EXNOAよりDMM GAMES版が3月26日にリリースされる、PC/スマートフォン向けブラウザゲーム「ReOath-巨神と誓女 外典-」(以下、ReOath)の先行プレイレポートをお届けする。

本作は、GAMESプラットフォームの10年企画として2021年10月に実施された「復刻投票キャンペーン」で1位になった、「巨神と誓女」をベースにした作品である。
だが、こちらは単なる昔のゲームを復刻しただけのものというわけではなく、オリジナルの世界観を引き継ぎつつも、完全新作タイトルとして開発されたものだ。ジャンルもRPGからリアルタイムストラテジー(RTS)に変更し、ゲーム性も含めて大きく進化を遂げているところが特徴である。
本作のリリースに先駆けて、メディア向けの試遊会が実施された。こちらの記事では、そこからわかったゲームの魅力や特徴についてご紹介していく。また、記事の後半では本作のプロデューサーである原伸宏氏とディレクターの三觜辰也氏へのインタビューも実施しているので、そちらも合わせてご覧頂きたい。
元となった前作「巨神と誓女」は世界観が多くのユーザーから支持されていた
実際に試遊会が行われる前に、ディレクターの三觜氏から「ReOath」に関しての簡単な紹介が行われた。
本作の元となった「巨神と誓女」で、ユーザーから多くの支持を得ていた部分が世界観である。この「巨神と誓女」の舞台は、フレストニアと呼ばれる場所だ。そこに、元々別の世界にいた少女たちが流れ着く。誓女と呼ばれる少女たちは、記憶が曖昧になっており、なぜこの世界に流れ着いたのか。なんのためにこの世界に来たのか。元の世界で自分が何をしていたのかといったことが、明確にはわからない状態だ。
このフレストニアには、人知を超えた存在として「巨神」と呼ばれるものが存在している。それに対して、理由は明確ではないものの、誓女たちは巨神を倒さなければいけないという使命感を持っているのである。
この「巨神と誓女」では、ゲームをプレイしていくなかでヒントを得ていきながら、プレイヤーが考察をしていき、この世界はどのようにして生まれたのかといったことを考えるというのが特徴となっていた。そして、ここがユーザーにウケていた部分でもあるのだ。

原作の「巨神と誓女」では、ゲーム画面自体はシックなスタイルであったが、プレイヤーが考察するための機能として「ヒストリーブック」と呼ばれる機能が用意されていた。ゲーム的にもメインシナリオにあたるものがないため、この「ヒストリーブック」で描かれている短編シナリオを読み解いていきながら、巨神や誓女について考えていけるようになっていたのだ。今回の「ReOath」でも、こうした遊びについてはそのまま踏襲されている。
原作のキャラクターたちが「ReOath」にも登場!?
「ReOath」の特徴は、大きく分けて3つある。ひとつは、先ほどご紹介したゲームの世界観だ。こちらは原作がベースにはなっているものの、新たなシナリオが追加されている。続編を思わせるような内容になっているため、昔遊んでいたユーザーにとってはいろいろな発見がありそうだ。
ゲームシステムは、RPGからRTSへと大きく変更されている。後ほど詳しく触れるが、こちらは90年代に流行したRTSのようにリアルタイムで内政を行い敵陣地に攻め込んでいくといったタイプのゲーム性というよりも、もう少し緩やかにプレイできるようなものになっている。イメージとしては、スマートフォン向けに配信されているMMO的な戦略ゲームに近い印象だ。また、個人同士の戦いではなく、サーバー内やサーバー間でギルド同士が競い合うようなシステムになっているところも特徴である。

復刻投票キャンペーンで生まれたタイトルらしく、この「ReOath」ではDMM GAMESで過去に配信されていたゲームのキャラクターが登場するところもポイントだ。この過去作のキャラクターたちは、新たに高品質で描き下ろされたイラストが採用されている。このように、すでにクローズしてしまったタイトルのキャラクターたちが本作で蘇るというところも注目したいところである。
ちなみに、原作にも登場したアイノやアスタル、ユミといったメインのキャラクターたちは、今作にも登場する。それぞれ学生服や天使のような衣装など、それぞれ全く異なるスタイルになっているのだが、こちらは元にいた世界の姿をそのままこの世界に持ち込んでいることから生まれているものだ。

