7月13日に1次アップデートが実装予定である「メイプルストーリー」の大型アップデート「ルネサンス」に関して、OnlineGamer編集部ではネクソンの開発者チームにインタビューを実施した。
既報のとおり、「メイプルストーリー」では大型アップデート「ルネサンス」の実装が発表され、1次アップデート「モンスターファミリア」は7月13日、2次アップデート「名工の道」は今夏中に実装される予定だ。
いまだ全貌が見えないこれらアップデートについて、NEXON Korea ライブ1本部 ライブ2室 室長 メイプルストーリー 海外プロデューサー イ・ヒョン氏と、同 日本メイプルチーム チーム長 ファン・ソンヨン氏、さらにNEXOM Japan 運用2室 ゲーム運用5チーム チームリーダー 中西啓太氏の3人に詳しいお話を伺ってきたぞ。
第一次アップデート“モンスターファミリア”に迫る！
――“モンスターファミリア”で仲間になるモンスターは約500種類ということですが、これはほぼすべてのモンスターを仲間にできるということでしょうか？
ファン氏：メイプルワールドで会えるモンスターはほぼ仲間にできるようになっていますが、強力なボスモンスターなどは一部除外されています。
| “モンスターファミリア”ではモンスターがドロップする“ファミリア”を使ってモンスターを仲間として召喚できるようになる。 |
――仲間にしたモンスターをプレイヤー同士で交換したりできるのでしょうか？
ファン氏：基本的に交換は可能です。武器やアイテムと同じような扱いなので、他のプレイヤーに譲渡したり販売したりもできますよ。
――召喚したモンスターにHPが設定されていないということですが、つまり召喚中は無敵になるということでしょうか？
ファン氏：基本的にダメージを受けないので、HPが存在しないということになっています。ただ、召喚したモンスターには気力というパラメータが存在して、攻撃やスキルを使用するたびにこれが減少していき、モンスターの攻撃頻度も下がっていって、やがて0になると召喚が解除されてしまいます。
――仲間にしたモンスターを育成することはできるんでしょうか？
イ氏：“モンスターファミリア”では1体のモンスターを育てることりより多用なモンスターを状況に合わせて使い分ける点にフォーカスを当てているので、1次アップデートでは育成要素を楽しむことはできません。しかし、2次アップデートで追加される“調教師”という専門技術なら、制限された範囲内ではありますが、育成を楽しむことも可能になっていますよ。
――もうひとつの日本独自コンテンツである“魂の武器”についてお聞きしたいのですが、“魂の武器”を作るために必要な“魂の書”はどうやって入手するのでしょうか？
ファン氏：“魂の書”も基本的に従来のアイテムと入手経路は変わらりません。モンスタードロップやガチャポンなどのキャッシュアイテムを通じて入手することができます。また、2次アップデートで追加される“錬金術師”なら自分で製造することも可能になりますね。
既存武器に“魂の書”を使い、モンスターのスキルを使用できるようになる。そのほかにも遠征隊“未来の扉”や、各種スキルの調整などが実装される。
――“魂の武器”で使えるスキルにはどのようなものがあるんでしょうか？
ファン氏：使えるスキルは一部のボスモンスターが使用するものをそのままプレイヤーが使えるようになるので、通常のプレイでは使えない強力な攻撃を放てるようになりますよ。
――“魂の書”を入手するための特殊なクエストが追加されたりするんでしょうか？
ファン氏：クエストに関する部分はまだちょっとお話できないんですが、基本的には誰でも簡単に入手できるように調整していく予定です。ちなみに、“魂の武器”を最終的に完成させるには、“魂の書”と“モンスターの魂”が必要になりますが、強力なスキルを使うには、相応の強力な“ボスモンスターの魂”を入手しなければならなりません。そのあたりで最終的な難易度のバランスをとるようにしています。
――遠征隊“未来の扉”が追加され、“女王シグナス”が暗黒の魔法使いに支配されるということですが、最終的にはこの暗黒の魔法使いを倒せばクリアになるということですか？
イ氏：ストーリー上の問題でネタバレとなってしまうので残念ながら詳細をお話することはできません。ただ、プレイヤーの皆さんに満足してもらえるだけの内容にはなっていますから、今後の展開にご期待ください。
――英雄職とデュアルブレイドにスキルが追加されるそうですが、具体的にどんなスキルが実装されるのでしょうか？
イ氏：英雄職の“エヴァン”にはメンバーの回避率アップを、同じく“アラン”なら対象を氷結させる攻撃スキルが追加します。デュアルブレイドは連続攻撃スキルを追加予定です。
大注目の2次アップデート“名工の道”の全貌が明かされる！
――それでは2次アップデートで追加される“専門技術”についてお聞きしますが、この“専門技術”は誰でもすぐに利用できるのでしょうか？
ファン氏：すべてのプレイヤーに楽しんでもらえるよう調整していますが、システム上は30レベル以降から習得できるようにしています。メイプルストーリー内で30レベルというのはそれほど高いものではありませんから、初心者の方なら30レベルまで上がる間に基本的な操作などを覚えてもらって、ゲームに慣れてきた頃にちょうどこの“専門技術”に触れてもらえると思いますよ。
“専門技術”では通常の戦闘職とは別に存在する6種の生産職から2種を選択できる。各職業ごとの特色は画像の通りで、例えば“狩猟家”が捕獲したモンスターを“調教師”が育成するといった協力プレイも楽しめる。
サブコンテンツとして用意されたのは“ファーミング”“釣りシステムの改善”“性向システム”の3つ。
――“ファーミング”で支給される農場は誰でも無償で入手できるんでしょうか？
