待望のノベル最新刊「涼宮ハルヒの驚愕」が発売され、ますます人気沸騰中の“ハルヒ”が今度はソーシャルゲームとなって登場だ!そのタイトルはズバリ「涼宮ハルヒの団結」。果たしてどんなゲームに仕上がっているのか、6月15日のサービスインが待ちきれないファンのために、編集部ではネクソン・土倉康平氏に気になるゲームの中身をアレコレと伺ってきたぞ。
「みんなでソーシャルゲームするのよ!」 ハルヒたちが挑むソーシャルゲームの内容とは?!
ネクソン・土倉康平氏
――まずは単刀直入にお伺いします。「涼宮ハルヒの団結」とはどんなゲームなんですか? 内容について詳しくお聞かせ下さい。
土倉氏:プレイヤーはSOS団(※1)の一員となって、おなじみの団員たち(涼宮ハルヒ、長門有希、朝比奈みくる、キョン、古泉一樹)とドタバタな日常を送りながら、キャラクターを育て、「並行世界」の住人たちと接触し、時には戦うことになります。この「並行世界」の住人というのが他のプレイヤーというわけです。ソーシャルゲームの性質上、ユーザーの数だけハルヒや彼女たちを取り巻く世界が存在することになるため、この「並行世界」という設定にはとても助けられましたね(笑)。
※1)原作でハルヒが結成した同好会。正式名称は「世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団」で、その頭文字を取って「SOS団」と名付けられた。
――プレイヤー以外のキャラクターも育成できますか?
土倉氏:他の団員5人も育成が可能です。5人全員を満遍なく育ててもいいですし、お気に入りのキャラクターだけ集中的に育てても大丈夫。そのあたりはある程度自由に楽しめる仕組みになっています。もちろん育てた団員を他のプレイヤーとのバトルに参加させることもできますよ。
――育成とバトル以外にはどんなことができますか?
土倉氏:今のソーシャルゲームは「バトル」や「アイテム収集」など、何か1つの要素に特化したものが大半を占めていますが、この「団結」では、「バトル」も「育成」も「収集」も入れられる要素は何でも貪欲に取り入れ、より多くのニーズに応えられるものを目指して開発を進めてきました。ただ、個々が難しすぎてはせっかくの要素も十分に楽しんでもらえないので、そのあたりの調整には神経を使いましたね。苦労の甲斐もあって、どなたにも気軽に楽しんでいただけるゲームに仕上がったと思いますよ。
――このゲームの特徴としてはどんなものが挙げられますか?
土倉氏:レベルアップ時に発生するボーナスゲームがキャラクターごとに異なっていまして、これがなかなかアツイんです。たとえばハルヒだったら「メガホンの白刃取り」、みくるは「団員募集のチラシ配り」といった具合で、それぞれちょっとしたアクションゲームになっています。ただクリックするだけのゲームにはしたくなかったので、ここはちょっとこだわりました。ボーナスゲームをクリアするとアイテムがもらえますので皆さんぜひ頑張って下さい。
もう1つはゲーム中に設けられている「謎パラメータ」です。ただ、これは名前のとおりサービスイン後も「謎」のままにしておこうかと思っています(笑)。
――そういわれると、むしろ気になりますね。せめてヒントだけでもいただけませんか?
土倉氏:このパラメータが最大になったとき“何かが起こる”ということで勘弁して下さい。せっかくの「謎」ですし(笑)。ただ、ゲームバランスと密接に関係する重要な数値であることは確かです。おそらくゲームをプレイしていても簡単には意味するところが分からないと思いますので、プレイヤーの皆さんにはぜひ色々と考察してもらいたいですね。
――しばらくこの話題でコミュニティも盛り上がりそうですね。他にもアピールポイントはありますか?
土倉氏:「団結」では、かなりの数のランキングを用意しています。ランキングではよくあるレベルやバトル勝率だけでなく、バトルでの通算敗北数やアイテム合成に失敗した回数といったネガティブなものもランキングとして発表していきます。もちろん、ただランク付けするだけではなく、それぞれのランキング入賞者には腕章が贈られ、他のプレイヤーから憧れの対象になること間違いなしです。ネガティブなランキングも用意したのはこのためで、全プレイヤーがランクインを目指して楽しめるようにしました。オンラインゲームではこうしたランキングってプレイヤーのモチベーションを高める重要な要素にもなっていますので、それをソーシャルゲームにも持ってこれないかと思って導入したんです。このアイデアを社内の打ち合わせに出して皆の反応を見た時、「キターッ!」って心の中でガッツポーズしてましたね(笑)。
――続いては、バトルのルールについて教えて下さい。
土倉氏:バトルはプレイヤー同士の対戦形式で行われます。参加できるキャラクターは3人で、1人ずつ戦って先に2勝したチームの勝ちとなります。当然、育っているキャラクターの方が有利ですが、各キャラクターには“相性”を持たせてありますので、単純に能力だけでは勝負が決まらない駆け引きが面白いですね。
――キャラクターの“相性”はどのように設定されているんですか?
土倉氏:申し訳ないですが、まだヒミツです。バトルを重ねていくなかで、皆さんなりに“相性”を見つけてもらえればと思っています。原作での人間関係も参考にしていますので、それをヒントに推理しながらゲームを進めてみて下さい。
――他にもバトルに影響を与える要素はありますか?
