リスクとリターンがもたらすスリリングな戦闘と育成の中毒性が楽しい!「Lost Light」レビュー

NetEase Gamesからリリースされた「Lost Light」をレビュー。2040年の秩序が崩壊した世界を舞台に、物資を奪い合うサバイバルシューティング。高い中毒性を持つその楽しさを紹介する。

「Lost Light」は、NetEase Gamesからリリースされたマルチプレイのサバイバルシューティングゲーム。先行して配信されていたAndroid版に加え、ついにPC版とiOS版も配信。正式グローバルリリースとなった。筆者も早速プレイしてみたので、本作の魅力をお伝えしたい。

ハイリスクハイリターンか?ローリスクローリターンか?ジレンマが魅力のサバイバルTPS

本作の舞台は、秩序が崩壊し人々が地下シェルターで暮らす2040年の世界。いわゆるポストアポカリプス世界だ。プレイヤーの目的は、タスクフォース「ホタル」の一員として閉鎖地域へと出向き、資源を獲得すること。

当然、閉鎖地域に来るのはプレイヤーだけではない。資源を狙う者が存在する。本作はTPSスタイルのシューティングゲームなので、敵と出会ったらもちろん撃ち合いに発展……することも多いが、必ずしも応戦する必要はない。プレイヤーの目的は、あくまで資源の獲得。資源を獲得して脱出地点に行けばそれでOK。なので敵から逃げたり、あるいはそもそも気づかれないようステルス的に動き回ったりして戦闘を避けるというのも手だ。

ただ応戦して見事敵を倒せた場合、その敵の所有するアイテムを奪えるというメリットがある。本作では、いかに貴重なアイテムを数多く持ち帰るかがプレイヤーの評価だ。腕に自信があるのであればマップ内のアイテムだけに限定せず、積極的に敵と戦ってアイテムを奪った方が高い評価を得られる。

しかしここでジレンマになるのが、プレイヤーの初期装備!閉鎖地域に出向く際、プレイヤーは自分のシェルターの倉庫から、自由に初期装備を持ち込むことができる。当然、強力な装備を持ち込めばそれだけ死のリスクを下げ、戦闘に勝つ確率を増やせるわけだ。

だがプレイヤーのバックパックには限りがある。初期装備を大量に持ち込めばその分バックパック内のスペースがなくなり、閉鎖地域で獲得できるアイテムが少なくなってしまう。一方、持ち込む装備を制限すれば、その分獲得できるアイテムを増やすことができる。もちろん、その分リスクが増えるわけだが…。この悩ましさ!リスクを押し下げればリターンも下がり、多くのリターンを欲するならリスクを冒さねばならない。当たり前といえば当たり前なんだけど、本当に悩む。

閉鎖地域潜入時の操作は仮想パッドを使って行う。スワイプ操作で移動、エイミングを行い、ショットボタンタップで手持ち武器による攻撃が可能。攻撃以外のアクションとしてはボタンタップで「しゃがみ」や「伏せ」が行え、ステルス的な移動を補助してくれる。概ね一般的なTPSを踏襲しているといっていいだろう。このため「操作感」自体はTPSなのだが、プレイ中に感じる「緊張感」は本作ならではだと感じた。これは目的が敵を倒すことではないため、「なるべくなら発見されたくない」という心理が働くことと、スタート時点の初期装備選択でリスクを意識させられることが影響しているように思う。

カスタマイズした武器を持ち込みより有利に戦う!作り込まれた育成の楽しさ

閉鎖地域でアイテムを獲得し、無事脱出地点から帰還すれば獲得したアイテムは晴れて自分のもの。その使い道は大きく分けて3つ。1つめは、自分で装備すること。2つめは、ミッションクリアに使うこと。そして3つめが育成だ。

自分で装備するというのは、現在の装備より強力な装備へと付け替えること。また、回復アイテムや弾薬などは消耗品となっているため、もっぱら閉鎖地域で補充することになる。