キャラクターは衣装もそうなのだが、背景に描かれている絵も、それぞれのキャラクターたちが元にいた世界を反映したものとなっている。こうした部分も、この「ReOath」を楽しめる要素となっているのである。

メインとなる「拠点」では2種類の戦闘が楽しめる!
今回試遊で体験できたのは、チュートリアル終了後あたりからで、主に「拠点」での内政の仕方や戦闘を体験することができた。また、後半では擬似的にギルドを組み、イベントのボスにも挑戦している。
この「ReOath」では、プレイヤーが操るゲーム画面は「拠点」と「世界マップ」のふたつ用意されている。主にメインとなるのは拠点の方で、こちらはいわば基地のような場所だ。面白いのは、この拠点内で施設のレベルを上げたり新たな施設を建設したりできるというだけではなく、ときには戦闘も行われることだ。
拠点内の施設は、レベルを上げていくことで全体的なバフが掛かった状態になるなど、様々な効果がある。また、施設の中にはユニットと呼ばれる兵士を生み出すようなものもあり、こちらで新たなユニットを増やしていくことができるほか、戦闘で傷付いて閉まった兵士達の回復も行えるようになっている。

拠点内で行われるゲームでの戦闘は、「領地解放」と「遠征」の2種類が用意されている。「領地解放」は、「拠点」内の領地を解放していくためのものだ。主にゲーム序盤に行っていくのは、こちらの「領地解放」である。こちらは画面内に表示されているエリアを選択することで、戦闘に参加することができる。実際に「領地解放」を選ぶと、次に出撃する兵士を選択する画面が現れる。
最初のうちはよくわからないと思うが、とりあえず「自動編成」を選んでおけばOKだ。このときに推奨戦力を満たしているかも表示されるので、合わせてチェックしておくといいだろう。あとは「出撃」ボタンを押せば自動で戦闘が開始される。見事勝利すると、その領地が自分のものとなるのだ。あとは、これを繰り返していくことで、拠点内の領地をどんどん広げていくことができるのである。



もうひとつの「遠征」は、いわゆる放置プレイに近いモードである。特定の時間、自動で戦闘が行われ報酬をゲットすることができるというものだ。なかなかずっと張り付いてゲームをするのは難しいが、プレイしていない間も報酬を稼いでくれるのはありがたい。

戦闘に参加する兵士達は、兵舎に表示されるアイコンを選ぶことで増やすことができる。ユニークなところは、同じレベルの兵士たちをドラッグ&ドロップすることでレベルアップすることができるところだ。この合体でより上のレベルにしたいときは、施設のレベルを上げていかなくてはならないのである。

拠点内の施設を建設したりレベルを上げたりするには、エリクサーと呼ばれる資源が必要になる。こちらは「世界マップ」でも入手することができるが、拠点内にエリクサーポンプと呼ばれる施設を作ることで、時間経過と共に収集することも可能だ。
ちなみに、本作では画面左下にガイド的な役割を果たすキャラクターが表示されているので、次に何をすればいいのかわからなくなったときは、こちらのアナウンスを参考にゲームを進めていくようにするといいだろう。

こうした拠点で施設や兵士といった内政を徐々に整えていき、準備ができたら「世界マップ」に挑戦していくことになる。この「世界マップ」は、同時にプレイしているほかのユーザーと完全に同期された世界だ。ここでは、リアルタイムで陣地の奪い合いや一緒にイベントに参加するといったことができるようになっている。ただし、戦闘の表示自体はほかのプレイヤーと共有しているということもあり、簡素だ。

