ポイントブランク FPS界の超新星

【良い点】
・わりとしっかりした感じのゲームエンジン。
・対コンピュータ戦の思考ルーチンが、なかなか出来ている。これだったら、全モードに対コンピュータ戦があっても良いのでは？
・テクスチャが、派手すぎず、ギラギラとせず。梨地処理をしているような、独特の風合いがある。
・たぶん、ちょいと古いパソコンでも楽に動く。
・どの銃でも一様に当たる。

【悪い点】
・ゲームのコンセプトそのものが前世紀の遺物。カウンターストライクがハーフライフのMODだった頃からあまり進歩していない。
・移動速度やジャンプの高さが大げさすぎて、さかりがついたタコ星人のように見えてしまう。その他のパラメータも誇張する方向に調節してあるようで、ゲーム全体が安っぽく感じてしまう。
・相手を倒すたびに聞こえる、無駄に力が入った「ダーボゥキル！」「トュリプルキィーール」の叫び声に興ざめしてしまう。
・あまりにも人が居ないので、熱心にレビューすると、「あの人が記事を書いた人ですね」とバレでしまう。

【総評】
「クロスファイア」から、バグとゴーストマッチを取り除いて、得体のしれない怪物の代わりに恐竜を入れたゲーム。

残念なのが、ゲームの根本的な部分が「平凡」の枠を抜け切れていないところ。カニ歩きしたのがピョンピョン跳ね回り、弾を撃ち尽くしたら突撃して終わり(自滅以外に補給の手立てが無い)。「いやぁ、もう、そういうのは、さんざん見てきましたから・・・」というのを、また見せられる。

なんのかんのとスナイパー有利だろうし、速かれ遅かれチートが沸くだろし。アビューズ行為を繰り返す輩がでるだろうし、某国人が日本人狩りを始めるだろうし。早々と倒されたマヌケが、生き残っている味方に対してイヤミを吐き掛けるだろうし・・・。そうした暗い未来に目をつぶってポイントブランクを起動するだけの材料が見当たらない。
(だからといって無理して女性キャラを出すと、コードネームスティングの二の舞になるだろうし)

ゲームを続けてレベル(階級)が上がるとスキルが取れる。射撃速度が速くなったり、防御力が上がったり、手りゅう弾の爆発範囲が広くなったり。この時点で、先行有利、復帰・後発組さようなら、前を歩くカメに追いつけない年功序列の形ができてしまっている。(ブーストイベントで差を縮められるか？と、楽観的なことも書いておこう)

課金システムについて。
なかかなイケている銃が、一日90円とか50円。毎日イケテル銃をぶっ放すとして、90円x30日で一か月2,700円。土日だけぶっ放す人なら720円。「くそっムカツイタ」という人が、カッとなった拍子に一丁買って90円。
もちろん、ゲーム内通貨で手に入る武器もある。課金者に比べると、かなり見劣りするが。

プレイヤー数は、休日の夜で20人いるかいないか。部屋は二つか三つ。平日の夜だと5人いるかどうか。
「ポイントブランク」をインターネットで検索すると、まず、競走馬がでて、次に映画がでる。下のほうまでいって、ようやく、今まで見たことも無いサイトに寄稿された投資家向けの紹介記事のような文章にヒットする。知名度は徹底して低い。

ゲームの地盤は、その辺にころっがっているFPSよりずっとしっかりできている。しかし、FPSマニア層に対しては専売特許に欠け、FPS初めて層に対しては教科書が古すぎる気がする。
「見た目ばかり派手で、中身はカス」系のFPSよりはマシだけど、だからといって、今頃、カウンターストライク1.6のゲームエンジン改良版みたいなものを出されても・・・とも思う。

面白そうなFPSを見つけたと思って始めてみたものの・・・「私たちの目に触れたとき、それはもう、星の終わりを意味する輝きでした」とか。ポイントブランクはFPS界の超新星で終わってしまうのではないだろうか。
どうしてこうなってしまったのか、経緯を知りたくなる。
派手すぎる挙動を除けば、悪いゲームでもないんだけどな・・・。

補足
不正ツール対策にxigncodeを使っている