ミッションクリアに使うというのは、受注したミッションの納品物として使用するということ。本作は、アヴリルやハイジといったNPCからミッションを受注する形で進行していく。ミッション内容は様々なものがあるが、「特定のマップに入って特定のアイテムを獲得しろ」というのが基本と考えていいだろう。

最後の育成というのは、プレイヤーの住むシェルターや、武器等の強化に使用するということ。シェルター内部にはアイテムを保管する倉庫やアイテムクラフトができる鉄工所などの施設が存在。指定されたアイテムを使用することでレベルアップできる。とりわけゲームスタート時点では倉庫内のスペースが不足しがち。スペースを増やすため、倉庫のレベルアップが喫緊の課題となる。

またプレイヤーの武器については、単純に攻撃力のパラメータをアップするだけではなくかなり細かい強化が可能になっている。たとえば、銃にスコープマウント用のスロットを増設するなど…だ。武器がアップになるビジュアルもカッコいいのだが、銃器のファンにとってはこだわりが反映させられる魅力的な育成要素になっていると感じた。

獲得してきたアイテムの使い道が多岐にわたるからこそ、獲得し甲斐がある。また逆に、緊張感の中苦労して獲得してきたアイテムだからこそ、育成の喜びも強い。そして今度は、育成の喜びが閉鎖地域への挑戦意欲を掻き立てる…。本作はこのサイクルが巧みに作られていて、中毒性が高い。プレイしていると、やめ時を見失ってしまうほどだ。

ゲームはおもしろいが気になる点も…!不具合改善が待たれる

緊迫感のあるTPSパート、カスタマイズの楽しさが詰まったシェルターパートというゲーム性はもちろん、本作はビジュアルクオリティも高い。トータル的に完成度の高い作品だ。ただ、グローバルリリース直後の現時点では、手放しに褒めるにはなかなか難しいものがある。というのも、まだまだ不具合が多いのだ。

たとえばゲーム進行に支障のない不具合だと、キャラクターや武器のテクスチャーが表示されず、中身が透けて見えてしまうといったもの。また厳密には不具合ではないが、言語で「日本語」を選択していても日本語未対応のテキストがかなり多い状況だ。一方、場面遷移時に暗転したまま戻らなくなるなど、ゲームが進行できなくなる不具合も存在している。

リリース直後というのは、ある意味こうした不具合もしょうがないところがあると思う。筆者はゲーム開発側にも立つ人間なのでとりわけ理解出来てしまう部分があるが、特にマルチプレイゲームであればどれだけベータテストを繰り返したところで、正式リリース時の不具合を完璧に防ぐことは不可能だ。というのも、正式リリース時のアクセスというのはオープンβテストのアクセスを大きく凌ぐことが多い。不具合の中には大量アクセスが原因で引き起こされるものも少なくないため、事前に想定して対処することは困難だ。

ただ、それは開発側の都合でしかない。プレイヤーとしては当然、残念な気持ちになってしまう。特に本作は作品自体の完成度が高く、中毒性が高い。世界観に思い切り没入してプレイしている中で、次のミッション内容がわからなかったり、進行不能に陥ったりすれば、一気に現実に引き戻されてしまう。

ただ、テクスチャーや進行不能といった不具合は、使用端末による差がありそうだ。筆者の端末(iPhone11 Pro)だけで発生する問題かもしれない。また、正式リリースによって様々な環境でプレイされることになったため、今後、順次不具合への対応も進むだろう。次回のアップデートではある程度解消される可能性が高いといえる。

不具合や日本語対応の問題を除けば、既に書いた通り本作は完成度の高いTPSだ。直接的な「対戦」が目的ではないこともあり、TPSにつきものの銃のエイミングが苦手だとしても本作のスリルや育成はバッチリ楽しめる。興味を持った人は是非プレイしてみてほしい。アップデートを待つのもいいが、あまり時間が経つと先行プレイヤーとの実力が開いてしまうので、プレイするのであれば初心者の比率が高い現在のタイミングで始めた方が、結果的には楽しめるだろう。

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