新たな誓女はガチャで入手可能!
このゲームに登場する誓女たちは、戦闘に参加するユニットというよりも、どちらかというとバフ的な役割を果たす存在となっている。だが、戦闘中でスキルを発動してくれるなど、なかなか心強い存在であることには違いない。
新しい誓女については、ガチャから入手していくことが可能だ。レアリティも設定されているのだが、基本的に強化を行っていくことでどの誓女であっても同等に育て上げることができるようになっている。そのため、自分のお気に入りのキャラクターを見つけて使い続けていくといった推しキャラプレイも可能となっている。



もうひとつ、この誓女にも関わる部分で、原作から受け継がれている要素が「ヒストリーブック」の存在である。こちらは、よりこのゲームの世界観やキャラクターたちを深掘りしていくために用意されたものだ。ちょっとした絵本のようなミニシナリオとなっているのだが、最初はシックなスタイルのものかと思っていたら、途中からポップなイラストで描かれた場面が登場するなど、なかなか楽しめる作りになっていた。

同盟を組んで討伐イベントに挑戦!
今回の試遊会で最後に行われたのが、ふたつの同盟に分かれて討伐イベント「誓花の巨神Lv.10」に挑戦するというものであった。こちらは、本来は一定期間実施されるイベントとなっており、同盟内でどれだけ指定された巨神を討伐できたか競い合うものとなっている。
拠点内での戦闘とは異なりソロで倒すのは難しいため、同盟のプレイヤーが他のプレイヤーに呼びかけて自分の進軍に追随するといった流れで参加できるようになっていた。

討伐イベントは「世界マップ」で行われるのだが、こちらはとにかく移動までの時間がかなりかかる。だが、アイテムを使って移動速度を短縮するといったことも可能だ。ちなみにこの移動を加速するアイテムに関しては、自分だけに掛かるというわけではなく、参加している同盟のメンバーの誰かが使えば全員に反映されるようになっていた。

そうこうしているうちに、討伐目標となる「誓花の巨神Lv.10」が居る場所に到着。いよいよ激しい戦闘が始まるのか……!? と思った瞬間、一瞬のうちに敗戦してしまった。今回の試遊では全員拠点をレベル5までは上げていたものの、どうやらそれではレベルが足りないことが敗因だったようだ。


というわけで、短い時間ではあったが、ゲームの大まかな要素はひと通り体験することができた。実際にソロで遊ぶこともできるが、同盟を組んで仲間たちと協力し合い、こうした討伐イベントに参加するというのもかなり楽しそうである。
キャラクター性が楽しめる部分がほかのRTSとは異なる!「ReOath」プロデューサー&ディレクターインタビュー
ゲームの試遊が終わった後で、「ReOath」プロデューサーの原伸宏氏とディレクターの三觜辰也氏にインタビューを実施した。

――本作が開発されることになった経緯を教えていただけますか?
原氏:DMM GAMESの10周年記念でお客様にアンケートを実施したときに、「巨神と誓女」が1位を獲得しました。そのときは、人気タイトルが1位を獲得したらDMM GAMESでグッズ化することを約束していましたが、あまりにも投票が熱を帯びており、アンケートに答えてくれたお客様の数も多くいました。
このぐらいの熱量であればグッズ化だけではもったいないということで、ゲーム化もしようということからプロジェクトがスタートしています。
――開発期間はどのくらい掛かったのでしょうか?
三觜氏:b:プロジェクトの始動が2022年の夏頃です。なので、リリースまで考えると2年半ほど掛かりました。
――特にこだわった点や、注目してほしいポイントがあれば教えていただけますか?
三觜氏:b:ティザーなどにも出ていますが、弊社のプラットフォームで「Lord of Walkure」や「Gemini Seed」など、クローズド済みのタイトルのキャラクターが登場します。特にユーザーには、「来月どのコラボが来るのか?」、「あのタイトルは来ないかな?」という形で盛り上がってくれたら嬉しいです。
もうひとつは、「ヒストリーブック」を今作でも用意しています。その内容が原作の「巨神と誓女」をプレイしていたユーザーならば、「もしかしたらあれの続きなのでは?」とか、「あのストーリーを別サイドから見たら、こういう風になっていたのか」など、原作を楽しんでいた人がより考察できるような内容を目指しています。原作ファンの方には、特にそちらを楽しんでいただきたいですね。

