

アニメーションもふんだんに盛り込んだグラフィック

キャラクターデザインにがおう氏、nauribon氏、近所黒モモ氏、キモティカ7氏、黒茶色のねこ氏が参加している本作は、イラスト自体の魅力もさることながら、Spineによるアニメーション表現が多彩に用意されており、会話の中でもさまざまな表情を見せてくれる。

通常の会話シーンでのいわゆる立ち絵のアニメーションに加えて、アドベンチャーパート中に用意されているスチルについてもアニメーション演出が用意されている。静止画では伝わりづらく恐縮だが、メインストーリーにおけるメインキャラクターのやり取りは全てフルボイスで楽しめることもあり、こうした画面上の演出が世界観への没入感を深めてくれる。

また、ゲーム・アニメで数々の映像を制作してきたポイント・ピクチャーズが手がけたOPアニメーションは、芸術を題材にした本作の魅力を表現した、色彩表現豊かなものとなっている。

アニメーションという点では、ガチャ演出にアニメーションが盛り込まれているのも印象的。こういうちょっとしたところにゲームの品質へのこだわりがうかがえる。

芸術家、芸術作品を美少女化した、独自の世界観

本作の世界観をかいつまんで説明すると、藝術の神々によって生み出されたといわれる街「アテネス」を舞台に、人を殺めることを目的とした芸術品“死の芸術”に対抗すべく、「夢幻美術館」の“藝術家”たちが立ち上がるといったもの。プレイヤー(主人公)は夢幻美術館の館長として、藝術家たちと協力することになる。

本作では歴史上における芸術家、芸術作品を美少女化していることが特徴となっている。作中においては芸術家たちの名前を冠した少女たちは“藝術家”、そして彼女たちが強い思いとともに生み出した傑作が人の形をとった芸術作品は“イマージュ”と呼ばれている。

物語の冒頭では、藝術家の一人であるゴッホの妹、テレサが行方知れずになってしまったところから物語が展開する。とはいえ、重苦しい雰囲気で進行するわけではなく、アルテをはじめとした藝術家たちはいずれもクセの強いキャラクターになっており、軽妙なやり取りを見せてくれる。また、捜索に協力してくれるジャン刑事をはじめとした、周りを取り巻くキャラクターたちも印象的だ。

今回は第1章途中までのプレイで、敵対することになる死の芸術家たちとのやり取りを見ることはできなかったが、ストーリーとしての筆致は美少女ゲームらしい、しっかりと読ませる仕上がりになっていた。世界観を楽しみたいという人にもおすすめだ。

ちなみに、本作のメインストーリーはクエスト形式になっているが、ストーリーを読み進めるためには毎日バトルを一定回数クリアするともらえるストーリーキーが必要となっている。一気に読み進められないという点は気になるものの、ストーリーを読み進める上で後述する戦略シミュレーションの要素を持ったバトルを遊ぶ必要があるという点で、お互いの要素が補完しあっているように感じた。

手軽かつ歯ごたえのある戦略シミュレーションRPG

本作のバトルシステムの特徴について触れる前に、クエストに出撃するチーム編成について紹介していこう。先ほどから触れている藝術家たちを最大5人で編成して挑むことになるのだが、それぞれ1人ずつイマージュを設定することになる。これが後々紹介する本作の大きな特徴に紐づくことになる。

藝術家はキャラクターこそ固有だが、ガチャで入手したスタイルを変更することで、その特性が変化する。また、技法と呼ばれるスキルやアクセサリなどの装着によってステータスが変動していくのだが、これらの設定画面は作中ではパレットと呼ばれる。編成時に考えることはあるものの、悩んだらとりあえずは自動装着にしておけば大きな問題はないだろう。

戦略シミュレーションRPG自体がもともと時間のかかるゲームシステムになっていることから、仕様がどのようになっているのかは気になっていたが、実際にプレイしてみると、短い時間でも戦略性を持って遊べるように意識されていることが伝わってきた。

まず、その大きな要素を占めるのがマップの作り。バトル開始時に用意されたマップはシミュレーションRPGのマップとしては小さめだが、ターンの終わりに自陣側のマップの端が消滅し、逆に敵陣のマップが新たに生成されるようになっている。つまり、自陣側の端にキャラクターを配置していると、そのキャラクターは離脱することになってしまい、逆に敵陣が追加した際には敵やギミックが新たに登場するといったことが起こるわけだ。

結果的にプレイヤーサイドはどんどん敵陣に攻め込んでいく必要があり、ターン毎に敵キャラクターを削りながら、バトルの後半で登場するボスに挑んでいく。将来的にはこのほかのバリエーションが生まれるかもしれないが、目的がわかりやすく作られているという点で遊びやすい作りになっていた。

また、ユニットの行動にも特徴があり、敵の前で静止して攻撃するのではなく、通過した際に攻撃を加えられるようになっていた。例えば通るルートによっては複数の敵に攻撃を加え、さらには技法で畳み掛けるといった行動が可能となる。同時に、自陣のキャラクターを通過するとバフがかかるため、どのルートを移動するかが勝敗にも大きく影響する要素となっている。

これだけでも駆け引きが面白いのだが、さらにマップ上に落ちているソウルと呼ばれる球状のアイテムを獲得し、画面左下の入魂ゲージが100%まで溜まると、設定したイマージュがバトルに参加し、絶技という強力な攻撃を繰り出すことができる。こちらも戦局に大きく関わる要素となってくるので、意識して狙いたいところだ。

バトルの要素をかいつまんで説明すると以上の通りだが、このほかにもマップはステージごとに少しずつ変化していたり、マップ上には障害物があったりと、戦術的にアプローチしなければいけない要素もいくつかある。拮抗した相手の場合、ちょっとした選択ミスが勝敗を左右することにもなるため、歯ごたえのあるバトルが楽しめそうだ。

もちろん、ストーリーを中心に進めたいのであれば、オートモードを活用するのもいいだろう。キャラクターを強化すればその分だけ進めやすくなるし、AIにキャラクターをどういう方針で動かしてほしいかを設定することもできるので、気軽に楽しむのもアリだ。

放置系シミュレーションやコミュニケーション要素も

基本的な遊びはストーリーとバトルを交互に進めながら、時折強化していくといった流れになりそうだが、さらに放置系シミュレーションの遊びが楽しめる“ミュージアム”が用意されている。施設内に美術品と学芸員を配置していき、美術館の再興を目指すものとなっている。こちらで来場者から生み出された感情資源は、2人の藝術家と組み合わせることで、新たなイマージュや芸術作品を生み出す“工房”に活用できる。

そのほか、藝術家との信愛を深める機能などのゲーム体験を深めるための要素は一通り揃っており、バランスよく作り込まれている印象を受けた本作。ブラウザゲームということもありプレイするハードルも低いと思うので、気になった人はぜひチェックしてみてはいかがだろうか。

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