黒い砂漠万人受けに背を向けたRPGの到達点

　大前提として、リアリティを追求した生々しいグラフィック、どことなく陰鬱とした世界観が好みに合うかどうかが大切です。特にグラフィックについてですが、道端の雑草や欠けた壁、壊れた台車、都市部の河川のような水面の色などがあります。これをリアルに忠実な奥の深い世界と見るか、それともゴミのような薄汚い世界と見るか、そしてそれを受け入れられるか、非常に人を選びます。
　おそらく、ネトゲにリアリティなど求めていない方には受け入れ難いと思います。
　さらに、色々な意味でボリュームがありますので、時間に余裕があるか、もしくは時間が足りなくても折り合いを付けられるかどうかも大切です。
　昨今の主流、手軽なネトゲに良くも悪くも逆らった作品です。

【良い点】

・時折ゲーム内で雨が降る、泳いだ後しばらく服が濡れているなど、リアルを追求した細かい演出には目を見張るものがあります。
・インスタンスダンジョンが無く、MAP間の切り替えも無いので、ローディング画面を見て現実に引き戻される機会も少ないです。
・フィールドが1枚になっているため広く、釣りに採集に思う存分走りまわれます。
・ゲーム内要素が多く、金策どうしよう？など、試行錯誤して最適解を探す面白さに溢れています。
採集、交易、mob狩りどれをとっても選択肢に溢れています。
反対に、試行錯誤を楽しめない方には向いていないかもしれません。

【悪い点】

・HDに十分な空き(公式では約35GB)が必要です、力が入ってるとも言えます。
勿論PCの要求スペックもMMORPGの中では高くなっています。最高水準のグラフィックを楽しむなら尚更です。

・徹底的に作り込める自分だけのキャラクターを謳っており、一見するとキャラメイキングに力が入っているように感じますが……実際は
男性：ウォーリア、ジャイアント
女性：レンジャー、ソーサレス、リトルサマナー
と、職、性別、種族の組み合わせが固定されてしまっています。(レビュー投稿時点です)
ジャイアントで弓を使ったり、女性キャラで斧を振り回す事は出来ません。
自由なキャラメイクどころか、不満と不自由さを感じました。
おかげで自キャラにあまり思い入れもありません。
今後のアップデートで追加、改善する予定はあるみたいです。
1アカウントで数キャラ作れるので、今後次第でしょうか。

・操作がとっつきにくく感じました。
ゲーム内でキー操作のヘルプを頼りに都度操作を確認しつつ、慣れるまでがチュートリアルなのだと思います。さらに、売買、行動力についてなどのシステムや仕組みも頭に入れることになります。
これらを理解し慣れるまで、思うように進めずストレスが貯まり、お伴の声にすらイライラさせられました。
ゲームを面白いと思えるのは操作に慣れて余裕が出てからなので、正直なんとかならなかったのかと思うところです。
　操作にある程度慣れてからは爽快感のある戦闘を楽しめました。

【総評】

　遊んでみて、操作性と世界観が戦闘の爽快感に水を差してる気がしました。反対にやり応えと達成感はありました。ゲーム内容、システム等どこを取っても手軽さを感じられないため、誰にでも気軽に進められるゲームではありませんが、時間的余裕がある方、手ごたえのあるゲームをやりたい方には良いかもしれません。