――原作の「巨神と誓女」や、姉妹作である「ANGELICA ASTER」について教えてください。
原氏:原作である「巨神と誓女」の精神的な続編というか、世界観を引き継いだのが今回の「ReOath」です。「ANGELICA ASTER」のほうは、世界観というよりはゲーム側のコンセプトを引き継いでいます。これは公式見解ではありませんが、どちらの方がナンバリングなのかというと「ReOath」のほうです。
――開発中に苦労した点や大変だったエピソードを教えていただけますか?
三觜氏:b:僕自身振り返って大変だったなと思うのが、コラボ先の資料を読み込むことです。作品によっては4年続いていたクローズドタイトルもあり、その場合4年間分のメインシナリオを読み込まなければいけません。そうしたことが結構大変でしたね。
コラボに関しては、運用中もどんどん続けていきます。ものによっては、同じようなことを今後もずっとつづけていかなければいけないというのが、苦労する点ですね(笑)。

――同様のジャンルの作品と比較して、差別化されているポイントはございますか?
原氏:ひと言でいうと、世界観やキャラの深掘り、ストーリー性、「ヒストリーブック」といったものに、しっかりとフォーカスしています。RTSの作品でも、そうした部分のフォーカスしたタイトルが多少あるかもしれません。
どちらかというと、プレイヤー同士の戦争やDiscord上でコミュニケーションを行い同盟を組むなど、効率的にゲームを進めるうえで必要なものは用意されていても、不要なものはカットしたゲームが多いと思います。しかし、「ReOath」では旧作のキャラクターも復活しているので、思い出に浸ってもらうための新しいシナリオや後日談など、キャラクター性が楽しめるところがほかのRTSと大きく異なる部分です。
――今後他社IPとのコラボの可能性はございますか?
三觜氏:b:外部IPとのコラボは実施する予定です。まだ公開はできませんがすでに準備は進めており、クローズド済みタイトルにこだわらず、ほかのIPともコラボをやっていれけばと思っています。
――RTSというジャンルを選んだ理由を教えていただけますか?
原氏:弊社のゲームの中ではメインのジャンルではありませんが、ひと言でいうならば自分の推しキャラやIPを、それぞれのプレイヤーが持ち寄って議論してほしいというのがあります。そうした、ソーシャル性がある程度あるジャンルで、なおかつ統合しやすいジャンルということで、RTSはある程度適していると考えゲームシステムとして選んでいます。

――最後に、本作を楽しみにしているユーザーにメッセージをお願いします!
原氏:リリース日が最初にお知らせしたときよりも遅くなってしまい、どうもすみません。半年ほど遅れましたが、その分クオリティのほうはかなり引き上げており、最終デバッグ中です。今はシナリオ上の矛盾を抱えてしまう部分がないか精査しているところです。
原作の「巨神と誓女」を楽しんでいただいたお客様はもちろんのこと、過去のIPに触れたことがあり、それがきっかけで本作に入ってきたユーザーも、楽しい思い出を回顧できるような仕上がりになっています。ぜひ楽しみにしていてください。
三觜氏:b:開発をしている中で特にユーザーに楽しみにしてほしいと思っているのが、他のクローズド済みタイトルのキャラクターが登場するところです。そこに関しては、かなり力も入れており、高頻度でコラボレーションを実施したいと考えております。
これはあくまでも僕の理想の話しになりますが、たとえば「Lord of Walkure」の原作ファンの方が遊んでいただき、「Lord of Walkure」のファンの人たちの同盟ができる。そこで、過去の思い出を語るなどコミュニケーションしてもらうといった形で楽しんでもらえるのは、ほかのRTSにはない部分だと思っています。
そちらに関しては、僕も力を入れてユーザーから「原作愛がないじゃないか!」と言われないようにしたいと思いますので、ご期待ください。
――本日はありがとうございました!

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