土倉氏:実はあるんです。“一発逆転モード”というシステムで、これが発動すると“相性”や能力で不利な場合でも、文字どおり一発逆転できるようになっています。“相性”やレベルだけで勝敗が決してしまうと、必然的にバトルの対象が自分と同じレベル帯か、それより低い相手ばかりを狙うようになりがちで、スリルも徐々に薄れていきますよね。それを打破するためのアイデアとして導入してみました。さらにレベル差のあるバトルで高レベル側が負けると通常より多くペナルティ!?が与えられる仕組みにもなっていますので、始めたばかりの初心者を「狩る」といった行為も減らせるのでは、と期待しています。
――続いてはコレクション要素について。版権イラストなどが手に入るチャンスはあるんでしょうか?
土倉氏:もちろんあります。ただ、入手は簡単じゃないですけど(笑)。こうしたレアなアイテムは入手することで能力ボーナスが付くなどの特典も用意してありますので、楽しみにしていて下さい。イラストの点数も驚く枚数をご用意しています。さらにアップデートで随時追加していく予定です。他にもゲームの随所にFlashアニメが用意されてまして、演出面にはすごく力を入れています。クオリティだけでなく、数にもこだわって用意しましたので、ファンの方にもきっと満足してもらえると思います。
――これはファンには朗報ですね。ちなみに僕は脇役の某Tさんのファンなんですが、こうした団員以外のキャラクターたちも登場するんでしょうか?
土倉氏:まだ詳しくはお話しできませんが、まぁ出さないわけがないですよね(笑)。何が起こるか分からないという原作の世界観を活かすためにも、おそらく突拍子もないところから出てくるんじゃないかなぁ。誰がいつ登場するのか、楽しみにしていて下さい。
きっかけは居酒屋トーク!?今明かされる開発秘話!
――ソーシャルゲームの題材に「涼宮ハルヒ」を選んだ経緯について教えていただけますか?
土倉氏:最近では「GREE」や「mobage」といったメーカーがソーシャルゲームで大成功を収めてますよね。ウチ(ネクソン)でもそろそろソーシャルゲームを作りたいな、と考えていたんですが、そんな話をたまたま居酒屋で、しかも角川グループとお取引のある方とご一緒している時にポロッとこぼしたんです。そうしたら、その方から「涼宮ハルヒはどうですか?」って。たまたま角川さんにお話しできる方だったんですね。そこから2人で「この話を企画にして持っていこう!」という流れになりました。実は居酒屋で盛り上がっている時点でゲームのイメージがある程度頭に浮かんでいて、それに原作がわりと何でもアリの世界ですし、これはソーシャルゲーム化もしやすいな、と。
――なんと、「団結」は居酒屋トークの産物なんですね!
土倉氏:実はそうなんです(苦笑)。でも、まさか初めて手掛けるソーシャルゲームで、あの「涼宮ハルヒ」を題材に使えるとは夢にも思いませんでしたね。それだけに今回はとても力が入りました。
――土倉さんはゲームのどの部分を担当されたんですか?
土倉氏:今回シナリオを担当された方が「ハルヒ」関連の業界では有名な方なので、原作ファンに向けたシナリオやイラストの選定などは全部お任せして、僕はライトユーザーにも気軽に遊んでもらえるように全体のバランスを取ることに注力しました。原作の雰囲気や世界観を決して崩すことのないようにしながら、純粋にゲームとして楽しめる要素もしっかりと盛り込む。このバランス取りには結構気を遣いましたね。
――開発中、印象に残っているエピソードはありますか?
土倉氏:今回は色々な幸運に恵まれていたと思っています。中でも一番の幸運は、サービスインが間近に迫ったこのタイミングで原作ノベルの最新刊が発売されたことですかね。企画書を持っていった当時にはそんな話は一切ありませんでしたし。ですから、最新刊発売の話を耳にしたときには、僕はそういうヒキの強さを持っているんだなと確信しました(笑)。
――反対に苦労したことがあれば教えて下さい。
土倉氏:角川さんに企画書を持っていくところまではスムーズに事が進んだんですが、社内でこの話を通すのが予想以上に大変でした。何しろウチは国内でソフトを作る土壌がなかったもので、一から立ち上げるとなると何もかもが初めて尽くしだったんです。そんな状況ですから最終的にゴーサインが出るまではとても苦労をしましたね。
――今回はフィーチャーフォンのみ対応ということですが、スマートフォン版の計画もおありですか?
土倉氏:今回は私どもとしても初めての試みということもあり、まずはフィーチャーフォンのみでのリリースとなりました。これを1つの足がかりにして、ゆくゆくはスマートフォンでも配信していきたいですね。そのためにも、皆さんぜひ「団結」をよろしくお願いします!
――では、最後に心待ちにしているファンの方々へメッセージをお願いします。
土倉氏:移動中でも気軽に楽しめるようなゲームに仕上がりました。基本無料ですので、ハルヒファンの方はもちろん、あまりハルヒに詳しくない方もぜひ一度遊んでみて下さい。まだサービス開始前ですが、すでに事前登録サービスは開始していまして、これにご登録いただくとサービスインに合わせて登録者限定の便利なアイテムをもれなくプレゼントされますので。
――それは嬉しいですね! 私もさっそく登録しておきます。今日はありがとうございました。
土倉氏のメッセージにあるとおり、現在GREEでは「涼宮ハルヒの団結」の事前登録を2011年6月13日13:00まで実施している。事前登録者にはスペシャルバトル用アイテムの「お弁当」がプレゼントされるので、忘れずに登録しておこう!
原作ノベル最新巻が発売され、まさに今が旬の「涼宮ハルヒ」シリーズ。ソーシャルゲーム界でも「驚愕」の大ヒットを記録することはできるのか!? サービスインの6月15日まで、あと2週間と少し。お気に入りのキャラクターとの妄想をかき立てつつ待つことにしよう!
※「涼宮ハルヒの団結」はTVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」のソーシャルゲームです。
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