イ氏：基本的に全プレイヤーが利用できるようになっていますが、残念ながら無償ではないんです。ただ、農場は“専門技術”と深く関わっているので、“専門技術”を使えるレベル30以上なら無理なく購入できる金額に設定してありますよ。
――“釣りシステム”が改善されるそうですが、これはそういう要望が多かったからでしょうか？
ファン氏：もともとプレイヤーが操作しなくても自動的に釣れるようなシステムだったのですが、もう少しプレイヤーに能動的に楽しんでもらえるようなシステムを追加したいと思ったので、今回アクション性を組み込んでみました。
イ氏：実際はディレクターが釣り好きだから入れたんじゃないかと私はにらんでいます（笑）。
――なるほど（笑）。それでは結構こだわって作られたということですか？
ファン氏：他の開発チーム相手に釣りの話で盛り上がっていたくらいなので、こだわりはかなり詰まっているのではないかと思いますよ（笑）。プレイヤーの皆さんには、アップデート後にプレイしてそのこだわりを感じ取っていただければ幸いです。
――“性向システム”によって、キャラクターの性向が上昇していくとどのようなメリットが発生するんでしょうか？
イ氏：上昇した性向によって異なるメリットを設けています。例えば、ある性向が高いと、クエスト達成時の経験値が増えたり、別の性向では報酬がグレードアップしたりといった感じでしょうか。
「メイプルストーリー」にもたらされる“変革”とは！？
――日本独自のコンテンツが次々と用意されていますが、あえて日本独自のコンテンツを用意したのはなぜですか？
ファン氏：今「メイプルストーリー」は海外でも運営されていますが、その中でも日本のプレイヤーの皆さんは色々なゲームをプレイしていて、要求されるレベルも非常に高いんです。そこで、日本のプレイヤーの皆さんに満足してもらえる独自のコンテンツを作ろうという動きが去年からありまして、それが今年ついに実を結ぶ事となりました
――今回のアップデートで苦労した点はありますか？
ファン氏：“モンスターファミリア”という発想はもともとトレーディングカードゲームを見て思いついたんです。だから、トレーディングカードゲームで遊んでいる方々がどこに面白さを感じているのか、それが理解できるまで、結構苦労しましたね。
――“モンスターファミリア”ではメイプルワールドのモンスターが主役となるわけですが、プレイヤー間で人気が高いのはどんなモンスターですか？
中西氏：カワイイものから、いわゆるキモカワ系まで結構幅広く人気があるようですが、その中でも特に話題に上がるのはマスターソウルベアですかね。後は、ピンクックマみたいなクマ系も人気があるようですね。
――今回のアップデートでは初めて生産系のシステムがメインとなって実装されますが、今後も生産系の拡充を進めていかれるんですか？
イ氏：なにぶん初めての試みなので、まずはプレイヤーの皆さんにコンテンツを楽しんでもらって、要望が多く寄せられるようであれば今後機能を拡張していくことも十分あると思います。
――今後の展望などを聞かせてもらえますか？
ファン氏：今回「ルネサンス」で生産系の要素が入って、今までの狩り中心だったプレイスタイルに新たな楽しみ方を提供できたと思います。ですから、今後もまた別の視点からプレイヤーに新しい面白さを提供していきたいと考えています。
――プレイヤーから寄せられる要望にはどのようなものが多いですか？
イ氏：皆さんから寄せられる要望としては、「自分の家を持ちたい」というのが特に多いですね。その点は今回導入された“ファーミング”の農場である程度答えることができたんじゃないでしょうか。他には「他のプレイヤーとのレベル差がありすぎて楽しめない」というものも増えてきましたね。これも、今回導入した“専門技術”ならほとんどレベルに関係なく一緒に楽しむことができるのではないかと考えています。
――開発中のこぼれ話などがあったら教えてもらえますか？
ファン氏：“モンスターファミリア”はトレーディングカードゲームが元になったとお話ししましたが、その研究に使ったのが「マジック・ザ・ギャザリング」というカードゲームだったんですよ。私自身研究と称して「マジック・ザ・ギャザリング」を遊んでいたんですけど、あまりに夢中になりすぎてしまって経費でカードを買いまくったら、本社から「一体どうなってる！？」と問い合わせがきたというエピソードがありました（笑）。
――面白いエピソードをありがとうございます（笑）。それでは最後にプレイヤーへのメッセージをお願いします。
ファン氏：皆さんが開発側のパートナーになってより良いものを作り上げていくのが「メイプルストーリー」というゲームだと我々は考えていますので、プレイして感じた感想や要望などはどんどんこちらに送っていただきたいですね。
イ氏：「ルネサンス」という名前のとおり、今回のアップデートで、「メイプルストーリー」に多用な変化をもたらしています。プレイヤーの皆さんには様々な面白さを提供できたと思いますので、それぞれのプレイスタイルで楽しんでいってもらいたいですね。
中西氏：今回日本独自のコンテンツを実装することになってプレイヤーの皆さんからの反応が怖い部分もありますけれど、その反応を見て今後のアップデート内容も決めていきたいと考えていますので、これからも「メイプルストーリー」をよろしくお願いします。
――本日はどうもありがとうございました。
久しぶりの大型アップデートということもあり、俄然注目度の高い「ルネサンス」だが、インタビュー中にあるとおり、これまでの「メイプルストーリー」にはなかったまったく新しいプレイスタイルが提唱された。すでにサービスインから8年目を迎える「メイプルストーリー」だが、「誰でも遊べるように」という初心者も上級者も楽しめるコンセプトがここまで続く人気の秘訣なのかもしれない。まだまだ大きな盛り上がりを見せる「メイプルストーリー」に大いに期待しよう。
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